今日も今日とて釣りはないかと人気エントリーをチェックしていたところ、学生時代から釣り師としてご活躍されている、伊藤春香さんがいかにも釣れそうな、釣り針だらけの記事を書かれているのを発見しました。
AM「アム」 - love : はあちゅうが語る女の本音/36歳以上で結婚していない男性は何かしらの問題が・・・?
はてブも約300獲得しており、Twitterでも約700は言及されていることから、この釣果に釣り師としては大変満足されていることでしょう。既に釣り指摘をしている方は複数いらっしゃいますので、多くの方が釣りであることは分かっているかと思いますが、伊藤春香さんのこの文章がなぜここまで人を釣る事ができるのか、例の如く、一文字一文字、一文節一文節、行間を隙間が無くなるほど見つめて、釣り解説をしていきます。
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※細かい上、長いです。小町の炎上トピを一気に読破できる精神力が求められます。ご注意下さい。
まずはタイトルから。
はあちゅうが語る女の本音/36歳以上で結婚していない男性は何かしらの問題が・・・?
“はあちゅう"が語る"女の本音"という文句から、釣り針が垂れていますよね。個人が語っているにも関わらず、"女"と一般論化している。女性の気持ちが知りたい男性と、一緒に括られたくない女性がこれで釣れるわけです。
さらに、"36歳以上で結婚していない男性"というターゲットを絞った上での"何かしらの問題が・・・?"という表現。本文を読むと"「問題」がある"と断言しているのに、タイトルを三点リーダー + 疑問系にすることで、批判を避けようとする。その上、疑問系によって読み手に投げかけをしていることから、読み手は自分に何か問題が無いか、つい頭の中で考えてしまう。巧みの技ですね。
アラフォー男性とデートする時にチェックするべきポイント
この小見出しも釣りです。なぜなら、問題があると書かれているのは、36歳以上の男性であって、アラフォーとは限定されていませんから。ただ、個人的には、これはフェイクミスだと思うんですよね。その後で、"(周りの男性は)33歳から36歳くらいで結婚したい"とか"36歳ってそこまでヤバイとは個人的には思わない"と書いてあって、別に36歳以上を明確にイメージしている印象は受けませんから。受け狙いのために、少し盛っちゃった感じですね。
某女子会で、
「36歳を超えても結婚していない男には、絶対に『何か』ある」
という話題になりました。
女子会でのネタは女子会内で完結したほうがいいというのは、昨年Twitter上で大炎上したサイゼリヤデート案件などあったように、もはや常識と化している教訓です。以前からご自身でもネットの炎上を多数経験し、ネットリタラシーの高い伊藤春香さんがご存じないはずがないですから、"絶対に"という反証一つで引っくり返る、危険ワードを使っていることからも、「ここから先の話は私のサークル以外の人には聞くに耐えないですよ」と親切に教えてくれていると考えるのが普通の解釈です。見識のある読者であればこの時点で読むのを止めているはずで、ここから先の文章を読んでいるのは、自分から釣られたい人であって、自業自得です。
35歳の男性にデートでサイゼリ"ヤ"に連れて行かれた女性のtogetterまとめが何故炎上したか - Togetter
男性の結婚適齢期というものが、ググってもがよくわからなかったのですが
周りには「33歳から36歳くらいで結婚したい」
と思っている男性が多いようです。
結婚適齢期というのは、結婚するのに適した年齢であり、そんなものはgoogleって出てくるはずがありません。ポリティカルに問題がある。だからって、結婚したい時期=結婚適齢期としてしまうのもおかしいですよね。結婚したい時期に結婚できなければ、結婚適齢期を逃してしまうことになるし、結婚をずっとしたいと思っていれば結婚適齢期は永遠に続くわけで、適齢という言葉を使う必要がありません。
もちろんそんなことは分かっていて、平均結婚年齢でもここでは代替が効きそうですが、それを調べるのが面倒で、周りのごく少数のサンプルから一般化したわけです。ここはポイントです。重要なことなので繰り返します。ごく少数のサンプルからの一般化。後でまた出てきます。
なので、36歳ってそこまでヤバイとは個人的には思わないのですが、
その夜はたまたま、
「36歳以上で、結婚してないor結婚を考えるパートナーがいない人は、
何かしらの問題がある」説が盛り上がったよ。
個人的には思わないと言いつつも、たまたまみんなで盛り上がったと書くことで、自分には非難が向かないようにしています。この辺を無意識にできるのが、この方の釣り師としての腕前の凄さです。自分の主張に合った発言だけ巧みに抽出・編集することでアクセス数を増やした、2ちゃんねるのまとめサイトの管理人に通じるものがあります。
当然、思ってなかったらこんな論調の文章は書かないでしょうし、以下の例を自分の「アラフォー男性チェックリスト」に記載するわけもありませんから、当然ながらご自身が「36歳以上で、結婚してないor結婚を考えるパートナーがいない人は、何かしらの問題がある」という説を信じています。
