お笑い賞レースの審査員は、難しい役割だ。今見たネタにすぐ点数や優劣をつけなければならない。コメントも要求される。しかも、審査対象は統一的な評価基準が未だない「お笑い」だ。 そんな審査員は、SNS上で批判の的にもなりやすい。大会終了後に噴き出す違和感、不満。「叩かれることまで含めて仕事だ」と冷静に語る審査員経験者もいる。 たくろうの優勝で幕を閉じた2025年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)もまた、審査員に注目があたった大会だった。ただ、目立ったのは炎上ではない。むしろSNSを中心に称賛の声を集めた審査員がいた。 ミルクボーイの駒場孝である。なぜ、駒場の言葉は多くの人に届いたのだろうか。その理由は、あえて同時代的な表現を使えば、「推し」の魅力を「言語化」する手つきが際立っていた点にあると思う。別の角度から言えば、M-1が演出する漫才師たちの「物語」との距離感が絶妙だった。 印象を残した「

