サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
2025年ランキング
newswitch.jp
NTTドコモは録音した通話内容から生成AI(人工知能)が特殊詐欺電話かどうかを判定し、ユーザーに警告する技術を開発した。生成AIと被害事例データベース(DB)を用いた新技術により、番号偽装など巧妙化する特殊詐欺電話の被害抑制につなげる。詐欺判定の正解率95%以上を達成したという。従来は詐欺と疑われる電話番号のブロックや通話中の特定キーワードの検出が中心だった。社内実証を進めており、2026年度の実用化を目指す。 AIと外部情報の検索を組み合わせて、正確な回答を実現するRAG(検索拡張生成)を用い、録音した通話の内容と類似する情報を詐欺電話事DBから収集。生成AIで詐欺電話かどうかを判定する。スマートフォンのアプリケーションで録音や分析結果表示を行う。 詐欺である危険性を高・中・低の3段階で示し、詐欺の恐れが高いと判断した場合はスマホ画面や音声でユーザーに詐欺の可能性が高いことを警告。個人情
内閣府の研究開発事業で来春にもヒューマノイドの研究開発が立ち上がる。従来のロボット研究事業を率いていたプログラムディレクター(PD)の交代に伴い、介護や災害対応、宇宙、科学実験などのロボット研究が打ち切られ、米中で過熱するヒューマノイド開発に一本化される。問われるのはヒューマノイド研究の将来性だ。すでに海外勢との競争激化にある中で、どこに日本の活路を見いだすのか明確化する必要がある。(小寺貴之) 「内閣府のビジョンに合わせて研究計画を作り、採択された。何度も計画を変更させられながらチームを作り、想定以上の結果を出した。それでも『思ってたのと違う』と打ち切られる。正直どうしようもない」―。プロジェクトマネージャー(PM)の一人はこう打ち明ける。 ロボット研究などを推進する国の「ムーンショット型研究開発制度」は、少子高齢化や地球温暖化、災害などの多様な課題解決に向けて、日本発の破壊的イノベーシ
「行政指導」、計画磨き上げ 文部科学省の有識者会議は、世界最高水準の研究大学を目指す「国際卓越研究大学」の第2期の認定候補として東京科学大学と京都大学を選定した。東京大学はコンプライアンス上の問題があり、審査を継続する。大阪大学や名古屋大学などの5大学は不採択とした。卓越大は10兆円規模の大学ファンド運用益から百数十億円から数百億円規模の助成を受ける。文科省は2025年度内の助成開始を目指す。(小寺貴之) 「世界最高水準の研究大学形成を着実に進め、我が国の研究力強化を図りたい」と松本洋平文科相は卓越大の意義を説明する。文科省が設置した有識者会議が東京科学大は厳格なモニタリング、京大は最長1年間の計画磨き上げをそれぞれ条件として認定候補に選定した。文科省は省内と内閣府の手続きを進めて大学を正式に認定する。東京科学大については26年4月から計画を開始できるよう、25年度内に助成金を支給する。計
重電機器メーカー各社が、電力機器の生産能力増強のため設備投資を積極化している。既存の同機器の更新やデータセンター(DC)の新設などで、国内外において電気を「つくる・送る・配る」と「使う」の双方で需要が拡大しているためだ。ただ再生可能エネルギーに一部逆風が吹くなど不透明な側面もある。また深刻化する人手不足は無視できず、デジタル技術を活用し効率的に生産能力を高められるかどうかが問われる。(編集委員・後藤信之) 需要増、供給力不足防ぐ 日立製作所は2025年9月上旬、子会社の日立エナジー(スイス・チューリヒ市)が、米バージニア州に大型変圧器の新工場を建設すると発表した。投資額は4億5700万ドル(約711億円)で、27年末までに稼働する予定。その後、同月末には、同社がカナダ・ケベック州の大型変圧器工場を1億9500万ドルを投じて拡張する計画を発表し、積極投資に動く姿勢を印象付けた。 「心配すべき
