2020年、いよいよ40代・50代の「大量早期退職」が始まる…!

生き残るためのただひとつの方法

「経済のグローバル化やデジタル化によって、国内外を問わず企業間の競争は日々厳しくなっており、世界的に企業の寿命が短くなる傾向が鮮明になっています。アメリカでは株価指数S&P500を構成する大企業の平均寿命は1960年には60年を超えていましたが、近年ではその半分にも満たない24年にまで短くなってきています」

そんな衝撃の事実を語るのは、『定年消滅時代をどう生きるか』の著者である中原圭介氏である。

日本では平均寿命が伸びる高齢化が進む中にあって、会社の寿命がどんどん短くなる「大量早期退職」時代がいよいよ幕を開ける――そのとき生き残っていけるのはどんな人なのか。「これからの時代を生き残るにはプロ並みのスキルが3つは必要だ」と言う中原氏が2020年からのビジネス社会を生き抜くためのサバイバル術を伝授する。

〔photo〕iStock

会社の寿命は「20年未満」になっていく…!

長寿の企業が比較的多いといわれる日本でさえも、東京商工リサーチの調査によれば、2018年に倒産した国内企業の平均寿命は24年にまで縮まってきており、遅かれ早かれ、平均寿命が20年を割り込むのは時間の問題だろうといわれています。

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これからの日本では、大学を卒業して70歳~75歳まで働くとすれば、50年前後の会社員生活は1種類の仕事だけをするには長すぎるという状況にあります。企業の平均寿命が着々と短くなって20年を切るようになれば、職業寿命は企業寿命の2.5倍以上の長さになってしまうからです。

政府は将来、高齢者が70歳~75歳まで働ける環境を整えていくつもりですが、そうなれば計算上は人生で3つの仕事や会社を経験する機会を得なければなりません。そこで必要となるのは、転職で有利になるキャリアやスキル、仕事へのモチベーションの高さです。

会社の寿命は短くなるが、日本人の寿命は長くなる…

2018年の日本人男性の平均寿命は81.25歳、女性は87.32歳と過去最高を更新していますが、健康上の問題で日常生活をなんら制限されることなく過ごせる期間を示す「健康寿命」は、2016年の時点で男性が72.14歳、女性が74.79歳と推計されています。

男女とも70歳まで働いたとしたら、リタイア後に健康に生活を送れる期間はそれぞれわずか2年と4年しかありません。そのような社会が現代の人間にとって本当に幸せといえるのだろうか、そういった疑問を感じる人も少なくないかもしれません。

しかし私は、AIを用いた医療や創薬の進歩によって、これまでと次元が異なる予防も含めた治療方法が確立され、健康寿命を今よりも10歳くらい延ばすことは十分に可能だろうと考えています。

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そのうえ、今の若者に見られる仕事への価値観の変化が、健康寿命を大幅に延ばすカギを握っていると思っています。

仕事に情熱を持ってやるか、情熱を持たずにやるか、前者と後者では個人にかかるストレスに雲泥の差があるからです。

ストレスを感じずに仕事を楽しむことによって、がんなどの大病のリスクが軽減されますし、健康寿命をさらに延ばすことができるのではないでしょうか。

夢を3つも実現する方法

今の若者にとって仕事とは、自らがスキルを磨いて成長できる機会であると同時に、やりがいを感じることができる対象です。

仕事をすることが楽しくならなければ、その仕事をする意義は薄いという価値観を持っているのです。

中高年も仕事に対する価値観を若者と同じように変えていくことが、人生を楽しく豊かにするヒントになるはずです。「好きこそ物の上手なれ」を地で行くことが求められているというわけです。

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2020年には政府によって働く人々が70歳まで雇用を保証される法案が成立する見通しですが、ただ目標もなく惰性で仕事をしているだけでは、自らが希望する仕事に従事する可能性は低くなると考えたほうが無難です。

生涯労働といって差し障りのない環境が整備されるとなれば、希望しない仕事はできるだけ避けたいところです。

人生を通して満足感を持って働き続けるには、たとえば、20~30代後半、30代後半~50代前半、50代前半~70代前半とキャリアを3区分して考えながら、リカレント教育(学び直し)も活用して自らの新たなスキルを高めていくべきでしょう。

それはつまり「夢を3つかなえること」とイメージすれば、前向きに考えられないでしょうか。

AIが「最短化」するプロフェッショナルへの道

職業寿命が企業寿命の2倍を超えてしまう点では、ITやAIの力によって専門家になるスキルを修得する時間が大幅に短縮できるというのは、非常に有意義なツールになると考えています。

今では脳科学や行動心理学などの見識を駆使して、効率的にスキルが獲得できるコンテンツが語学学習や受験勉強などの分野で普及し始めています。あと数年単位の時間を要するかもしれませんが、その時には多種多様な分野のコンテンツができあがってくることになるでしょう。

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10年前や20年前だったら、職人のような専門性が極めて高い技術を身に付けるのには、何年もかかるといわれていました。

たとえば、少子高齢化によって建設・土木の現場の職人不足が深刻化しているなか、若い世代が職人の技術やノウハウを受け継ぐための人材育成が遅れているといわれていますが、親方や先輩の背中を見て学ぶ時代はすでに終わりを迎えているのかもしれません。基礎や鉄筋、外壁、塗装、左官、内装といった工事を受け持つ職人の技術は、作業の手順やコツ、注意点などを解説する動画の閲覧サービスを活用すれば、ある程度の水準までは学ぶことができるのです。

あるいは寿司職人になろうとしたら、親方のいる店に弟子入りして、最初は皿洗いや掃除、雑用などから始まります。

魚を扱えるようになるまで5年、寿司を握れるようになるまで10年かかるのが普通だといわれています。

しかし、いずれにせよ近い将来、AIやVR、ARを活かした、リアルな反復練習が可能になれば、親方や先輩の技術を数年で伝承することは難しくなくなるでしょう。

一人に3つのスキルが必要になる時代

さまざまな職業の見識をデジタル化してまとめたコンテンツが普及すれば、誰もが真剣に学ぶことで熟練したスキルをこれまで以上に早く身に付けられるようになるからです。

近年の医療ドラマなどでは、医師がVRで手術の特訓をするシーンがよく見られますが、あらゆる業種でそのような訓練が可能になっていくというわけです。

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デジタル技術のイノベーションが起こりつつあるなかでは、個人は情熱や努力次第で3年もあればひとつのプロ領域をつくれるようになります。そうであるならば、9年にわたってモチベーションを保って精進を続けていけば、3つのプロ領域を獲得できるという計算になります。

ですから、私はこれからの時代は、若手や中堅であればスキルは最低でも3つは持ってほしい、年輩であってもできれば2つは持ってほしいと考えています。

スキルは多ければ多いほど、個人の価値を高めることができます。仕事で派生的に身に付けるスキルでもいいですし、趣味と関係のあるスキルでもいいのです。

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