サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
2025年ランキング
courrier.jp
高い支持率を追い風に解散総選挙に出る構えの高市早苗首相について、英紙「フィナンシャル・タイムズ」がその人気の背景を分析する記事を掲載した。保守強硬派としての明確な立場と型破りな政治スタイルによって国民の心をつかんでいると報じている。 解散総選挙は成功するだろう 2025年12月、日本の高市早苗首相が高い支持率を享受するなか、彼女の地元・奈良県にある奈良ロイヤルホテルが、総理就任を記念した「サナ活ランチ」を提供しはじめた。高市の好物であるミニ豚まんや刺身などを盛り込んだ期間限定のランチセットだ。 すると、この3700円のランチに予約が殺到。同ホテルは2026年1月初め、当初の予定を2ヵ月延長して2月末まで提供すると発表した。 奇しくも高市はその期間中に解散総選挙に踏み切る構えだ。自身の高い人気を追い風に、苦境にある自民党を立て直せるかどうか賭けに出るのだ。
高市早苗首相と韓国の李在明大統領が2日間の日韓会談を終えた。左派・反日で知られる李大統領と保守派の高市首相の対面には懸念の声も上がっていたが、国内外に安定的な日韓関係をアピールすることに成功した。韓国紙と海外のメディアから、今回の日韓会談の世界的な評価を探る。 保守と反日の対面、ハラハラ 台湾有事を巡る日中関係悪化や米国による親中国・ベネズエラへの襲撃でアジア情勢が緊迫するなか、日韓がどこまで結束できるかが注目されていた。 韓国では李大統領と高市首相の対面を不安視する声もあった。 李大統領は過去に「日本は敵性国家」 「歴史を反省していない」 「(福島原発の処理水放出は)第二の太平洋戦争だ」と発言するなど、反日の左派政治家として知られる。一方の高市首相は首相就任前、従軍慰安婦や南京虐殺事件についての歴史認識に疑義をとなえるなど、海外メディアからは強固な保守派、一部からは「歴史修正主義者」とし
「緊迫する地域情勢下でのソフトパワーの行使」──日韓首脳によるサプライズを、仏紙「フィガロ」はそう伝えた。 2026年1月13日、奈良を訪れていた韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と高市早苗首相は会談後、隣り合うドラムセットに座り、BTSのヒット曲「Dynamite」とアニメ映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の劇中曲「ゴールデン」に合わせて共に演奏した。 米紙「ニューヨーク・タイムズ」は「このパフォーマンスは、地政学的・経済的に不透明な状況下での日韓関係の改善を象徴する意図があった」と説明する。両国とも、米国の不安定な外交政策に苦慮しており、また、アジア全域で経済的・軍事的権力を拡大しようとする中国の動きに対処しているという。
古代メソポタミアでは悪霊の仕業と考えられた「うつ」は、ギリシャ・ローマ時代以降、次第に「病気」とみなされるようになった。そして、その治療法も大きく変化してきた。 いまの世で「うつ病」と呼ばれる状態に関する最古の記録は、古代メソポタミアまで遡る。 紀元前2千年紀の文献では、うつは身体やメンタルの状態ではなく、スピリチュアルな状態として言及されていた。つまり、うつとは悪魔や悪霊に取り憑かれた状態を指し、その対処法は往々にして単純なものだった。殴打したり、飢餓状態に陥らせたりして悪魔を追い出せば、病んだ魂が救われると考えられていたのだ。 ギリシャ・ローマ時代になると状況は改善する。依然として多くの人が、うつ病は他の精神疾患と同様に「神の罰」の一種だと考えてはいたが、徐々に生物学的・心理的な疾患として認識されはじめた。 紀元前4世紀のギリシャの医師で「医学の父」と呼ばれるヒポクラテスは、うつ病(当
