2018年には、主たるゼミの研究テーマのほかに、以前から継続して取り組んできたテーマについても研究を進め、数本の論文として投稿した。その中で既に刊行されたのが、「ウェブ時代のセルフ・デザイン論」(二松學舍大学『人文論叢』第101輯、P1-22)だ。依頼論文ではあるものの、この数年取り組んできた自己啓発を含む「自己の消費」について、アカデミックな研究蓄積を背景にして論じることができたという点で、とても意義のある仕事だったと思う。 この論文では、近年の自己論と自己啓発の関係について整理しつつ、パーソナルデータが蓄積されていく近年のICT環境が、そこにどういう影響を与えるかについて論じている。遡るなら、『カーニヴァル化する社会』という本に書いた「自己のデータベースへの再帰的問い合わせ」という現象と近似の出来事だが、それが〈ほんもの〉の自己だと受け取られるようになった背景について論じたという形にな

