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  • アレックス・タバロック「レアアースはレアじゃない」(2025年10月18日)

    だいたい10年に1回くらい,中国によるレアアース独占について騒ぐ言論が出てくる.前回は,2010年にポール・クルーグマンが書いた文章がそれだった: なんとも不思議なことに,こういうことが起きてるのに国家安全保証の面ですら誰も警鐘を鳴らしていない.政策担当者たちときたら,アメリカのレアアース産業が閉業していくなか,ただ手をこまねいている(…).その結果,中東の石油国家の暴君たちすら夢見ることのない独占の立場が生じている. (…)この事態で,アメリカの政策担当者たちの無為無策ぶりが浮き彫りになっている.信頼できない体制が重要な物資を完全に掌握しているさなかに,彼らはなにもしなかった. この文章が出て数年後に,この危機が誇張されているとぼくは指摘した: 中国政府は,一時的な独占力を利用したがっているかもしれないし,そうではないかもしれない.ただ,中国の生産者たちは合法・非合法どちらの面でも輸出禁

    アレックス・タバロック「レアアースはレアじゃない」(2025年10月18日)
  • アレックス・タバロック「カリフォルニア大学サンディエゴ校の数学の学力不足が警戒水準に」(2025年11月12日)

    カリフォルニア大学サンディエゴ校の入学に関する評議会レポートで,数学と読解で学生の技能が急激に低下しているのが記録されている――前から危ぶまれていた件だけど,今回は大学内部から警報が響いている. 学は真に憂慮すべき状況にある.2020年から2025年にかけて,数学の〔習熟度別〕クラス分け試験の結果で中学校レベルの基準に満たない新入生の数が30倍近く増加している.カリフォルニア大学部が定める最低限の数学カリキュラムを超える範囲を,そうした学生のほぼ全員が履修済みであり,多くが高い成績評価を与えられていたにも関わらず,そうした水準に留まっているのである.2025年度新入生クラスでは,この集団が全体のおよそ 8分の1を占めている.同程度の割合の学生が,高校卒業レベルの達するために追加の作文コースを受講しなくてはならないが,同じ2020年~2025年の期間にこちらの割合は大きく変わっていない.

    アレックス・タバロック「カリフォルニア大学サンディエゴ校の数学の学力不足が警戒水準に」(2025年11月12日)
  • ノア・スミス「ソーラーパンクこそアフリカの未来だ」(2025年11月23日)

    Photo by Polat Solar via Wikimedia Commons 1980年代~90年代サイバーパンクで描かれていた未来像が次から次へおおよそ実現する様を見ては愉快に思ってる.「さて,次に実現する未来像はなにかな」って思案を巡らすのも楽しい.ひとつの候補は,「ソーラーパンク」だ.ただ,いまのところ,その大半は美術的な趣向にすぎなくて,完全に肉付けされた未来像にはなっていない.シンガポールはビルに植物を生やしていてかっこいいけど,それ以外はごく標準的なサイバーパンク都市でしかない. ところが,スカンダ・ガラムがこんな説得力ある主張をしている――「ソーラーパンクこそアフリカの未来だ.」 ちょうど,かつてサイバーパンクがアジアやアメリカ各地の未来だったのと同じように,ソーラーパンクがアフリカで実現すると彼は議論を展開している. 基的に,アフリカ諸国家は弱くって,インフラ提供

    ノア・スミス「ソーラーパンクこそアフリカの未来だ」(2025年11月23日)
  • ノア・スミス「流動性と AI『バブル』」(2025年11月23日)

    アメリカ経済の未来は――そしてもしかするとアメリカ政治の未来も―― AI が大きく崩壊するかどうかにかかっている.以前の記事ではこう述べた――この問いは,投機や〔「いまのトレンドがこのまま続くだろう」という〕外挿的期待の伝統的な「バブル」プロセスの問題ではなくて,たんに AI が実質的なリターンを生み出す速度を世間が過大に推測しているかどうかにかかっている(日語版). でも,もしかしてぼくは間違っていたかもしれない.伝統的な「バブル」プロセスもここで働いてるかもしれない――〔みんなの動きに羊みたいについていく〕畜群行動や投機や「みんなに取り残されるのは怖い」心理ももっと作用していて,現実の AI 投資を突き動かしているかもしれない.そうだとしたら,現れていないか探るべき警戒信号は,投資家資金(流動性)の枯渇だ. 金融バブルの経済学モデルの多く,たとえば外挿的期待モデルや情報オーバーシュー