最近の研究から、多くの親に「お気に入りの子供」がいることが明らかになっている。そして、親のお気に入りではなかった人々が、生涯にわたってその影響に苦しみ続けることも──。 いつまでも消えない傷 子供の頃、カーラは自分の両親が特定の子供をひいきするようなタイプだとは、少しも思っていなかった。 妹たちがいつも特別扱いされ、ディズニーランドに連れて行ってもらうなどの恩恵を受けているのを目の当たりにしても、カーラは自分なりに理由を見つけて自らを納得させていた。「長女は自立しているべきだし、私が家を出た後、両親は旅行に使えるお金が増えたのだろう」と思っていたのだ。 しかし、その後も続く妹たちへの特別扱いに、両親のえこひいきを否定できなくなっていった。2年前、両親がまたしても妹たちと休暇を過ごすため、クリスマスにカーラとその子供たちに会いに行くことができないと電話で伝えてきたとき、彼女ははっきりと理解し
日本人は先進国のなかでも幸福度が低い──という言説をよく耳にする。だが、はたしてそれは本当なのか。 しかし調査方法を変えると、日本の幸福度が決して低いわけではないことがわかる。 事実、世界ではいま、少しずつ「日本人の幸福観」が注目されつつある。 では、私たち日本人が培ってきた幸福観とは何なのか──作家の四角大輔と、ウェルビーイングの研究者である前野隆司と前野マドカとの鼎談をお届けする。 「幸せ」の起源 四角大輔 今日はよろしくお願いします。いきなりなのですが、「幸せ」という言葉は、そもそもいつから使われはじめたんでしょうか。 四角大輔(よすみ だいすけ) 作家。音楽プロデューサーとして10回のミリオンヒットを記録したあと、すべてを捨ててニュージーランドの湖畔の森に移住。『超ミニマル・ライフ』(ダイヤモンド社)や『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』(サンクチュアリ出版)な
ハンガリーはいま、世界のどの国よりも急速に太陽光発電の割合を高めている Photo: Michal Fludra / NurPhoto / Getty Images 「問題児」が結果を出す ハンガリーのオルバン・ビクトル首相は、EUの気候変動対策目標に強硬に反対し続けていることで知られる。だがその裏で、ハンガリーはEUのほかのどの国よりも、太陽光発電の先進国になっている。 独誌「シュピーゲル」によると、ハンガリーの太陽光発電の割合はこの数年で急増し、2024年には発電量の25%が太陽光で賄われるようになった。2025年の日照時間が多い月には、40%以上が太陽光で賄われていたという。これは世界の主要国のなかでもトップクラスに高い割合だ。 ハンガリーではすでに30万世帯以上の屋根に太陽光発電システムが設置されている。そして、いわゆるメガソーラーの建設も進む。オーストリア国境からプスタ平原の東端
人間の子供より多い犬 アルゼンチンのブエノスアイレスは、正真正銘の犬の町だ。 独紙「南ドイツ新聞」によると、同じく「犬の町」と呼ばれることが多いドイツのベルリンでは、100人あたり3頭の犬が飼育されているのに対し、ブエノスアイレスでは100人あたり16頭が飼育されているという。 アルゼンチン紙「クラリン」によると、2022年の時点で、ブエノスアイレス市内の犬の数は14歳未満の子供の数よりも多くなっている。 そのような状況で急速に成長しているのが、「犬産業」だ。獣医師、トリマー、トレーナー、犬のためのレストランやゲストハウスなど、犬を中心とする経済圏が拡大している。その一角を占めるのが、「パセアドール」と呼ばれる「プロの散步屋」だ。 稼げる職業 他国では軽いアルバイトでおこなわれることが多い「散歩屋」の仕事だが、ブエノスアイレスでは稼げる本業となっているという。背景には、ペットの犬を我が子の