次期基本計画に盛り込み、20大学超え目標 文部科学省の有識者会議が科学の再興に向けて提言をまとめた。教員の研究時間割合が50%以上となる大学を20校以上に増やすという野心的な目標を掲げた。現在は全国平均が32%と低迷している。実現にはトップ大学だけでなく中位層の底上げが必要になる。文科省は内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)に提言を報告し、科学技術の次期基本計画に施策を盛り込む。(小寺貴之) 「基礎研究や学術研究の国際的優位性を取り戻す」―。松本洋平文科相は提言の目的をこう説明する。 文科省は2026年から5年間の第7期科学技術・イノベーション基本計画に施策を打ち込むために有識者提言をまとめた。施策に加え、目標も設定している。 例えば新興融合領域の開拓を促すために若手を中心に挑戦的な研究課題数を2倍に増やす。24年度は約6500件のため30年度末までに1万3000件とする。
偏西風からエネ採掘 トヨタ自動車未来創生センターが偏西風からエネルギーを採掘するシステムを開発している。巨大な凧(たこ)を揚げて、風に引っ張られる力で発電機を回すというシンプルな構想だ。試算では1万5000本の凧を揚げると日本全体の消費エネルギーをまかなえるという。凧と地上をつなぐ高強度繊維や凧の飛行制御技術が市場競争力となる。資源埋蔵量ではなく、技術力で日本がエネルギー産出国になれる可能性がある。(小寺貴之) 「市販材で必要強度に届かなければ諦めようと思っていた。計算すると許容範囲。これでプロジェクトが始った」。トヨタ未来創生センターの板倉英二マザーシップグループ長はプロジェクトが承認された当時を振り返る。凧を揚げて偏西風からエネルギーを採掘する。単純だがぶっ飛んだアイデアだ。偏西風は上空10キロメートルを流れる。飛行機が飛ぶ高さに横幅100メートル、縦幅に10メートルの巨大な凧を揚げ、
2025年はAI(人工知能)でロボットを自律的に動かす「フィジカルAI」元年と言える年となった。AIの急速な発展はロボット業界にも波及し、米エヌビディアをはじめ巨大テック企業が国内大手ロボットメーカーに急接近を見せる。ロボットは現実世界でモノを動かすなどフィジカルAIを反映させる手段として想像しやすい。知能を持つ自律制御ロボットの到来により、産業界にも地殻変動が起こりそうだ。(高島里沙) オフィス・病院に普及 12月3―6日に都内で開催された「2025国際ロボット展」。会場では従来型ロボットの速度や精度などの性能向上の訴求だけでなく、AI搭載型やヒューマノイド(ヒト型)ロボットの出展も目立った。 安川電機はソフトバンクと協業し、オフィス空間でロボットが周囲の状況を瞬時に理解し、自律的に働くデモンストレーションを披露した。安川電機のロボット技術とソフトバンクの低遅延通信や端末(エッジ)での情
日東電工の高崎秀雄社長は22日、日刊工業新聞の取材に応じ「2028年度ごろまでに営業利益率20%を目指したい」との意向を示した。25年3月期の営業利益率は18・3%で、同20%は従来、30年度までの目標だった。ただ、足元では電気剥離テープや整備が相次ぐデータセンター(DC)向け製品をはじめとした高付加価値製品の需要が増加している。販売増効果などを見込み、目標の早期達成を目指す。 目標達成のカギを握る製品の一つは、電気を流すことで固定対象を自由に剥離できる電気剥離テープ。24年度から大手スマートフォンメーカーの一部機種のバッテリー固定用に採用されていたが、25年度には全機種に拡大した。欧米で拡大する製品の修理を保証する動きなどを背景に、修理しやすいように部品の取り外しを容易にする電気剥離テープの需要拡大が見込まれる。 電気剥離テープはタブレット型端末やイヤホン向けといった別用途の開拓も進めて
東芝が安全性を大幅に高めた次世代原子力発電「革新軽水炉」の開発を推進する。経済産業省の支援事業に採択され、2025年度から安全設備などの確認試験を始めた。20年代末までに一連の作業を完了し、その後の詳細設計・建設につなげる意向。今後、スムーズに開発を進めるためには、日本の原発産業全体の問題となっているサプライチェーン(供給網)の脆弱(ぜいじゃく)化を解決していくことが必要となる。(編集委員・後藤信之) 東芝の革新軽水炉「iBR」は、経産省の「次世代革新炉の開発・建設に向けた技術開発・サプライチェーン構築支援事業」に8月に採択され、安全対策設備や特殊弁の開発に関する評価・検証のほか、追加安全対策や解析コードの適用性の検討に関する確認試験などを始めた。策定してきた試験計画を実行に移した形で、大きな節目を超えた。 各種の確認試験は順調に滑り出しており、20年代末までの完了を目指す。その後、電力会
