沖縄県が発表した都市交通マスタープランの骨子案は、那覇・宜野湾・沖縄の3市を軸に公共交通網を強化するという構想である。パーソントリップ調査に基づき、人の移動実態を可視化した上で交通設計に生かす姿勢は評価できるが、今後の素案策定に向けては、より明確な政策的視点と実装可能性の検証が求められる。 まず、交通網の整備においては「誰のために、何のために」という目的の明確化が不可欠である。高齢者、障がい者、子育て世代、観光客、通勤者――それぞれの移動ニーズは異なる。単に「三拠点を結ぶ」だけでは、交通弱者を取り残すおそれがある。バスレーンや専用区域の整備に加え、乗り継ぎの利便性、運行頻度、料金体系の見直しなど、利用者視点の設計が必要だ。 次に、宜野湾市の位置づけについて。普天間飛行場返還後の交通量増加を見越した整備は当然だが、都市間の中継地点としての機能だけでなく、地域内交通の充実も並行して検討すべきで