日本の政治家が最近よく口にするようになった「外国人問題」。高市政権は「外国人対策」に前のめりだが、この問題の本質は別にあると英誌「エコノミスト」は指摘する。 「よそ者」を悪者にしても解決しない 日本はいま「外国人問題」をめぐる議論に飲み込まれている。礼儀知らずの外国人労働者、マナーの悪い観光客、好機を狙う外国人投資家に国が侵略されているというのだ。 だがこの国が抱える本当の問題は、外国人が多すぎることではない。むしろ、あまりにも少なすぎることにある。 いわゆる外国人問題が政治論争の中心に躍り出たのは、2025年7月の参議院選挙で新興政党の参政党が「日本人ファースト」を掲げて大躍進してからだ。 参政党の勢いに動揺した与党・自民党は10月、新総裁に高市早苗を選出した。彼女は総裁選の演説のなかで、古都・奈良を訪れる外国人観光客が神聖な鹿を「蹴り上げている」と、証拠も示さずに非難した人物だ。 礼節
ユーススポーツは、子供に規律や協調性を教え、自尊心を育む場とされてきた。しかし近年、その環境が急速に変質し、子供たちが心身ともに追い詰められている。 特に米国では、ユーススポーツの「プロ化」が進んでいる。背景には、大学進学や階層上昇と結びついたスポーツ文化やそれに伴う親の期待、教育予算削減による公立学校スポーツの衰退、またそれによる民間クラブの拡大などがある。これらが複合的に作用した結果、勝利至上主義的な文化が進み、子供たちは幼い段階から将来の奨学金やプロ入りを目標にした過度なプレッシャーに晒され、スポーツの楽しさを充分に味わえなくなっている。 最大70%が13歳までにスポーツを辞めている 支配的なコーチや親は昔から存在していたが、ユーススポーツの「プロ化」によってその影響は増幅された。近年はそんな親の需要に応える形で、普通の習い事とは“別物”の、超成果主義の民間リーグが増え、より幼い年齢
反政府デモの拡大を受け、イラン当局は国内のインターネットを遮断した。だが、そうしたなかでも断片的に届く映像から、政府による凄惨な弾圧が激化している実態が浮かび上がると、英紙「ガーディアン」は報じている。 至近距離からデモ参加者に発砲 サラは、もはや失うものはほとんどないと感じていた。イランの首都テヘランに暮らす50歳の起業家である彼女は、物価が高騰する一方で、自由が年々奪われていくのを目の当たりにしてきた。 だから2026年1月10日の夜、テヘランの高級住宅街アンダルズグー地区で反政府デモが始まると、彼女はすぐに現場へ向かった。 国外に住む彼女のいとこを通じて本紙ガーディアンに送られた動画には、頭上に催涙ガスの白い煙が漂うなかでも、希望に満ちた表情で通りを歩く人々の姿が映っていた。
Photo: Alex Prager for WSJ. Magazine Styling: Max Ortega ビリー・アイリッシュ、業界の常識に逆らい続ける24歳 2023年2月、ビリー・アイリッシュは実兄で主なコラボレーターであるフィニアスの自宅スタジオで一緒に新曲の制作を始めた。曲作りの逆説の一つは、何の苦もなくできたように聞こえるシンプルな楽曲ほど、作るのが恐ろしく難しいことだ。 2人は11ヵ月間、この楽曲と格闘し、コーラスを作り直し、「I’ll love you till the day that I die(あなたを愛し続ける、私が死ぬその日まで)」という歌詞の一節を、陳腐にならずに入れる方法を見つけるのに苦労した。 ついに「Birds of a Feather(バーズ・オブ・ア・フェザー)」と題する曲を完成させた時、アイリッシュはこれをリリースすべきかどうか確信が持てなかっ
郊外から中心部まで片道2時間以上かけて通勤する人が珍しくないインドネシアの大都市ジャカルタ。国連は、衛星都市を含む人口は約4200万人となり、世界最大都市となったと発表した。都市の拡大と生活の実態を現場から追う。 通勤時間は毎日4時間 エルファタ(31)は、インドネシアの首都ジャカルタ郊外ボゴールに暮らす。朝、家を出るとバイクに乗り、駅へ向かい、満員電車に揺られ、さらにバスを乗り継ぐ。 職場に着くまで約2時間。帰りも同じ道のりだ。1日4時間の通勤を、彼は8年間続けていると英「フィナンシャル・タイムズ」紙は報じた。 「長いとは思う。でも、仕事はここにしかない」。エルファタが勤めるのは、ジャカルタ中心部のホテルのマーケティング部門だ。より家に近い街で職を探したこともあるが、条件に合う仕事は見つからなかったという。
