はじめに 今年も残すところ後わずかになりました。今回は「元旦」という言葉の話です。この時期になると、「元旦は正月一日の朝という意味であり、元日と同義に使うのは誤りだ。したがって、例えば元旦の朝というのは重複表現で云々」という主張を見かけるようになります。もはや風物詩と化しているこれですが、結論から言うとこの主張は誤りです。以下で「元旦」がどのように使われてきたのか見ていきましょう。 語義考察に字源は御法度 本題に入る前に、まずこの手の論者が陥りがちな字と語の混同について取り上げましょう。言葉の意味を論ずる際に、その言葉の表記に使用されている漢字の成り立ちを持ち出して論を展開する場面をしばしば見かけます。「元旦」の例でよく出てくるのは、「旦」の構成は地平線を表す「一」と太陽の「日」で、日の出を表しているから、「元旦」は朝に限定するのが本来の用法だ、というものです。 しかし古い字形を見ると、「

