進次郎vs.既得権「鉄のトライアングル」
コメ高騰にあえぐ国民の救世主として、小泉進次郎農相の人気がうなぎ上りだ。
前回の自民党総裁選で惨敗して以来、隠忍自重を強いられてきたが、5月下旬に「コメ担当相」として久々に表舞台に復帰すると、「5kg2000円」という政府備蓄米の格安放出を短期間で実現。平均店頭価格(5kg)が4300円前後と史上最高値を付ける中、大手スーパー店頭に並んだ「小泉米」の売り切れが続出する人気ぶりで、マスコミが連日、小泉氏の一挙手一投足を追いかけるフィーバーとなっている。
政府・与党内では、「進次郎劇場」が石破茂政権の支持率を回復させ、夏の参院選での得票増につながることを期待する声も上がる。だが、事はそう単純ではない。
小泉農相が、世論が期待するコメ政策の抜本見直しに踏み込めば、森山裕幹事長をはじめとする自民党農林族議員や、その支持基盤であるJA(農業協同組合)グループ、農水省という既得権益死守を狙う「鉄のトライアングル」が、黙っているはずはない。
小泉人気の再燃をよそに、政府・与党内では参院選後をにらんだコメ政策を巡る暗闘が勃発しそうな様相だ。
「ガチガチの農林族である江藤拓前農相が、コメ高騰長期化の元凶。今年3月から政府備蓄米の一般競争入札による業者への売り渡しを始めたものの、JAやその中核組合員の零細・兼業農家に忖度し、コメが値崩れを起こさないよう放出効果を骨抜きにするのに躍起だった」
国民の神経を逆なでする、「家には支援者からいただいたコメが売るほどある」との失言をきっかけに、江藤氏が事実上農相を更迭された5月21日夜。霞が関の経済官庁幹部は、備蓄米の放出が効果をあげてこなかった理由をこう解説した。
その上で、小泉農相の緊急登板について「江藤氏の後任なら、誰がやってもコメの値段は下がる。美味しい役回りで、上手くやれば、次期首相の最有力候補として浮上する好機となるだろう」との見立てを披露した。