人生というものは、大海原を自由に航海し、大樹海を泳ぎ、大草原を駆けることだと思っていた。無限に冒険が広がっているのだと思っていた。 そういうふうにして人生を送っている人もいないことはない。だけど、ほとんどの人はそんな人生からは程遠い。わたしたちのほとんどにとって、人生とはできあいのテーマパークの順路をめぐるようなものだ。忘れられない出来事があり、運命的な出会いがあり、涙を流す悲しみがある。でもそういうものがすべて、色褪せて見える。ぜんぶ、仕組まれて、作られたものでしかない。 人生の順路を歩いているうちは美しく見えるかもしれない。だけど、見える景色すべてまがいもので、薄っぺらい板に描かれた虚構でしかない。道を外れて歩くと、その舞台装置の裏側が露になる。 大人になって、就職して、結婚して、子どもを育てて。そういう順路を忠実にたどれば、美しい場面の思い出に彩られた、素敵な人生が送れるかもしれない

