「古九谷は九谷産」補強の資料も初公開 県九谷焼美術館
石川県加賀市の県九谷焼美術館で、中皿・小皿の名品を集めた開館20周年記念特別展「古九谷の多様性とハレ」が開かれている。古九谷は産地について論争があり、学界では佐賀・有田説が優勢だが、同市内の九谷が発祥の地という説を補強する、初公開の資料も展示されている。
同館は2002年4月にオープンした。今展は、同館や石川県立美術館、個人の所蔵など県内に伝わる品を中心に、江戸前期に焼かれた古九谷の中皿・小皿ばかり370点を、前後期に分けて紹介。5客や10客の組み物も、1枚ずつ細部が異なるなど、芸術品として絵師が生き生きと描いたことがうかがえる。
初公開の資料は、現在の加賀市を本拠にした大聖寺藩の14代藩主、前田利鬯(としか)の書簡。1905(明治38)年、岐阜県の人物に煎茶器と急須を贈った際に差し出したものだ。
書簡は、九谷焼について、①弊家初代(大聖寺藩主)利治が創業し、二百余年前から続く陶器②このごろたくさんある物は美麗なだけで、他県の土で製造するため真正の九谷と言い難い③古九谷の参考に、同様の土質の(江戸後期に生産された再興九谷の)急須を進呈する、といった内容が書かれている。
この書簡は3年前、歴史学者の磯田道史さんが京都の古書店で見つけたという。県九谷焼美術館が磯田さんから連絡を受け、購入した。同館副館長で学芸員の中越康介さんは「土質に触れるなど、古九谷がどういうものなのか利鬯はよく知っていた。前田家の公式見解がわかる資料です」という。
現在は後期展で12日まで。月曜休館。一般560円、75歳以上280円、高校生以下無料。問い合わせは同館(0761・72・7466)。






