    ノア・スミス「流動性と AI『バブル』」(2025年11月23日)
  • ノア・スミス「21世紀は中国の世紀になる?」(2025年4月17日)

    おそらくはそうなる.ただ,みんなが予想してるあり方とはちがうかも. アメリカが絢爛豪華にアホをやらかして経済的に自滅しつつゆっくりと権威主義体制に堕していく様を目撃して,こんな風に自問する人がちらほら現れている――「結局,21世紀は中国の世紀になるんじゃないだろうか?」 トーマス・フリードマンは「そうなる」と言っている: [中国で事業をやっているアメリカ人が]こう言った.「昔は,みんなアメリカに来て未来を目の当たりにしていた.いまは,ここに来て未来を見ている.」(…) アメリカでは「トランスジェンダーのアスリートがどのチームで競技に参加できるか」という問題にトランプ大統領がクビをつっこんでいる間に,中国では AI で工場の有様を一変させ,アメリカのあらゆる工場のずっと先を突っ走ろうとしている.トランプの「解放の日」戦略では,いっそう関税にのめり込む傍らで,アメリカのイノベーションを促進する

    ノア・スミス「21世紀は中国の世紀になる?」(2025年4月17日)
  • ノア・スミス「21世紀は中国の世紀になる?」(2025年4月17日)|経済学101

    おそらくはそうなる.ただ,みんなが予想してるあり方とはちがうかも.アメリカが絢爛豪華にアホをやらかして経済的に自滅しつつゆっくりと権威主義体制に堕していく様を目撃して,こんな風に自問する人がちらほら現れている――「結局,21世紀は中国の世紀になるんじゃないだろうか?」 トーマス・フリードマンは「そうなる」と言っている: [中国で事業をやっているアメリカ人が]こう言った.「昔は,みんなアメリカに来て未来を目の当たりにしていた.いまは,ここに来て未来を見ている.」(…) アメリカでは「トランスジェンダーのアスリートがどのチームで競技に参加できるか」という問題にトランプ大統領がクビをつっこんでいる間に,中国では AI で工場の有様を一変させ,アメリカのあらゆる工場のずっと先を突っ走ろうとしている.トランプの「解放の日」戦略では,いっそう関税にのめり込む傍らで,アメリカのイノベーションを促進する国

    ノア・スミス「21世紀は中国の世紀になる?」(2025年4月17日)|経済学101
  • ノア・スミス「マムダニの最大の課題」(2025年11月12日)

    Photo by Bingjiefu He via Wikimedia Commons 社会主義的な目玉政策では,NYC の主要産業流出を止めることも高コストを下げることもかなわないだろう 予想どおり,ゾーラン・マムダニがニューヨーク市市長選挙に勝利した.マムダニに関する評論の大半は,彼のイスラーム宗教背景やその左翼的なイデオロギー,あるいはその2つの組み合わせを中心に書かれている.これまた予想どおりだ.2024年の共和党勝利で民主党は衆目の一致した指導者不在に陥っている.そして,マムダニはカリスマのある人物で,冴えた有能な選挙戦を展開して大勢の人たちを触発している.「いまやゾーランこそ事実上の進歩派運動ひいては民主党全体の指導者」なんて言ったら誇張だろうけど,マムダニは間違いなく注目の的だし,彼の成功は左派全体がどこに向かっているかを示していると広く見られている. マムダニのイスラーム信

    ノア・スミス「マムダニの最大の課題」(2025年11月12日)
  • ノア・スミス「マムダニの最大の課題」(2025年11月12日)|経済学101

    Photo by Bingjiefu He via Wikimedia Commons社会主義的な目玉政策では,NYC の主要産業流出を止めることも高コストを下げることもかなわないだろう予想どおり,ゾーラン・マムダニがニューヨーク市市長選挙に勝利した.マムダニに関する評論の大半は,彼のイスラーム宗教背景やその左翼的なイデオロギー,あるいはその2つの組み合わせを中心に書かれている.これまた予想どおりだ.2024年の共和党勝利で民主党は衆目の一致した指導者不在に陥っている.そして,マムダニはカリスマのある人物で,冴えた有能な選挙戦を展開して大勢の人たちを触発している.「いまやゾーランこそ事実上の進歩派運動ひいては民主党全体の指導者」なんて言ったら誇張だろうけど,マムダニは間違いなく注目の的だし,彼の成功は左派全体がどこに向かっているかを示していると広く見られている. マムダニのイスラーム信仰や

