(土田 陽介:三菱UFJリサーチ&コンサルティング) 高市早苗首相が20余兆円規模の大型補正予算を発表してから、日本の長期金利の上昇に弾みがついている。それまで1.6%台だった10年国債流通利回りは2%をうかがう勢いだ。投資家の予想を超える規模の補正予算を発表したことで財政運営に対する不信感が高まり、国債の需給が緩んでしまったことがその主因である。 これは典型的な“悪い金利上昇”で、財政の悪化を懸念する金融市場からの警告だ。高市政権の一部の経済アドバイザーは「金利上昇で内外金利差が縮小し、行き過ぎた円安が是正される」と主張しているが、“悪い金利上昇”は通貨の信用力の源泉である国債の価値が低下したことを意味するため、円高要因にはならない。 自国の国債を裏打ちとして中央銀行が通貨を発行できる国が、米国やユーロ圏、日本などに限られることは意外に知られていない。世界の多くの中銀は、欧米の国債や金準