来年に少量出荷開始 東レは8日、使用済みのリチウムイオン電池(LiB)からリチウムを回収するナノ濾過(NF)膜の量産技術を確立したと発表した。水処理用途向けエレメントと同じ実用サイズにスケールアップしたことで膜面積が拡大し、リチウム回収量が従来比60倍に向上した。2026年に少量出荷開始を予定する。 東レはリチウム回収用のNF膜で安定成膜技術を確立し、従来は幅30センチメートルだった膜を1メートルに広幅化した。量産は韓国子会社のトーレ・アドバンスト・マテリアルズ・コリア(TAK)の既存のNF膜設備で対応する。顧客へのサンプル提供や実用サイズでのリサイクルプロセスへの適用を進める。 開発したNF膜は、耐酸性と孔サイズを精密に制御する独自設計により、廃電池から抽出した強酸性浸出液から水やリチウムの一価イオンのみを透過させ、コバルトやニッケルなどの多価イオンと分離する。従来品と比べて耐酸性は約5
ダイキョーニシカワが開発した電動車向け配電部品「高電圧バスバー=イメージ」が、トヨタ自動車の新型電気自動車(EV)「bZ4X」に初採用された。インサート成形を用いることで絶縁体の被覆に係る工程を簡素化するとともに、自動化を進めることで工数の削減を図った。軽量化などを可能とする樹脂部品の知見を生かして、電気駆動システムやバッテリー周辺部品の開発や提案を加速させ、受注拡大を目指していく。 高電圧バスバーは高電圧かつ大電流に対応し、EVの高出力化に貢献する。成形時の金型への金属部品配置および取り出し、通電・耐電圧検査の各工程を自動化した。バスバーは従来の配電部品、ワイヤハーネス(組み電線)に比べて省スペースで、複雑な形状に対応できる柔軟性を併せ持つため、電動車で採用部位が増えている。 ダイキョーニシカワは電動車成長期に、バスバーを戦略商品の一つに位置付ける。シール構造を工夫したモーター駆動用バス
Zip Infrastructure(ジップインフラストラクチャー、福島県南相馬市、須知高匡最高経営責任者〈CEO〉)は、自走式ロープウエー「Zippar(ジッパー)」の実証実験を行う「福島試験線」(同市)を開所した。試験線では、これまでより大規模な実証実験を計画。2028年に私有地で走行、33年には公共交通機関としての走行を目標に掲げる。(福島・村上授) 「試乗で未来の交通システムを体感していただきたい」。10月末、時折雨が降る中開いた開所式で、須知CEOは出席者に呼びかけた。南相馬市長や地元選出の国会議員、行政の関係者らは、1両12人乗りのジッパーに試乗し、乗り心地などを確かめていた。 ジッパーはロープとレール両方を走行する乗り物で、道路上空を走行できる。通常の鉄道やモノレールはレール上を走行するが、ジッパーは直線部分をロープ、曲線部分はレールを使って走る。 既存の公共交通機関と比べた
世界トップ水準の技術移転、日本製鉄が米でDC用電磁鋼板量産…「USスチールを内部から変えれば成果は必ず出てくる」 日本製鉄は米国でデータセンター(DC)の変圧器などに使う電磁鋼板の量産に乗り出す。子会社の米鉄鋼大手USスチールが生産設備を新設し、日鉄が持つ世界トップ水準の製造技術を移転する。USスチールが2028年までに計画する110億ドル(約1兆6000億円)の設備投資の一部を充てる。AI(人工知能)の普及に伴い増大する米ハイテク企業のDC関連需要を取り込む。 USスチールが現地時間4日発表した中長期経営計画の中に盛り込んだ。USスチールのビッグリバー製鉄所(アーカンソー州)に、変圧器の部品などに使う「方向性電磁鋼板」の生産設備を新設する。量産は28年以降となる見通し。 日鉄はエネルギー損失の低減効果が特に大きい高級電磁鋼板の製造技術を有しており、電力を大量消費するDC向けなどで拡販を狙
日本ガイシはナトリウム硫黄(NAS)電池の製造・販売活動を終了する。NAS電池の特徴が生かせる長時間・大容量蓄電の需要形成には時間がかかると想定するほか、原材料をはじめ部材コストの高騰、中国勢など低コストのリチウムイオン電池(LiB)の台頭もあり、安定的な収益の確保が困難と判断した。新規受注の獲得は行わず、2027年1月ごろの最終出荷を予定する。 事業構造改革費用として、26年3月期に約180億円を特別損失として計上する予定。今後は、より多くの経営資源を「半導体関連などに投入」(小林茂社長)し、事業基盤の強化につなげる考えだ。NAS電池を含む、エナジーストレージ事業の売上高は25年3月期時点で約65億円と、全社売上高の約1%。超小型・薄型LiBの「エナセラ」など、他の電池については事業を継続する。 日本ガイシは02年にNAS電池を世界で初めて商用化。25年3月からは、大型案件の中止に伴い、
