この30年近く、欧米の一部の論者やメディア言説において、日本はしばしば「反面教師」として扱われてきました。停滞と衰退を語る際の象徴的な存在として、日本が引き合いに出されてきたのです。巨額の債務、終わらないデフレ、そして何より、出生数が大きく落ち込んだ国。「限界集落」や「大人用おむつの売上がベビー用を上回った」といった刺激的な見出しが繰り返される中で、日本はやがて緩やかで静かな衰退へ向かう──そんな物語が、長らく語られてきました。 しかしこの物語は、単に一面的というだけではありません。21世紀という時代そのものを読み違えています。この議論が前提にしているのは、人口規模こそが成長の原動力だと考える、20世紀型の経済モデルです。そこでは、自動化やAI、そして寿命そのものを延ばす技術がもたらす地殻変動が、ほとんど考慮されていません。 日本は衰退に向かっているのではなく、変化の最中にあるのです。欧米