更に細かいですが、ここまでずっと男性という話をしてきたのに、急に"パートナー"と使うのも上手いですよね。男性に限らないと言っているわけです。さりげなく、女性もdisる。
「問題」というのは完全なる女子目線なので、
当の男性陣は自分に「問題」があるなんて夢にも思っていないと思いますが、
また、ここで"女子目線"と一般化しています。"たまたま"あった"某女子会"に参加したごく限られた女性の目線を女子目線としてしまう。こういうのは、地味にイラっとしますよね。
このあとその「問題」の例が挙げられますが、"←"がそれぞれ違う意味で使われています。通常〇〇←△△なら、△△が〇〇をサポートする根拠であるはずですが、時々△△が結論だったり、包含だったりします。まじめに考えれば考えるほど、泥沼にはまってしまう、読者を混乱させる仕掛けです。しかも、レベル感が全く揃っておらず、優先順位もないから、一体何がポイントなのか理解しにくい。ここで、釣られる人は多いはず。
※ナンバリングはtopisyuの手によるものです。
例を挙げると
①・女性を(心から)愛せない体質 ←自分のことが彼女より大事。
いきなり、この"←"が分かりませんね。ここでは例示です。細かいですが、()をつけることで愛には心が必要としていたり(愛は精神に宿る主義)、人を愛せるか愛せないかを体質の問題としていたり(愛は身体に宿る主義)するなど、ご本人の複雑な思想を垣間見ることができます。自分が他人より大事ではない人は希少ですから、ここも分かりやすい釣り針。
②・そもそも結婚願望がない ←でも子供は欲しいという矛盾した男性多し。
"周りには「33歳から36歳くらいで結婚したい」と思っている男性が多いようです。"という問題設定だったはずが、結婚したくない人の話になっています。この"←"は、実は"and"です。ややこしい。
③・稼いでない ←フリーターとか。(ミュージシャン/アーティスト志望率多し)
"とか。"がポイントですね。フリーターだけでなく、低収入な人全員を釣っています。ここでの、"←"は例示。
④・放浪癖がある ←突然、世界一周行っちゃったり。
この"←"は難しい。因果とも読めるし、例示とも読める。
⑤・マザコン ←母親との同居含む。
"←"は包含。実家暮らしを一気にマザコンとして掻っ攫います。
⑥・結婚できない商売についている ←アイドルとか。
身近にアイドルがいる!例示。
⑦・夢追い人 ←夢を叶えるまで結婚しないパターン。
これまでの他の項目③④⑥と一部重複します。レベル感が揃っていないことでモヤモヤさせる。因果。
⑧・暴力をふるったり酒癖が悪かったり、性格に大いに問題がある ←一番嫌…。
DVやアルコール中毒を性格の問題としています。個人の感想。
⑨・何かに熱狂しすぎ ←対象は車から仕事まで様々。
重複。例示。
⑩・バツイチ ←バツイチですって、顔に書いてないとわからないよね。
これがこの中で一番の釣り針ですよね。離婚したのを本人の問題にしています。離婚事由の一番は、ご存知のとおり性格の不一致であり、この場合はどちらかに明確な非があるものではありません。なお、バツイチかどうかは、戸籍謄本と除籍謄本を追えば分かります。個人の感想。
⑪・おかしな性癖がある ←歴代彼女が毎晩鬱になるような何かが…ある…。
歴代彼女が毎晩鬱になっている事実を知っていることが凄いですよね。どうやって入手するんでしょうか。等号。
などなど。
と、一番の釣りポイントを一つ一つチェックしていきましたが、ここまで、①~⑪を見てみて、気付いたことがありませんか?ミュージシャン志望、アイドル、バツイチ、歴代彼女がいるという特徴。これらから推測するに、ここで挙げられている問題点を持った男性は"モテる男性"です。彼女がこれまで複数いた人。彼女が途絶えない人。それを一般化して"男性"と一括りにしています。
モテない普通の男性がモヤモヤするのは当然です。なぜなら、この文章では最初からそのような方々は対象に入っていないからです。そして、これらの問題点も、アイドルと付き合えるようなごく限られた女性の手によるものですから、普通の女性向けに書かれているものでないのです。
対象が本当は物凄く限定されているのに、男だ、女だなどと一般化しているので、対象外の男性、女性が釣られてしまうのです。「なんだ、言っていることが全然ピント外れだぞ」と言いたくなる。
あらゆるパターンがあるけれど
とにかく、何かしらの「結婚出来ない理由」や「歴代彼女が結婚をしなかった理由」があるから、
気をつけようね、という統一見解。
パターンがパターン化していないことは置いておいて、結局、統一見解としているということは、ご自身も36歳以上で結婚していない人はヤバいということに同意しているわけです。出だしの文章から距離が離れているので、精読しなければ気付きにくい。巧妙な釣り針。気付いた時に憤怒。
なぜなら我々には時間の余裕がないからね。
我々=女性です。女性には時間の余裕がないとしている。異論反論が出やすい話題。
36歳以上の人とデートをする時には、
「なぜ結婚していないのか」の理由をつきとめ、
それが許容範囲なのかをまず考えるのだ! 話はそれからだ!
