本書は資料調査・分析・インタビューにより明らかになった「アメリカによる戦前・戦後の日本研究」であり、アメリカの人類学者による日本研究を網羅した画期的論考。中でもアメリカ日系人の人類学者イシノ・イワオに直接聞いた内容は貴重である。
序 / 松田利彦 第Ⅰ部 研究の現状と本書の梗概 植民地期朝鮮とグローバルな知の連関 : 研究の現状 / 松田利彦 「知」で台湾を世界と結ぶ : 近年台湾史の研究成果を手掛かりに / 陳姃湲 要旨 / 松田利彦・陳姃湲・通堂あゆみ・やまだあつし・鄭駿永 第Ⅱ部 日本本国における知の形成と植民地 近代日本精神医学にみる音楽療法の諸相と連環 / 光平有希 近代日本における衛生統計調査の射程 : 東亜研究所『東亜諸民族の死亡に関する衛生統計的調査』(一九四三年)の成立背景 / 香西豊子 第Ⅲ部 科学と帝国主義 鳥居龍蔵の民族誌と学知の発信 / 中生勝美 帝国の藻類学 : 岡村金太郎の朝鮮産海藻研究 / 石川亮太 日本統治期台湾林業と植物学 : ドイツ林学とアメリカ・ロシア植物学の交錯を中心に / やまだあつし 第Ⅳ部 植民地医学の形成と展開 蛇毒と寄生虫 : 北島多一、高木友枝とその周辺 / 石
25年前に初めてエジプトから来日して以来、日本社会の奇妙な魅力に惹かれてきた。中でも功利性と合理性が共存し、なおかつ近代化に成功しているという事実は、いまだに定義不能な謎である。そこで、大阪大学で福澤諭吉らの合理主義を研究し、「これが核心だ」と思い至った。 ところが、意気揚々と帰国しアラブ学界に研究成果を披露すると、福澤が横浜でオランダ語を使って通じなかったときと同じ種類のショックを受けた。アラブの研究者らが、「日本は東洋の国だ。西洋かぶれの福澤の合理主義は日本の本質を表していない」と、親切にも私の10年分の努力を一掃してくださったのである。 2017年に国際日本文化研究センターに一年間滞在し、その恵まれた環境の中で、美濃部達吉、井上円了、渋沢栄一らに関する理解を一層深めることができた。そして帰国後、再度アラブ学会で発表すると、今度は以前とは対照的に圧倒的な賛辞が集まった。 それは、まるで
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映画「対話のゆくえ 京都大学吉田寮」が2月7日に京都・京都大学の百周年記念ホールにて上映決定。その後、全国の主要国立大学での上映を経て、2027年に全国での劇場公開を目指す。 【画像】「対話のゆくえ 京都大学吉田寮」場面写真(他4件) 本作は日本最古の学生自治寮である京都大学吉田寮を舞台にしたドキュメンタリー。2017年12月、京都大学は建物の老朽化を理由に全寮生の退去を通告し、吉田寮の自治と日常が揺らぎ始めた。やがて大学は寮の明け渡しを求めて学生を提訴。映画では、存続のために議論を重ねる吉田寮生や支援者の姿を捉えながら、近年の大学改革をめぐる課題を浮き彫りにし、現代社会に必要な“対話”の在り方を問いかける。 監督を務めたのは「石巻市立湊小学校避難所」「風に立つ愛子さん」で知られる藤川佳三。藤川は吉田寮の退去問題を知り、2018年から単独で寮に密着し、実に8年もの歳月をかけて本作を完成させ
これまで90カ国ほどを旅してきた。その多くは女ひとり旅だ。 よほど旅慣れしているか、勇気のある人だと思われるかもしれないが、実際は正反対である。気は小さく心配性、英語は聞き取れず、方向音痴というおまけつきだ。 そんな私が海外で安全に過ごすためにやってることを書き出してみたら200ほどあった(自分でも引いたので30くらい削った)。 こんな心配性はめったにいないと思うので、参考にはならないだろう。「そこまでやる?」と笑いながら読んでもらえたら、怯えながらも旅に出てきた自分が報われる思いだ。 【計画・予約・準備】 (まだ何も起きてないのに怖い)・安全をお金で買います!と3回唱える ・出発前のToDoリストを参照しつつ準備する ・パスポートの有効期限を確認する ・入国条件とビザの取得にかかる日数をチェック ・飛行機の乗り継ぎ時間は1時間40分以上を死守 ・市内(ホテル)↔︎空港のアクセスと所要時間
