きょうも仕事がほとんどない。 製薬会社に勤める小林まるさん(仮名)は毎朝、自宅でパソコンを立ち上げて前日の勤務時間を入力したら、すぐにパソコンの電源を切る。 業務と言えるのはそれくらいだ。 時折、会社貸与のスマートフォンが鳴り、メールの受信を知らせる。そのほとんどは病院にメールを転送すれば終わる単純な作業だという。 定例で開かれる社内のウェブ会議には参加するものの、話すべきことがなく、仕事内容を報告する社員の姿を黙って眺めているだけだ。 「メールで会社に作業を命じられることもあるため、外に出るわけにもいかず、ただ自宅に待機しています」 望まぬ配置転換をされてから、もう7年がたとうとしている。 発端は「患者さんの命を救いたい」と思い、会社の不適切な行為を告発したこと。 調査した厚生労働省は会社を指導し、問題は是正された。 「誰かが止めないといけない不正でした。通報したこと自体に後悔はありませ