    ノア・スミス「マムダニの最大の課題」(2025年11月12日)|経済学101
  • ノア・スミス「対中輸出規制は機能してる」(2025年11月8日)

    先日の米中貿易交渉について,多くの人はこう予想していた.「譲歩として,Nvidia の Blackwell チップを中国に売るのをドナルド・トランプが提案するだろう.」 Nvidia の EO ジェンスン・フアンは,自社に大きな利益をもたらすこの動きを強く求めていた.ところが,結局トランプは態度を崩さず,中国にチップを売るのを拒否した: Nvidia の Blackwell チップ輸出を承認するのは,アメリカにとって最大の地政学的競合相手である中国テクノロジーの加速剤を与えることになりうる,地殻変動的な政策転換になるだろう.しばしばトランプと言葉を交わしているフアンは,中国市場へのアクセスを維持すべく執拗にロビー活動を続けている. 習近平との会談に備えるなかで,マルコ・ルビオ国務長官をはじめとする高官たちは,対中チップ販売が国家安全保障を脅かすとトランプに伝えた.チップを輸出すれば,中国

    ノア・スミス「対中輸出規制は機能してる」(2025年11月8日)
  • ノア・スミス「ウォーレン・バフェットがあんなに投資でうまくやった方法は?」(2025年5月12日)

    Photo by Aaron Friedman via Wikimedia Commons 投資界の伝説が歴史の人になった.バークシャー・ハサウェイ CEO・議長のウォーレン・バフェットが,この年末に引退すると表明した――齢95での引退だ.バフェットが投資をしてきた機関のバークシャーは,株式市場を驚くほど上回る成果をあげてきた: Source: Bloomberg もしも1964年に S&P 500 に1000ドル投資していたら,いま手にしているお金は数百万ドルになっていただろう.他方,バフェットの会社に投資していたら,10億ドルを手にしていたはずだ. シャープ比率(自分がとったリスクに対する超過リターンの指標)で見ても,バフェットは他のあらゆる投資信託をぶっちぎって孤高の存在となっている: 金融理論からするとできるはずがないことを,バフェットはこうしてやってのけた:長年にわたって,彼は一

    ノア・スミス「ウォーレン・バフェットがあんなに投資でうまくやった方法は?」(2025年5月12日)
  • ノア・スミス「パッシブ運用についての興味深いアイディア」(2025年11月8日)

    この数十年ほど,アクティブ運用からパッシブ運用に大きな転換が進んでいる.「ただインデックスファンドなり ETF なりを買っておけば自動的に市場の平均と同じ成果が得られるってのに,わざわざ時間をかけて株式を選ぶ労力を注ぐ理由ってなんだ?――これなら手間も手数料もかからないってのに.」 この論理はすごく強力だ.歯止めがかからない勢いでパッシブ運用がアクティブ運用を超えていってる理由もそこにある: Source: Morningstar でも,もしも市場のみんながこぞってこれをやりだしたらどうなる? もしも,誰も株を自分で選ばなかったら――「ETF購入」ボタンをただクリックする人たちしかいなくなったら――どの株が実際に買う値打ちがあるか探り当てるのに必要な調査を誰がやる? それに,みんなが同じ時に同じ株を買ったり売ったりしていたら,それってなんか危なくないの? 企業統治は? もしもヴァンガードや

    ノア・スミス「パッシブ運用についての興味深いアイディア」(2025年11月8日)
  • ノア・スミス「反トラストについてぼくらは間違ってた?」(2025年11月8日)

    Photo by AT&T via Wikimedia Commons 2000年代から2010年代にかけて,アメリカでは低成長が続き,企業投資は低水準で,企業活力も低下していた.それに,企業の集中も進んだ.少なくとも全米で均すとそうだった.大勢の経済学者たちがいろんな手がかりからこんな仮説を立てた――「独占力が強まってきたせいで経済の活力が下がってしまっているんじゃないか.」 リナ・カーンと「新ブランダイス派」(”neo-Brandeisan”) の反トラスト運動を突き動かしたのは,実のところこの仮説ではなかった.でも,おそらく,カーンの政策を批判した経済学者がほんの一握りしかいなかった理由は,おそらくこの仮説にある. ところが,ここ数年で新しい研究がどんどん出てきて,市場支配の実態はいままで考えられていたのよりもずっとややこしく入り組んでいるのが見えてきている.たとえば,Albrech

    ノア・スミス「反トラストについてぼくらは間違ってた?」(2025年11月8日)
  • ノア・スミス「日本の観光客過剰に京都がとった冴えた解決法」(2025年11月8日)

