2021年2月、衆院予算委員会中に言葉を交わす当時の武田良太総務相(左)と西村康稔経済産業相
2021年2月、衆院予算委員会中に言葉を交わす当時の武田良太総務相(左)と西村康稔経済産業相
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 自民党は1月21日に衆院選の公認候補284人を発表したが、その中には2023年に発覚した裏金問題にかかわった議員37人が含まれていた。高市早苗首相は裏金議員にも小選挙区と比例区の重複立候補を認める方針で、党内では「また裏金問題が再燃しかねない」と危惧する声があがっている。

【写真】公明党の集会で深々と頭を下げていたのがこの人

 24年10月の前回衆院選では、当時の石破茂首相が裏金議員の多くを公認せず、公認しても比例区との重複立候補は認めなかった。その結果、非公認となって無所属で立候補した萩生田光一元政調会長、西村康稔元経済産業相は当選したが、下村博文元文部科学相は落選した。武田良太元総務相は公認されたが、選挙区で敗れ議席を失った。

「代理戦争」で連勝してきた武田氏

「なんとか今回は当選してほしいが、まだまだ裏金議員のレッテルは有権者の不信感につながっている。地元でも『裏金はどうなった。何に使った』と絡まれることがあります」

 こう話すのは、武田良太氏の支援者だ。

 24年の衆院選で福岡11区から出馬した武田氏は、日本維新の会の新人、村上智信氏に約2200票の僅差で敗れた。落選後、武田氏は現職時代とほぼ同数の秘書を地元にはりつけ、再起を期してきた。武田氏自身も解散・総選挙がささやかれたころから、

「ほとんど地元に張りついて歩いています」(前出の武田氏の支援者)

 昨年3月23日の豊前市長選では、武田氏の元秘書が、村上氏が支援した現職市長を破って当選。同日の県議補選や10月26日の苅田町長選でも、同様に武田氏が支援する候補が、村上氏の支援する候補を破って当選した。「代理戦争」で勝利を続け、地元では武田氏が返り咲きに向けて勢いをつけていると見られていた。

 昨年10月、公明党が自民党との連立を離脱したが、朝日新聞によると、武田氏は当時、公明党との関係の変化について、「まったくない。すべての選挙を一緒にやってきた。そこのところは以前と変わらず協力体制を望んでいきたい」と話していた。だが、その後の動きは武田陣営にとっても想定外だったろう。公明党は立憲民主党とともに新党「中道改革連合」を結成した。

「福岡11区の過去の選挙結果から、武田氏には公明党票が約2万票きていたと考えられます。前回落選したときの武田氏の得票は5万6000票あまりだったので、3分の1以上が公明党票になる。だが、公明党が立憲民主党と結びついたので、武田氏は2万票を失いかねない崖っぷちに立たされています」(前出・武田氏の支援者)

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