日本エネルギー経済研究所(東京都中央区、寺沢達也理事長)がまとめた2050年までの世界エネルギー需給見通しによると、50年の世界の発電量は最大で23年の2倍近くに激増する。データセンター(DC)需要と電気自動車(EV)の普及に途上国の経済成長が重なるため。脱炭素に向け、水素の利用や二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)が始まることも電力消費を大きく押し上げる。 気候変動対策強化に向けた政策などが最大限、推し進められる「技術進展シナリオ」と、現在の趨勢(すうせい)が継続する「レファレンスシナリオ」の2通りで予測値を算出した。23年実績の約30ペタワット時(ペタは1000兆)に対し、技術進展シナリオでは92%増の約59ペタワット時まで増える。24年は約57ペタワット時と予測していたのを「新たにDC需要とEVの普及台数増を加味して上積みした」(遠藤聖也主任研究員)。水素・CCSによる増分は昨
住友商事と四国電力が出資するサントリニティー(東京都千代田区)は、イオンモール大和郡山(奈良県大和郡山市)で大規模な太陽光パネルを設置した車庫「ソーラーカーポート」の稼働を始めた。駐車場1004台分のスペースに整備し、出力は約3100キロワットで商業施設として日本最大規模。年間の建物消費電力の約20%をまかなえるという。 今回、サントリニティーが2024年1月にイオンモール(千葉市美浜区)と発表した「日本最大規模の包括ソーラーカーポート・オンサイト太陽光PPA契約」に基づく取り組みの一環で実施した。両社が推進している再生可能エネルギー導入の中心事業の一つとなる。 サントリニティーは出資比率が住友商事60%、四国電力40%で、日本国内で太陽光発電事業の開発・運営を手がける。
大手企業の間で、業績が好調でも人員削減に踏み切る動きが相次いでいる。背景には中長期的な競争力強化に向けて、事業構造の改革を目指す企業の姿と雇用に対する考え方の変化がある。(苦瓜朋子) 全社的には黒字でも、収益性の低いノンコア事業の撤退や縮小に動く企業が増加している。余力があるうちに事業ポートフォリオを見直し、成長が見込まれるコア事業に経営資源を振り向け、企業価値を高めるのが狙いだ。このような動きに合わせ、人員の適正化と若返りを図るのが「黒字リストラ」だ。 東京商工リサーチによると、2025年1―9月に早期・希望退職が判明した上場企業は34社。このうち、22社は直近の決算が黒字だった。 大手では、三菱電機やパナソニックホールディングス(HD)、三菱ケミカルグループの三菱ケミカルなどで実施。3社とも足元の業績は堅調で、パナソニックHD以外は削減人数を定めていない。日本総合研究所の林浩二プリンシ
日米共同でのスーパーコンピューター開発が始まった。理化学研究所のスパコン「富岳」の後継機「富岳ネクスト」を富士通と米エヌビディアを含む3者で開発する。富士通の中央演算処理装置(CPU)と米エヌビディアの画像処理半導体(GPU)はスパコンの開発競争を戦う上で補完関係にある。共同開発は電子産業やAI(人工知能)分野で日本が経済安全保障の戦略的自律性と戦略的不可欠性を確立する試みになる。(小寺貴之) 「スパコン向けCPUを設計できるのは世界に4社しかいない。米インテルと米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、米IBM、富士通だけだ」―。理研の計算科学研究センター(R―CCS)の松岡聡センター長は強調する。スパコン開発では汎用CPUとGPUを組み合わせたマシンが上位を席巻している。CPUだけで世界ランキングのトップ10に入っているのは富岳のみだ。 米ローレンス・リバモア国立研究所が開発した
2025年ノーベル賞自然科学3賞がでそろった。生理学・医学賞と化学賞で日本人が選ばれる快挙となった。2賞同時受賞は大村智北里大学特別栄誉教授と梶田隆章東京大学卓越教授らが選ばれた15年以来となる。25年に受賞するテーマはいずれも教科書に載るような各分野の基礎を作った研究だ。受賞候補者として長年、名が挙げられており、待望の受賞となる。(梶原洵子、小寺貴之) 生理学・医学賞/制御性T細胞発見 免疫学の常識覆す 25年のノーベル生理学・医学賞は、免疫を抑える免疫細胞の「制御性T細胞(Treg)」を発見し役割を解明した大阪大学の坂口志文特任教授、米民間企業研究者のメアリー・E・ブランク氏、フレッド・ラムズデル氏に贈られる。 私たちの体は侵入したウイルスなどを排除する免疫システムを持つ。T細胞による侵入者への攻撃は特に重要な機能だが、この攻撃を止めるTregも同様に欠かせない。Tregに異常が起きる