    にとって,観光客がいっそう問題になってきている.日観光は増える一方で,日に多大な収益をもたらしているけれど,京都と東京(人気1位2位の目的地)の都市インフラに巨大な負担をかけてもいる.ここまで大勢の人たちを道路も鉄道もさばけない.その一方で,アメリカその他の西洋諸国からやってくる多くの観光客たちは,お行儀がひどくて日社会をピリピリさせている.観光客が押し寄せて人が過密になっているあまりに取り締まりもできないほどで,これが問題をさらに悪化させている. とはいえ,観光をムリヤリ制限すると,長らく停滞している日経済に必要な収益(と外貨収入)がなくなってしまう.というか,名古屋みたいに注目されずにいる多くの都市は,むしろもっと観光客を求めている.日政府は外国人旅行者を京都と東京から他のそういう都市に誘導するためにいろんな策を講じてきた.ただ,その効果はといえば,すごくまちまちだ. と

    ノア・スミス「日本の観光客過剰に京都がとった冴えた解決法」(2025年11月8日)
  • ノア・スミス「表現の自由がなかったらアメリカは虚無だ」(2025年9月19日)

    Photo by Pete Souza via Wikimedia Commons もっとも根的な権利のために立ち上がらないといけない 「言論の自由が奪われれば,我々は口もきけず沈黙のままにどこぞへと導かれかねない.屠殺場にひかれていく羊のようなものだ.」――ジョージ・ワシントン 「我々の自由は報道の自由にかかっている.この自由は,制限されれば失われてしまう.」――トーマス・ジェファーソン 「なぜ言論の自由と報道の自由が許されるべきなのか? なぜ政府は(…)自らが批判されるのを許容すべきなのか? 私は,殺傷力のある武器による反対を許容しない.思想が命を奪う力は,銃より大いにまさる.なぜ,いかなる者も(…)政府を困らせる有害な意見を世に広めることを許されるべきなのか?」――ウラジーミル・レーニン ドナルド・トランプは,アメリカに言論の自由を復活させると約束しながら再び権力の座に戻ってきた.

    ノア・スミス「表現の自由がなかったらアメリカは虚無だ」(2025年9月19日)
  • ノア・スミス「表現の自由がなかったらアメリカは虚無だ」(2025年9月19日)|経済学101

    Photo by Pete Souza via Wikimedia Commonsもっとも根的な権利のために立ち上がらないといけない「言論の自由が奪われれば,我々は口もきけず沈黙のままにどこぞへと導かれかねない.屠殺場にひかれていく羊のようなものだ.」――ジョージ・ワシントン 「我々の自由は報道の自由にかかっている.この自由は,制限されれば失われてしまう.」――トーマス・ジェファーソン 「なぜ言論の自由と報道の自由が許されるべきなのか? なぜ政府は(…)自らが批判されるのを許容すべきなのか? 私は,殺傷力のある武器による反対を許容しない.思想が命を奪う力は,銃より大いにまさる.なぜ,いかなる者も(…)政府を困らせる有害な意見を世に広めることを許されるべきなのか?」――ウラジーミル・レーニン ドナルド・トランプは,アメリカに言論の自由を復活させると約束しながら再び権力の座に戻ってきた.1月

    ノア・スミス「表現の自由がなかったらアメリカは虚無だ」(2025年9月19日)|経済学101
  • ノア・スミス「AI がちょっぴり期待外れになるかどうかにアメリカの未来はかかってるのかも」(2025年10月12日)|経済学101

    Photo by Siddhant Kumar on Unsplashアメリカ経済の支柱がひとつ倒れたら,トランプ政権は大コケするだろういま大勢の人たちの脳裏でざわついている問題といえば,これだ:「なんでアメリカ経済は持ちこたえてるんだろう?」 トランプ関税で製造業は大打撃を受けているし,雇用統計の数字もふるわないし,消費者感情は2008年からの大不況レベルにまで落ちている: こういう警戒信号がともっているのに,ギリギリ経済の瓦解に見えなくもない事態すら起きていない.失業率はちょっとだけ上がったけれど,まだまだ極めて低いし,働き盛りの人たちの雇用率は史上最高水準近くにとどまっている(労働市場の健康状態を見るときにぼくが重宝してる数字が雇用率だ).ニューヨーク連銀の GDPナウキャストでは,GDP 成長率の目下 2% をわずかに上回って推移している一方で,アトランタ連銀のナウキャストはそれよ

