―― アメリカの衰退と中国の台頭により、国際秩序が動揺しています。現在の世界をどう見ていますか。 内田 「パクス・アメリカーナ」の終焉です。アメリカは依然として軍事的・経済的な大国ですが、もう「超大国」ではありません。他国より相対的に強いというだけで、世界に冠絶する絶対的な力を持っているわけではない。 すでにアメリカは「帝国の縮小期」に入っています。直近の縮減モデルは大英帝国です。かつて地表の24%を占め「日の沈むことのない」と言われた大英帝国は、第二次大戦後に海外植民地を統治するための軍事的・経済的コストに耐えきれず、インド・パキスタンの独立、アイルランドの英連邦離脱、スエズ危機の軍事介入失敗、アフリカ植民地の独立ドミノ、最後は香港返還に至る「大英帝国の終焉」プロセスを約半世紀かけて踏破することになりました。しかし、帝国の崩壊後も英国は大国として国際政治におけるキープレイヤーの地位を維持

