【読売新聞】 老化した細胞を体内から取り除く薬剤をマウスの実験で見つけたと京都大などの研究チームが発表した。副作用はほとんどみられなかったといい、人の臓器や体を若く保つ薬として実用化を目指す。論文が国際科学誌に掲載された。 チームは
歳をとると頭が固くなるものだ。だが、それは考え方が硬直化するという意味だけではない。物理的に脳細胞が硬くなっており、それが脳機能の低下にもつながっているようだ。 それならば…細胞に「まだまだ脳は柔らかいぞ」と勘違いさせてみると、なんと振る舞いまで若くなってしまうのだそうだ。 英ケンブリッジ大学の学際的チームが『Nature』(8月14日付)に掲載した研究では、老化して硬くなったラットの脳幹細胞に若く柔らかい脳の中にいると勘違いさせると、本当に若返ってしまったと報告している。 脳細胞が硬くなると体も脳も機能が低下する 体は老化が進むと、筋肉や関節が硬くなり、日常生活で行われる動作が徐々にやりにくくなってくる。 だが同じことが脳にもいえるようだ。今回の研究によると、老化による脳の硬化は脳幹細胞の機能に大きな影響を与えているのだそうだ。 ケンブリッジ大学ウェルカムMRCケンブリッジ幹細胞研究所(
Science誌に「ハダカデバネズミ」というネズミが,無酸素状態になんと18分もさらされても,脳の障害もなく回復することが報告され,この機序の解明が,脳梗塞や心筋梗塞の治療に応用可能かもしれないということで話題になっている.論文も面白かったのだが,このネズミの「変な生きものぶり」にとても関心を持った. 【ハダカデバネズミの特徴】 岩波科学ライブラリーの「ハダカデバネズミ」によると,成体でも体長は10センチと小柄.体温はマウスより5℃低い32℃と低体温,かつ体温調節ができない変温動物である.名前の通り,体毛がなく,薄いピンク色をしたしわくちゃの皮膚で,出っ歯である(図左上).裸なのは寄生虫にたかられるのを防ぐため,出っ歯なのはトンネルを採掘するためらしい.もともと東アフリカの乾燥地域に生息していたが,地下に全長3キロにも及ぶトンネルを掘っていたそうだ.英語ではnaked mole ratと呼
幹細胞は体を構成するさまざまな細胞に分化する能力を持ち、損傷した体組織の回復と恒常性の維持に役立っていますが、加齢と共に幹細胞は再生能力を失ってしまい、これが老化の一因となっています。新たに中国科学院と首都医科大学の研究チームが、長寿に関連する遺伝子を再プログラムした特殊な幹細胞を作成し、高齢のカニクイザルにみられる老化の兆候を逆転させる実験に成功しました。 Senescence-resistant human mesenchymal progenitor cells counter aging in primates: Cell https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(25)00571-9 Restoring youth: Scientists use engineered cells to restore vitality in pr
鋭い枝に尾を切られたとき、あるいは捕食者との戦いで腕を失ったとき、メキシコサラマンダーはじっと待つ。数週間もすれば、失った体の一部は、まるで元通りに再生される。科学者たちは長年、この魔法のような再生のしくみを探り、いつか人間にも応用できるのではないかと考えてきた。そしてこのたび、その詳しいメカニズムを詳しく解き明かした論文が、6月10日付で学術誌「Nature Communications」に発
ワシントン大学の研究チームが、マウスの脳内で老廃物の除去システムを強化することでマウスの記憶能力を向上させることに成功したと論文で発表しました。 Meningeal lymphatics-microglia axis regulates synaptic physiology: Cell https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(25)00210-7 Clearing Brain Waste Dramatically Improves Memory in Aging Mice : ScienceAlert https://www.sciencealert.com/clearing-brain-waste-dramatically-improves-memory-in-aging-mice 脳が機能し続けるには代謝の過程で生成される副産物であ