ほぼノーダメージの米軍 2026年1月3日に米国が決行した、ベネズエラのニコラス・マドゥロ前大統領の拘束作戦は、あっけなく成功した。ドイツメディア「ドイチェ・ヴェレ」によると、所要時間はわずか2時間強。米軍はほとんどノーダメージで、ヘリコプター1機が自力で帰還できる程度の損傷をしただけだった。 一方、ベネズエラには、ロシア製の防空システムが導入されていた。ドイチェ・ヴェレによると、過去20年間でベネズエラはロシアからさまざまな射程の防空システムを購入し続け、「ラテンアメリカで最も高密度で多層的な防空システム」が構築されていたはずだった。マドゥロもこのことをたびたび自慢していた。 それがなぜ、なすすべもなく「完敗」したのか。それには複数の理由があるという。 米側の工夫 オーストリアの軍事史研究者マルクス・ライナーはドイチェ・ヴェレに対し、技術的な観点からすれば、ロシアのシステムははるかに優れ
イラン各地で連日、激しい抗議デモが続いている。1月10日も、経済の低迷と治安部隊による弾圧に憤る国民が、神政国家に反対するスローガンを叫びながら街を行進した。 イランはなぜこれほど混乱しているのか、国家はどのような政治体制を敷いてきたのか、そして国民は何を望んでいるのか? マンチェスター大学でグローバル開発を専門とする研究員が、ウェブメディア「カンバセーション」に寄稿した。 イデオロギー最優先の政策にうんざり 物価の上昇と通貨の急落をきっかけに、2025年12月下旬から始まった抗議運動は、いまやイラン31州の大半に広がった。デモの参加者たちが矛先を向けているのは、国の支配者層だ。これは安定や尊厳、希望ある未来を期待できないと多くのイラン人が見なす政治体制に対する、重大な挑戦である。 イランの政治体制は数十年にわたり、イスラエル、米国、そして体制が「世界的帝国主義」と見なす勢力との恒常的な対
──ハーバード大学をはじめ、多くのアイビーリーグ(米国東海岸の名門私大8校)が、トランプ政権から攻撃を受けています。ポピュリズムが台頭するいまの時代、高等教育機関にはどのような役割が求められていると考えますか? 学界のエリート層が、社会の現実を顧みることはないのでしょうか? 私も含めて高等教育に携わる者は、「高等教育こそ公共の利益に奉仕するべきだ」と再認識する必要があると思います。 私たちに求められているのは、市民社会の健全な発展に貢献することです。大学は、才能に恵まれた若者が高収入の仕事に就き、出世するために通う場所ではありません。大学は公共の利益に尽くすべきです。 ドナルド・トランプ大統領がハーバードなど、米国の有名大学を攻撃しているのは、行政機関だけでなく、教育機関や法律事務所、報道機関といった市民社会に対しても影響力を持ちたいからでしょう。 彼はいまや、ワシントンにある文化施設ジョ
海外で自分らしく働く女性に登場いただき、これからの時代の働き方を考える本連載。第2回目は、ドイツ・ベルリン在住5年目でフリーランスとして働く中嶋清楓さんにお話を伺いました。 中嶋清楓(なかしまさやか) 1996年生まれ 2014年 オーストラリア・サンシャインコーストの現地高校に1年間留学 2016年4月 青山学院大学入学 2018年1月〜5月 タイ・チュラロンコン大学に交換留学 2019年8月〜2020年3月 サンフランシスコに留学 2020年9月 青山学院大学卒業 2021年4月 株式会社Queueに入社 (海外スタートアップを発信するメディアにて、リサーチャー、編集、海外コミュニティパートナーリードを担当) 2021年10月 ベルリン移住 2022年3月〜現在 (日本の自治体による海外スタートアップの誘致・支援プログラムにおいて、海外コミュニティパートナーシップを担当) 2025年4
