#2008年に執筆したものの再録です 。 少々個人的かつ挑発的な話より筆を起こすことをお許し頂きたいのだが、私は「音楽には国境がない」とか、「音楽は聴けば誰にでもわかる」といったナイーブな物言いをする人を信用出来ない。そうした物言いをするか否かで、その人の話、もちろん音楽についての話だが、の信頼性すらかなりな精度で評価できると考えている。 というのも、ジャンルを問わず様々な音楽を聴くように努め、そしてその中の幾つかについて文章を書いてきた経験から、どのような音楽ジャンルもそれぞれ固有の文脈の上に存在しており、その文脈がいかに強固に、聴き手の音楽性、楽しみ方、音楽の理解、等々を縛っているのかを肌で理解しているからだ。ゆえに、文脈に馴染みがない音楽というのはえてして理解しにくいものであるし、しばしば「分からない、ゆえに意味がない」という単純な拒絶へと結びついてしまう(だからこそ、「分からないの