と参加者一同、深く心に刻んで帰宅。
ここは重要です。理由をつきとめることがポイントと書いてますよね?深く心に刻んでいるとも。その後の、エピソードへの対処を読んだら、つい突っ込みたくなるような仕掛けです。
その数日後。
たまに会う、イケメンのお兄さん(以下イケメン)とご飯を食べました。
やはり、イケメンが周りにいるのが自然なようです。彼女らが付き合ったり普段会う男性はこういう方で、それらの男性を一般化して"男性"としているのです。なお、イケ兄ではなく、イケメンとくくることで、男性をイケメンかそうでないかと区別するという意識が見えますね。そして、エピソードに。
そのイケメンは、前回会った時には、ラブラブな彼女が出来たばかりで、
「オレ、彼女に会いたいから早く帰るっちゃ!」みたいな感じで
飲み会を早々に退散していたのですが、わずか数カ月の間に、状況が激変。「その子とは別れたんだけど、完全には別れられないっていうか…大変でさ…」。
なんと今、その元カノから逃れるために、弁護士に相談しているんだと。付き合っているうちに、彼女の性格にいろいろな問題があるということがわかった彼が
別れを切り出すと、彼女がストーカーに変わっちゃったらしく。「勝手に家とか入ってきちゃうから、俺、家に帰るのが怖くて、
毎晩友達と電話しながら帰って、部屋に戻ったらベッドの下まで
くまなくチェックする」って。やばい。何それ。怖すぎ。
「セコム頼もうかな…いや引っ越ししようかな…」とつぶやくイケメンの顔を見ながら
どんなにこの人がイケメンでも絶対に好きになっちゃダメだ…と悟りました。だって、その元カノ、次の彼女に危害を与える可能性が大いにあるじゃん!
彼本人が襲われるのは仕方ないとして、巻き添えを食らうのは真っ平御免だよね…!
皆さんは、このエピソードを読んでどう思われますか。「元カノがストーカーな場合はその人と付き合っちゃだめ!」という教訓を得ますか。
自分は違います。その男性が嘘をついて、その付き合った女性の悪い情報を伝え、いかにも自分に非が無かったということを、自分を通して噂を流させたいのではないかと先ずは疑います。特に、男女の恋話が好きで、共感力の高い、スピーカーになってくれそうな人は、この種の人からはターゲットにされるので注意が必要です。相手側の主張を聞かずに、どちらか一方だけを信じるのは、風説の流布の共犯になってしまいます。母親の言い分だけを聞いて、妻に注意をする夫と同じ愚を犯しています。必ず、両者の裏取りをしたいところです。
このように、その男性に問題がある可能性も考えられない時点で、付き合いたいという本人から事前にヒアリングしたところで、ご自身が考えるような問題を抱えているかなど分かるはずがありません。上手く騙されるだけです。
普通は、理由をつきとめなければならないという結論の後で、このエピソードが来たら、「ああ、実際につきとめた例かな」と思うわけですが、そこをあえて、このような無防備な意見を書いて、読者のツッコミを待っているわけです。普通の人なら書けないですよ。一流の釣り師です。
それにしても、30代前半のそのイケメン、これがトラウマになって暫く恋愛が出来ないんじゃ…。
蛇足ではありますが、もし、その男性が彼女を貶めるためにそのようなトラウマ発言をしているのであれば、直ぐに新しい女性と付き合うでしょうね。自分の非を消して、次に繋げるのが目的ですから。
彼もまた、近い将来「36歳以上未婚枠」に入るのだろうか。
その日の夜、私は、「アラフォー男性チェックリスト」に
「元カノが猟奇的でないこと」という項目を静かにつけ加えました。
このようなプロセスで出来上がった「アラフォー男性チェックリスト」をあなたは有用だと思いますか?
これを書いている間に、人気エントリーで同じような釣り記事を発見してしまいました。本当は、これも釣り解説をしたいところですが、元記事の巧妙な仕掛けをときほぐすだけでヘロヘロなので、これ以上の解説はどうかご勘弁ください。