    ノア・スミス「AI がちょっぴり期待外れになるかどうかにアメリカの未来はかかってるのかも」(2025年10月12日)|経済学101
  • ノア・スミス「高市早苗のための経済アイディア」(2025年10月29日)

    Photo by Cabinet Public Affairs Office via Wikimedia Commons 再び日を高成長に導くには 日の歴代総理大臣といえば,だいたい,地味で冴えないつなぎ役で,在任期間も長く続かない.ただ,たまに重要な指導者が現れて大きな仕事を成し遂げ,長く政権を続けることがある――2000年代の小泉純一郎と2010年代の安倍晋三が,近年の代表例だ.新しい首相がそういう例外的な総理になるかどうか,就任当初に見極めるのは必ずしもかんたんじゃない――安倍にしても,2000年代にはじめて政権を担ったときにはパッとしないまま短期で退場している.彼が日を大きく変えたのは,2012年に再登場してからのことだ〔日語記事〕. 就任したばかりの高市早苗がそういう変革の担い手になるという期待は高まっている.高市は,現代日ではじめての女性指導者だ.とくに若者を中心に彼

    ノア・スミス「高市早苗のための経済アイディア」(2025年10月29日)
  • ノア・スミス「高市早苗のための経済アイディア」(2025年10月29日)|経済学101

    Photo by Cabinet Public Affairs Office via Wikimedia Commons再び日を高成長に導くには日の歴代総理大臣といえば,だいたい,地味で冴えないつなぎ役で,在任期間も長く続かない.ただ,たまに重要な指導者が現れて大きな仕事を成し遂げ,長く政権を続けることがある――2000年代の小泉純一郎と2010年代の安倍晋三が,近年の代表例だ.新しい首相がそういう例外的な総理になるかどうか,就任当初に見極めるのは必ずしもかんたんじゃない――安倍にしても,2000年代にはじめて政権を担ったときにはパッとしないまま短期で退場している.彼が日を大きく変えたのは,2012年に再登場してからのことだ〔日語記事〕. 就任したばかりの高市早苗がそういう変革の担い手になるという期待は高まっている.高市は,現代日ではじめての女性指導者だ.とくに若者を中心に彼女の

    ノア・スミス「高市早苗のための経済アイディア」(2025年10月29日)|経済学101
  • ノア・スミス「AI時代になってもなんでこんなに放射線科医がいるの?」(2025年10月16日)

    AI によって消え去る人間の仕事は多い」と考えてる人は大勢いる.おそらく,この予測に誰より自信をもっているのは,実際にその AI をつくってるエンジニアたちだろう.たとえば,現代 AI の創出で要になった一人であるジェフリー・ヒントンは9年前にこう宣言した――放射線科医の育成をやめるべきだ.5年か10年も経てば,彼らは AI に置き換えられるだろう: 「いま放射線科医として働いている人は,まるで崖から空中に飛び出してしまったのに,まだ下を見下ろしていないコヨーテみたいなものだ(…).放射線科医の育成はすぐにやめるべきだ.5年以内に深層学習は放射線科医たちよりもうまくやるようになるのは完全に明白だ.(…)もしかすると10年かかるかもしれない.だが,すでに放射線科医は有り余っている.」 当時,まだ ChatGPT はまだ生まれていなかった.それでも,2016年時点の AI システムはすでに医

    ノア・スミス「AI時代になってもなんでこんなに放射線科医がいるの?」(2025年10月16日)
  • ノア・スミス「長期成長に関する考察にノーベル経済学賞」(2025年10月14日)

    アギオン,ホーウィット,モキイアは最大の謎に挑んだ さてさて,今年もノーベル経済学賞について書く時期がやってきた.よかったら,2024年,2023年,2022年,2021年の記事も読んでみてね.〔日語版: 2024年,2023年,2022年〕 「ノーベル経済学賞は『ホンモノの』ノーベル賞なのかどうかって飽き飽きする古い問いをのぞくと [n.1],基的にこういう記事で語るべきことは3つある: 受賞した研究について その受賞が経済学業界について物語っていることについて その受賞がもっと広く世界の政治と政策について物語っていることについて というわけで,まずは受賞した研究について短く語ろう.今年は,文化と経済成長についての功績でジョエル・モキイアが,技術革新のモデル構築でフィリップ・アギオンとピーター・ホーウィットが,それぞれ受賞した.今回の賞の要点についてうまくまとめてある文章は,以下を読

    ノア・スミス「長期成長に関する考察にノーベル経済学賞」(2025年10月14日)