ついに「モンゴル族の番」が来た 酒宴の日々は2020年に終わりを迎える。同年の3月、「中国民主促進会」という中国共産党が支配する疑似政党の一つが声明を出し、どこの地域とは明言せずに、「過度の」主権を濫用している地域があると警鐘を鳴らしたのだ。 その地域がどこを指しているのかを予想するのは難しくなかった。すでにチベットと新疆の件は片が付いている。今度は私たちモンゴル人の番だった。 その後、しばらくして共産党が次の年次会議でモンゴル語教育の廃止を計画しているという噂が広まった。「内蒙古日報」では、国家の政策に影響を及ぼすことができるのではないかと考え、言語学者にインタビューし、母語教育の重要性について語ってもらう段取りをした。 私は、その仕事を手掛けていた二人の上級編集者に手伝いたいと申し出た。そこに参加するのが大事だと思えたからだった。記事の公開前に、記事から私の名前が削除されたのは、二人が
文明社会の道徳的目的は、「強者による弱者への攻撃を防ぐこと」にある。だが、「トランプの政策は文明そのものを脅かす」と、元米労働長官で経済学者のロバート・ライシュは、英紙「ガーディアン」への寄稿で訴える。 トランプの国内外の政策──2021年の議会襲撃というクーデター未遂から、先週末のベネズエラへの介入、そして現在のキューバ、コロンビア、グリーンランドへの威嚇に至るまで──は、米国内の法だけでなく国際法をも弱体化させている。だが、それだけではない。 それは、我々が「文明」と呼んできた存在そのものを脅かしている。 文明社会の道徳的目的は、強者が弱者を攻撃し、搾取することを防ぐ点にある。さもなければ、我々は永久に野蛮な戦争に没頭し、最も適応力があり、最も強い者たちだけが生き残る世界になるだろう。 この原則こそ、米国建国の基本となる文書──独立宣言、憲法、権利章典──の中核をなすものだ。また、国連
米国のドナルド・トランプ政権が、強硬で権威主義的な外交を次々に展開している。そのイデオロギー的な支柱となっている人物が、スティーブン・ミラーだ。このミラーとは何者なのか。英国の行政学者が解説する。 米大統領次席補佐官のスティーブン・ミラーは、米メディア「CNN」の政治記者ジェイク・タッパーによる最近のインタビューのなかで、米外交政策の指針となる新たなイデオロギーの核心らしきものを明らかにした。すなわち、力は正義という考えだ。 ミラーは次のような言い方をしている。 「我々は超大国だ。だからトランプ大統領のもとで、我々は超大国として行動していく」 ミラーが言っているのは、グリーンランドの支配権を、必要ならば力ずくで握ろうというトランプ政権の野心のことだ。ミラーはタッパーにこうも語る。 「我々が生きる世界では、国際的な礼儀作法や、その他もろもろについて好きなだけ語れる。だが我々が生きる世界、つま
国内市場が急速に縮小するなか、日本企業にとって海外進出は喫緊の課題だ。だが世界情勢が混迷する今の時代に、どうすればグローバル展開を成功に導くことができるのか。従業員300人余りの商社だったミスミを1万人規模の世界的企業に変貌させた三枝匡氏の新著『決定版 閉塞企業を甦らせる』から、同社の中国事業を飛躍的に成長させた「秘策」を紹介する。 あらすじ 事業再生の専門家で、2002年に機械工業部品事業で知られる中小企業ミスミの社長に就任した主人公・黒岩莞太は、無分別な事業の多角化によって赤字を垂れ流している経営を立て直すため、世界戦略の見直しを図る。黒岩は海外事業を社長直轄とし、自ら現場に赴いて事業組織を改革。重点地域の一つに選んだ中国で、これまでの方針を覆す驚きのアイディアを実行する。 中国メーカーを見限る 黒岩は初めてミスミ上海に出張したとき、数社の中国メーカーを訪問した。それがミスミの世界展開