2025年CEAL年次大会及びNCC公開会議<報告> 国立国会図書館利用者サービス部複写課・石澤文(いしざわあや)、 国立国会図書館関西館文献提供課・平澤大輔(ひらさわだいすけ) 2025年3月、米・オハイオ州コロンバスにおいて、東亜図書館協会(CEAL)年次大会と北米日本研究資料調整協議会(NCC)公開会議(E2709参照)が開催され、国立国会図書館(NDL)から筆者2人が参加した。 ●CEAL年次大会(3月12日、13日)及びNCC公開会議(13日) 3月12日に開かれたCEAL年次大会の総会は2部構成で、午前は「東アジア研究と図書館:過去、現在、そして未来」のテーマの下、研究者3人による日中韓の各国研究についての基調講演が行われた。日中韓の各国研究は異なる発展過程を経てきた一方、昨今、北米研究者が中国国内で研究活動を行うことのリスクが高まっていることや北米における日本研究職の求人の停
第35回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告> 国立国会図書館収集書誌部外国資料課・伊藤りさ(いとうりさ) 国立国会図書館電子情報部電子情報企画課・池田功一(いけだこういち) 2025年9月10日から13日まで、日本資料専門家欧州協会(EAJRS; E2751ほか参照)第35回年次大会が、ドイツのハイデルベルク大学でのオンサイト及びオンラインのハイブリッド形式により開催された。筆者2人はオンサイトで参加した。今大会には16か国から147人が参加し、うちオンサイト参加は102人、日本からはオンサイトとオンラインを合わせて85人が参加した。2025年は「日本研究と図書館の変遷: 江戸時代から現代まで」(Japanese Studies and the changing roles of libraries from the Edo period to the present)をテ
ぜひ、自身の就活の体験と重ねながら読んでほしい話だ。 金子大海(かねこ・ひろみ)さんは、大学生時代、全国47都道府県をおよそ3年半かけて旅しながら働く場所を模索した。知名度などで会社を選ぶ”紋切り型の就活”ではなく、「自分が本当に働きたいと思える企業と街」を全国から探すことにしたのだ。 そんな彼が、数ある街の中で最後に決めたのは、都会の便利さや華やかさではなく、瀬戸内の風が通り、人との距離感が心地よい長閑な田舎まち「香川県・三豊市」だった。 47都道府県をめぐる就活の末に見えてきた、“街を選ぶ”ということについて話を伺った。 大学2年の夏、「建築旅」が始まった 静岡県湖西市で生まれ育った金子さん。大学の進学先に選んだのは、静岡理工科大学。県内初の建築学科が立ち上がるタイミングで、一期生として入学した。 「小さい頃からものづくりが好きで、なりたい仕事は何かと聞かれたら“建築家”と答えていまし
多摩ニュータウンはどこにあるか 実際に歩く前に、まずは基本的なところを確認したい。多摩ニュータウンは東京の西部、多摩市を中心に整備された地域で、下の地図で赤く囲ったところだ。 けっこう大きな範囲だ。右側に緑で囲った山手線の範囲と比べてほしい。山手線の内側をぜんぶ更地にして団地を建てることを想像すれば、その規模がわかる。 巡検に参加する 集合場所は京王線と小田急線が走る永山駅というところ。 ここが多摩ニュータウンの入口らしい 左端にいるのが地理プラの山口健太さんで、きょう多摩ニュータウンを案内してくれるとのこと。さっそく丁寧な口調で話し始める。 山口さん「本日はここ永山をスタートしてニュータウンの団地群を見ながら歩いていって、お隣の多摩センターの駅まで大体 6 km ほど歩いてまいります。で、その電車に乗って南大沢駅まで移動して、2 km ほど移動を考えております。」 きょうは永山周辺と南大
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