1から25までの数を5×5の正方形に並べてみよう。最下行に1から5、次の行に6から10、という具合に上へ積み上げていくと、最上行には21から25が入る。各行を見ると、最下行には2、3、5という素数があり、その上の行には7、次は11と13、その次は17と19、最上行には23がある。どの行にも素数が少なくとも1つ含まれている。 ▲青色が素数を示す、n=5の仮説H1の一例 ▲n=15の仮説H1の一例 1958年、ポーランドの数学者シェルピンスキーとシンツェルは、この現象が一般に成り立つと予想した。すなわち、n×nの正方形(n≥2)に1からn²までの数を同様に並べたとき、どの行にも必ず素数が存在するというのである。これが「仮説H1」だ。 単なる数遊びに見えるかもしれないが、数学界で長年未解決となっているルジャンドル予想やオッペルマン予想といった難問をその一部として含む、強力かつ深遠な命題である。1