<加齢にまつわるさまざまな病気の新たな治療法となる可能性が期待される研究最前線について> 細胞の「若さ」と「老化」を切り替えるタンパク質が、細胞の老化を逆転させるカギを握るかもしれない...。 大阪大学の研究チームは、異なる年齢の細胞におけるタンパク質「AP2A1(アダプタータンパク質2アルファ1サブユニット)」の発現を調査。その結果、驚くべき知見が得られたという。 「非常に興味深い結果」と述べるのは、本研究の執筆者の一人である出口真次教授だ。 「老化した細胞でAP2A1を抑制すると、老化が逆転し、細胞の若返りが促進されました。一方で、若い細胞でAP2A1を過剰発現させると、老化が進行します」と説明する。 年齢を重ねるにつれ、活動性の低下した細胞がさまざまな臓器に蓄積していく。こうした「老化細胞」は若い細胞よりも明らかに大きく、相互作用を助ける細胞の構造部分である「ストレスファイバー(St
年をとると蓄積し、体の衰えにつながるとされる「老化細胞」を薬を使って取り除こうという国内初の臨床研究の実施を、順天堂大学などのグループが来週にも学内の倫理委員会に申請する方針を固めたことが分かりました。来年度中に最初の患者への薬の投与を始めたいとしています。 老化細胞は分裂を繰り返したり、遺伝子の損傷が積み重なったりして増えなくなった細胞で、加齢に伴って蓄積し体の衰えや糖尿病などの病気につながるとされています。 順天堂大学の南野徹教授らのグループは、糖尿病の治療薬「SGLT2阻害薬」を使って老化細胞を取り除く動物実験に成功したと5月に発表していて、人での効果を確かめる臨床研究を行うため、来週にも学内の倫理委員会に申請する方針を固めたことが分かりました。 計画では、65歳以上の糖尿病などの患者50人をこの薬を投与するグループとしないグループに分け、安全性に加え細胞の遺伝子の損傷の状況を調べて
たった1回の注射で生涯に渡り老化細胞を攻撃できるT細胞を操作して「若さの泉」とすることに成功! / Credit:Corina Amor . Prophylactic and long-lasting efficacy of senolytic CAR T cells against age-related metabolic dysfunction . Nature Aging (2024)uPARタンパク質は上の図が示すように、老化細胞の表面に数多く存在していることが知られています。 そこで研究者たちはuPARタンパク質を表面に沢山持つ老化細胞を攻撃するようにT細胞を再プログラムしました。 細胞分裂を停止した老化細胞を排除していけば、残るのは新鮮な若い細胞のみになるという考えです。 結果、改造T細胞を投与された老マウスは体重が減り、身体活動が増し、さらに代謝と耐糖性能が改善されているこ
実験では、60歳以上のアメリカ成人2万1442人を対象に、MVMサプリメントが認知機能に及ぼす影響を調査した。さまざまな研究で実験を行ったが、その中でも「COSMOS-Clinic」と呼ばれる試験が興味深い。 COSMOS-Clinicは、60歳以上のアメリカ成人573人を、ランダムに「MVMサプリメント群」と「プラセボ群」に割り当てた。MVMサプリメント群は、毎日1錠の「Centrum Silver」を摂取してもらった。このサプリメントには、ビタミンやミネラル、その他の栄養素が含まれている。 被験者には、最初に対面での詳細な神経心理学的評価を実施した。また2年後にも同様の評価を実施し、影響を分析した。主に全体的な認知機能やエピソード記憶、実行機能、注意力が評価の対象となった。 実験の結果、MVMサプリメントを摂取した群は、エピソード記憶の分野でプラセボ群と比較して有意な改善が見られた。こ
