◆◆◆ ──村松さんのクリニックは「リストカットの傷あとに特化した形成外科」をうたっていますね。全国でも珍しいのでは。 村松 2017年に開業以来、1200人以上の自傷患者さんを診てきました。でも昔は、自傷する人への苦手意識があったんです。 僕が医者になったのは2000年ですが、最初は総合病院の研修医だったので、夜間は入院患者さんや救急外来に対応する当直勤務がありました。夜なので自傷の患者さんも多かったのですが、交通事故など他の理由で来院する人たちとは印象が違ったんですよね。 「『自傷する人は“かまってちゃん”だろう』と思っていました」 ──どんなところが違ったのでしょう。 村松 夜間の救急外来に来るほどなので、たいていは腕を深く切っているんですよ。いわゆる「リストカット」です。気づいた家族があわてて連れてきたり、救急車で運ばれてくるんですが、当のご本人はなぜかスッキリとした表情をしている

