スマートフォンのアプリを完全に削除せずに、容量を節約する方法

使用頻度の低いアプリを完全に取り除く必要はない。使わない間はクラウドに保管しておけば、必要な時に再びインストールできる。その間、スマートフォンの貴重なストレージ容量をほかの用途に活用できるのだ。
View from below of a green filing cabinet with a drawer open and a paper coming out
Photograph: Jan Willem Kunnen/Getty

スマートフォンの空き容量を増やしたいと考えているなら、よくおすすめされるのが使用頻度の低いアプリの削除だ。これによって、アプリが占めていたスペースやアップデートに必要な通信量を節約できるうえ、アプリによるデータ収集も止められる。

しかし、アプリを完全に削除するのに抵抗がある人のために、別の方法もある。

実は、AndroidiOSにはアプリをアンインストールせずに、アプリに関連するデータやファイルの大部分を削除できる機能がある。Androidではこれをアプリの「アーカイブ」、iPhoneでは「非使用のアプリを取り除く」(オフロード)と呼んでいる。この機能を使うと、アプリアイコンと多くのデータはスマートフォンに残る。再度必要になったときには、ウェブからデータが取得され、アプリが完全に復元される。

これにより、あまり使わないアプリが自動的に管理され、デバイスで大きなスペースを占めることなく、必要なときに簡単にアクセスできるようになる。

You can manually archive any app on Android.
You can manually archive any app on Android.David Nield

Androidでアプリをアーカイブする

グーグルはアプリのアーカイブについて「デバイスからそのアプリのソフトウェア、権限、一時ファイルが削除され、通知が停止されますが、アプリアイコンとデータは保持されます」と説明している。アプリを手動でアーカイブすることも、最も使用頻度の低いアプリをAndroidに自動で選択させることもできる。

アプリを手動でアーカイブするには、設定を開いて「アプリ」を選択し、アーカイブしたいアプリを選ぶ(目的のアプリが表示されていない場合は「アプリをすべて表示」をタップする)。「アーカイブ」をタップすると、アプリ一覧とホーム画面(設置している場合)のアプリアイコンがグレー表示になり、その上にアーカイブアイコン(雲の中に矢印が入ったマーク)が表示される。アーカイブされたアプリを元の状態に戻すには、そのアイコンをタップするだけでよい。すぐに再インストールされ、アプリは通常通り起動する。

これらの処理を自動化したい場合は、Google Playストアアプリを開く。プロフィール画像(右上)をタップし、「設定」→「全般」を選択して、「アプリの自動アーカイブ」を有効にする。グーグルはアプリをアーカイブする具体的な基準を明示していないが、手動でアーカイブした場合と同様に、アーカイブされたアプリの名前の横にアーカイブを示すマークが表示される。

自動アーカイブを有効にしていても、必要に応じて手動でアプリをアーカイブすることができる。また、特定のアプリを自動アーカイブから保護することも可能だ。Androidの設定画面から「アプリ」を選び、保護したいアプリを選択する(表示されていない場合は「アプリをすべて表示」をタップ)。「使用していないアプリを管理する」のトグルスイッチをオフにすると、そのアプリは自動アーカイブの対象から除外される。

iOS will automatically offload apps for you.
iOS will automatically offload apps for you.David Nield

iOSでアプリを取り除く

iPhoneでは、iOSが非使用のアプリを自動的に取り除く機能を提供している。Androidと同様、アプリのデータの大部分が削除され、スペースが確保されるが、重要な情報はスマートフォンに残る。例えば、アプリを復元する際には、再度サインインしたり、設定をやり直したりする必要はない。

このオプションを見つけるには、まずiOSの「設定」を開き、「App Store」を選択する。そこに「非使用のアプリを取り除く」というトグルスイッチがあるので、これをオンにすると使われていないアプリが自動的に取り除かれる。取り除かれたアプリは、ホーム画面やアプリライブラリに表示されるが、クラウドアイコンが表示される。アップルは、アプリが取り除かれるか基準にして明確にしていないが、アイコンをタップすることでアプリはすぐに復元でき、必要なデータが再ダウンロードされ、正常に起動するようになる。

また、アプリを手動で取り除くすることも可能だ。設定から「一般」を選択し、「iPhoneストレージ」を選ぶと、インストールされているアプリの一覧が表示され(必要に応じてサイズ順に並べ替え可能)、アプリをタップすると「アプリを取り除く」オプションが表示される。アプリが取り除かれると、ボタンは「アプリを再インストール」に変わる。ボタンを再度タップするとアプリが復元される。

(Originally published on wired.com, translated by Miranda Remington, edited by Mamiko Nakano)

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