この記事は、世界的なベストセラーとなった『21世紀の資本』の著者で、フランスの経済学者であるトマ・ピケティによる連載「新しい“眼”で世界を見よう」の最新回です。 トランプ政権の基盤「プロジェクト2025」 2025年はトランプ・ショックに揺れた一年だった。きわめて手荒な振る舞いや露骨なナショナリズム、野放図な資源の収奪といった、これまで目にしたこともない事態に次々と見舞われた。1945年以後、世界がこれほど動揺した例はなかった。 なぜそんな事態が生じえたのか。これからどう対処すべきなのか。それをしっかり理解するためには、まず事態の根源まで遡る必要がある。 すなわち、ヘリテージ財団という米国の有力な保守系シンクタンクが2023年に公表した「プロジェクト2025」という920ページの報告書を読み直すのだ。 この報告書では、2025年1月に政権を握った際に実施すべき戦略が各省庁(国土安全保障省、
中国の取材では肝臓が試される 日刊紙「内蒙古日報」は、中国内モンゴル自治区の首府、フフホトの南部にある11階建てのビルが社屋だ(内モンゴル自治区を含めて中国には自治区が5つある)。鉄とガラスでできた現代的な建物である。 1階のロビーの壁にはプラスチック製の大きな彫刻があり、そこに中国語で「イデオロギーの戦場を制することができなければ、ほかの誰かにそこを制されることになる」と書かれている。ビルの2階から上に、この新聞の中国語版とモンゴル語版の編集部が置かれていた。 私の所属先は、8階の「内蒙古生活周刊」という週末版の付録の雑誌を作る部署だった。毎週月曜日午前9時半から編集会議が開かれ、記者たちがデスクに記事案を出す。初めて参加した編集会議は、何が何やらさっぱりだった。誰かが「Xにインタビューしたい」と言い、別の誰かが「Yの経済発展について書きたい」と言った。そんなやりとりが1時間続き、私が一
米国のトランプ政権がベネズエラに軍事介入し、現職の大統領を拘束したことは、これからの世界秩序にどのようなインパクトがあるのか。スペインの国際関係学者が5つのポイントにまとめて解説する。 1ドル札の裏に書かれている「Novus Ordo Seclorum(世紀の新秩序)」は、米国の新たな安全保障戦略の指針となる原則を物語っているようだ。 米国によるベネズエラへの軍事攻撃とニコラス・マドゥロ大統領の拘束は、ドナルド・トランプ政権下の米国がルールに基づいた国際秩序から切り離され、リベラルな秩序全体が終わりを迎えたことを告げ知らせるものだ。 新たな国際秩序がいまや出現している。それは、武力行使と修正主義、そしてアメリカ大陸の安全保障に基づいた秩序だ。
トランプ米政権がベネズエラに奇襲攻撃を仕掛け、同国のマドゥロ大統領を拘束した。米兵の犠牲者を一人も出さない「完璧な作戦だった」と関係者が明かす軍事介入はどうやって遂行されたのか。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が詳細を報じている。 マドゥロの日々の行動パターンを把握 CIAの秘密工作班がベネズエラに潜入したのは、2025年8月のことだった。トランプ政権が「麻薬テロリスト」に指定した同国のニコラス・マドゥロ大統領に関する情報をひそかに収集するためだ。 CIAのチームは首都カラカスを拠点に、何ヵ月にもわたり正体を悟られることなく活動した。マドゥロの日々の行動に関する情報は、彼の側近に近い人々やステルスドローンから収集。マドゥロの日課や移動パターンの細部までを詳細に把握することに成功した。 それは極めて危険な任務だった。ベネズエラの米国大使館が閉鎖されていたため、CIA工作員は外交官という隠れみの
