紙幣を乱発すれば価値を失い、国家は破滅的打撃を受けるという経済学の常識は米国には通用しない。 米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年9月に勃発(ぼっぱつ)した金融危機に対応するため、わずか4カ月で平時なら十数年もかかる追加資金供給に踏み切った。同時にゼロ寸前まで金利を引き下げたがドル相場は安定し、インフレ懸念もない。 原油など国際商品や金融資産の大半はドルで取引されている。金融商品に投資していた欧州の金融機関が危機後、清算しようとしたらドルが払底し、欧州各国は米国に頭を下げてドル資金を融通してもらうしかなかった。商品市場からもドルが消え、原油相場は暴落、産油国ロシアからは投資資金が逃げ出した。 金融危機までは、ドイツやフランスは欧州統一通貨「ユーロ」圏を拡張したが、危機の波及でユーロ圏から脱落する国が出そうな情勢になった。ロシアのプーチン首相はルーブル建ての石油輸出の準備を進めてきたが、今や