アフリカ東部に生息するハダカデバネズミの体内では、加齢に伴い蓄積する老化細胞が細胞死を起こしてたまりにくくなっていることを、熊本大学大学院生命科学研究部の三浦恭子教授(長寿動物医科学)らのグループが発見した。寿命が3年ほどのハツカネズミ(マウス)より10倍ほど長寿とされるハダカデバネズミの細胞・個体の仕組みを解明。ヒトでのより安全な老化細胞除去・抗老化技術の開発につながる成果が期待できるという。 マウスやヒトなどの細胞では、一般的に遺伝情報であるDNAが傷つくなどすると、その細胞は分裂して増殖するのをやめて老化細胞となる。老化細胞は「死ねない細胞」などと呼ばれており、免疫細胞によって除去されないでいると加齢に伴い蓄積していく。生体の恒常性維持に役立つものの、蓄積が進むにつれ、炎症性タンパク質の生産など体に害になる作用を引き起こすようにもなる。 ハダカデバネズミは、アフリカのサバンナの地下に
アンチエイジングの研究開発でいま注目を集めているのが、老化を「リセットする」技術だ。この分野の第一人者であるハーバード大学のデビッド・シンクレア教授の研究チームは2023年1月に発表した論文において、マウスを用いた遺伝子治療の実験で老化した細胞を元の状態に戻すことに成功したと発表した。 この技術によって心臓病やアルツハイマー病など多くの病気を治癒できるほか、見た目の若返り効果も期待できるという。シンクレア教授と研究チームのヤン・ジェヒョンにハーバード大学の学内メディアが、アンチエイジング研究の最前線について取材した。 ── デビッド(・シンクレア)、あなたは以前から、150歳まで生きる最初の人類はすでにこの世に生まれていると発言しています。今回発表された研究結果によって、その可能性はさらに高まったのでしょうか? シンクレア この20年間で、動物の老化を遅らせる分子が数多く存在することがわか
テロメアの長さが細胞の分裂回数を制限していると考えられる(写真はイメージです) nobeastsofierce-shutterstock <米ジョンズ・ホプキンス大医学部の研究者たちが長いテロメアを持つ人たちの健康状態を調査したところ、毛髪などの若々しさが保たれていた反面、一般の高齢者に比べてがんになりやすいことが分かった。その理由をテロメアの発見史とともに解説する> 細胞核を持たない一部の生物(細菌や古細菌などの原核生物)以外の動物や植物は、真核生物と呼ばれます。染色体の両端に「老化のカウント装置」と考えられている「テロメア」と呼ばれる部分を持っています。 テロメアは、特徴的な繰り返し配列を持つDNAとタンパク質でできています。細胞が分裂するときは染色体の遺伝情報がコピーされますが、テロメアは重要な遺伝情報を確実にコピーできるようにする保護キャップの役割をしています。 また、細胞には分裂
加齢や肥満などの代謝ストレスによって、生活習慣病やアルツハイマー病などの加齢関連疾患が発症・進展することが知られていますが、その仕組みはよくわかっていません。研究グループではこれまで20年以上にわたって加齢関連疾患の発症メカニズムについて研究を進め、加齢やストレスによって組織に老化細胞が蓄積し、それによって惹起される慢性炎症が、加齢関連疾患の発症・進展に関わっていることを明らかにしてきました。さらに最近、蓄積した老化細胞を除去(セノリシス*5)することで、加齢関連疾患における病的な老化形質を改善しうることが示されています。しかしながら、これまで報告されている老化細胞除去薬は、抗がん剤として使用されているものが多く、副作用の懸念がありました。そこで研究グループは、より老化細胞に選択的に作用し、副作用の少ない治療法の開発を目指して研究を行いました。 本研究ではまず、老化細胞に特異的に発現してい
脂肪性肝炎や糖尿病などの生活習慣病を引き起こす一因とされる「老化細胞」が加齢に伴って肝臓などの臓器にたまる仕組みを、マウスやヒトの細胞を使った実験で見つけたと、東京大医科学研究所などのチームが明らかにした。老化細胞を取り除く免疫機能が、特定のたんぱく質の増加により妨げられた結果、蓄積していた。 【写真】「何歳でも挑戦できる」85歳のボディービルダー 研究チームは、肝炎になったマウスに薬剤を投与し老化細胞の蓄積の進行を妨げることで、症状の改善も確認。3日の英科学誌ネイチャーで発表した。 臓器内の一部の細胞は増殖が止まって老化細胞になる。それが蓄積すると炎症を起こす物質を出し続けるため、病気につながると考えられている。ただ、加齢に伴って蓄積する理由は分かっていなかった。 ◇免疫の働きにブレーキ そこで研究チームは、不要な細胞を攻撃して取り除くはずの免疫機能が、老化細胞の蓄積の際には働いていない
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