訪日外国人の増加に伴い、日本のコーヒーカルチャーにますます注目が集まっている。米紙「ワシントン・ポスト」の記者は東京と京都で4つのカフェをめぐり、世界でも珍しいコーヒーのフルコースを体験。洗練された空間でこだわり抜かれた味をたっぷり堪能したあと、彼は何を思うのか。 日本発の新たな「おまかせ」 閑静な住宅街を歩きながら、「本当にこの場所で合っているのだろうか」と不安になってくる。建物に看板はなく、予約しなければ住所もわからない。 だが、一歩中へ入ると、パリッとした黒のジャケットに身を包んだバリスタが満面の笑みで迎えてくれた。スピーカーからは鳥のさえずりが聞こえる。部屋の大部分を占めるのは巨大な黒い球体で、その中に4人分の席が用意されている。これから90分間、言葉では言い尽くせないほど贅沢な、6品のコーヒーメニューを堪能するのだ。 私は間違いなく、正しい場所にいる。 イタリアはカプチーノを、オ
培養肉の量産は気候変動を加速させる? バイオリアクターの容量を段階的に増やしていく必要性に関しては、これまでの食料生産のプロセスとの基本的な比較をいくつかおこなえばいい。従来の食肉のかなりの割合を代替する量の培養肉を商業生産するには、気が遠くなるほどのスケールアップが必要になることがわかるはずだ。 グッド・フード・インスティテュートの分析の対象となったモデル施設では、年間1万トンの培養肉を生産する予定だとしており、最大規模のバイオリアクターでは増殖させる細胞を1万リットル収容し、そこから2000リットル規模の小型バイオリアクターに移し、分化・成熟をうながす。 これらのバイオリアクターの総容量は、現在、世界のバイオ医薬品産業全体で稼働しているバイオリアクターの総容量(約6300万リットル)の3分の1弱を要するだろう。つまり、現在の世界の食肉生産量のわずか1%相当の培養肉を生産するために、この
2025年に誕生したトランプ第二次政権によって、世界経済は混乱し、既存の国際秩序が崩壊しつつある。著名な経済学者ジョセフ・スティグリッツは、2026年の世界の行く末についての論考をチェコメディア「プロジェクト・シンジケート」に寄稿。トランプ政権下で米国の国力や経済が衰えることで、「覇権の移行」が起こると指摘する。 2026年はどのような年になるのか。新たな戦争や感染症のパンデミック、気候変動の影響などにより、ここ数年はより困難な未来がくることしか想像できなかった。 2025年には、さらにもうひとつ有害な要素が加わった。ドナルド・トランプ米大統領の再臨だ。 彼は法の支配を無視し、常軌を逸した政策を次々と発表して、グローバル化したこの世界を揺るがしている。トランプ政権がもたらしたカオスと不確実性を目の当たりにしながら、米国と世界経済の向かう先について、私たち経済学者に自信をもって言えることがは
一世代先を見すえて、21世紀半ばの世界の食料システムのあり方を考えると、農作物や家畜の生産において漸進的な改善や調整を継続するだけでなく、最優先事項であると同時に関連性のある2つの目標を達成するための抜本的改革をいくつか起こせるのであれば、あきらかに有益だ。 第一の目標は、いまだに増加の一途をたどっている世界人口に十分な栄養を供給することであり、第二の目標は、世界の食料システムに投じる資源投入量を減らし、環境への数々の悪影響も軽減することだ。 いまの時点で、実際に必要な食料と供給されている食料の量と構成から考えるに、世界の食料システムの改善における課題を、実行がむずかしい順に挙げると次のようになる。 ① 21世紀半ばには、現在の世界人口に20億人弱が加わることを想定し、既存の食料生産を拡大する。 ② 高所得・低所得を問わず、すべての国で、サプライチェーンにおける正当化できないほど大量の食品
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『クーリエ・ジャポン | 海外メディアから記事を厳選!』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く