寒い冬、強い風が吹くとよりいっそう体温が奪われるため、この時期の強風はできれば避けたいものです。
昔から風よけには防風林(ぼうふうりん)が利用されてきましたが、一口に防風林と言っても場所や防ぐ対象などによって、屋敷林(やしきりん)、防砂林(ぼうさりん)、防雪林(ぼうせつりん)、耕地防風林など様々なものがあります。
海岸にある防風林は、潮風や砂が侵入してくることを防いでいます。そして、家の敷地に植えられる屋敷林は、「だし」や「おろし」といったある決まった風向をもつ局地的な風から、家屋を守って美観を保ち、極端な冷え込みを避けることに役立ちます。
また、農地に見られる耕地防風林もおよそ風向の定まっている局地的な風に対して効果を持ち、作物の損傷や耕地の地温が低下することを抑制したり、表土の飛散を防ぐことで、農作物の収穫量を安定させる働きをもっています。
研究によれば、防風林が風速に影響を与える範囲は、風下側でその高さのおよそ30倍とも言われますから、局地的な風に対しては大きな効果を生んでいるといえるでしょう。
お天気豆知識(2026年01月20日(火))


樹木は、その植える場所によっては風を防ぐ防風林として働きますが、風を通すための「風の道」として利用することもできます。
近年、都市部の気温が夜間になってもあまり下がらないという「ヒートアイランド現象」が、問題視されています。これは日本だけでなく、緑の乏しいアスファルトに覆われた都市部であればどこの国でも起こりうることです。以前はドイツにあるシュツットガルト市もヒートアイランド現象に悩まされた都市のひとつでした。
しかし今では道路や緑地の幅を拡げて風が都市の内部まで入り込めるようにする「風の道」によって緩和されたといいます。これは、芝生や樹木の下が日中は温まりにくくて夜間には冷えやすいということを利用したものです。また、植物から水蒸気が放出されるときに大気の熱を奪うことも、都市を涼しくしてくれます。
そして日本の環境省も、この「風の道」をヒートアイランド現象の有効な対策と高く評価し、私たちの国でもこれによる効果が期待されています。

