トーマス・シェリング『紛争の戦略』(河野勝監訳、勁草書房、2008) ノーベル経済学賞に輝くゲーム理論家シェリングの主著。 お互い相手がそうしようとしていることを知っているならば、人々はしばしば自分の意図や予測を他者にあわせることができるのである。多くの状況、そしてこの種のゲームをおこなう人々が直面するおそらくすべての状況は、行動を調整するいくつかの手がかりを与えてくれる。つまり、相手がどう予測すると自分が予測するかについての相手の予測を各人がどう予測するかについてのフォーカル・ポイントがそれである。唯一の手がかり、もしくはいくつかある手がかりのうちある一つの手がかりを見つけ出すことは(唯一の手がかりであると相互に認識されている手がかりが唯一の手がかりとなる)、論理よりも想像力に依存している。それはたとえば、類推、先例、偶然の配置、対称的・審美的・幾何学的な形状、詭弁的な推論、そしてだれが