京都大学の原田布由樹大学院生と中村智也助教、若宮淳志教授らは、汎用性の高い高品質スズペロブスカイト薄膜の作製法を開発した。下地種類やペロブスカイトの組成によらず適用でき、大面積基盤にも均一に成膜できる。環境負荷の大きい鉛を使わないペロブスカイト太陽電池の開発加速が期待される。 開発した「結晶成長制御剤を用いた真空乾燥法(V―CGR法)」は、非晶質の中間相を経由することで均一なスズペロブスカイト薄膜を形成するもの。 まず、結晶成長制御剤としてイミダゾール誘導体を前駆体溶液に添加し、真空乾燥により溶媒を除去。これにより非晶質固体に覆われた平坦な中間体膜が形成される。その後、加熱過程でイミダゾール誘導体が脱離・放出されることで、緻密で均一なスズペロブスカイト膜が得られる。 従来のアンチソルベント法と比べて基板のぬれ性の影響を受けにくいため、これまで困難だったホスホン酸誘導体MeO―2PACzなど
「間違いなく産業製品として立ち上がっていくだろう」…全国45社で工業会設立、「蓄電コンクリート」とは? 会沢高圧コンクリート(北海道苫小牧市、会沢祥弘社長)など全国45社のコンクリートメーカー・関連企業は、「蓄電コンクリート工業会」を設立した。蓄電コンクリート技術を活用したプロダクツの企画開発と全国的な普及体制の構築を進める。蓄電コンクリートの供給体制を全国規模で確立することで、再生可能エネルギーの効率的な蓄積と供給、分散型エネルギー網の構築、自己発熱機能によるエネルギー消費低減などの実現を目指す。また、社会実装に向けた産業連携を加速していく。(福島・村上授) コンクリート内部にはセメントと水が反応する過程で生まれる、極めて小さな空隙(細孔)がまるで毛細血管のように広がっている。コンクリートに炭素微粒子であるカーボンブラックを添加すると細孔の周囲にカーボンブラックが集まり、連続的な導電ネッ
マツダ宇品工場(広島市南区)で稼働中の石炭火力発電所2基。出力計10.6万キロワットで工場電力の8割をまかなう マツダは30日、広島と山口の両工場で計画していた自営石炭火力発電所のアンモニア専焼発電への転換を断念すると発表した。技術確立や調達体制の遅れ、欧州の環境政策転換などを背景に方針を改めた。初期投資も抑制できる。2030年をめどに既存の発電所を廃止し、両工場で使う電力の大部分を外部からの調達に切り替える。これに伴い、30年度の二酸化炭素(CO2)削減目標を13年度比69%減から46%以上減へと引き下げた。 マツダは環境規制が厳しい欧州市場での販売継続には、脱炭素電源による車両製造が必要となると考えて、実用化されていなかったアンモニア専焼発電への挑戦を構想した。欧州が脱炭素への現実路線にシフトしていることを受け、操業を支えるエネルギーの安定供給を最優先とし、着実に脱炭素を実現していく計
通信品質・投資効率を両立 NTTドコモが通信品質対策強化と設備投資効率化の両立を進めている。商用網を担うネットワーク本部の組織体制を見直し、携帯通信網のエリア品質、コスト構造改革に特化した部署を新設した。2026年3月までに全国の第5世代通信(5G)基地局数を24年3月比4割以上増やす一方で、業務・調達工程の見直しにより26年度に5G基地局1基地局当たりの投資単金を23年度末比2割低減。27年度のネットワーク関連投資を25年度比300億円減らす。(編集委員・水嶋真人) 「26年3月までに全国主要鉄道動線の5G基地局数を24年3月比70%以上、全国主要都市中心部の5G基地局数も同2・2倍以上に増やす」―。NTTドコモの携帯通信エリアの品質改善を担うべく7月に新設したエリアマネジメント部の桂智一部長は、今後の基地局増設計画を示す。 ドコモはコロナ禍明けで人流が回復した23年春に表面化した通信品
古河産機システムズ(東京都千代田区、岩間和義社長)は、急傾斜に対応した密閉式吊り下げ型コンベヤー「SICON」を手がける。密閉式で土砂を搬送するため、ダンプトラックで運び出す通常方法と違って排ガスで周囲を汚染する心配がなく、騒音も少ない。この長所が住宅地の多い都市土木や夜間工事で注目され、ダンプトラックに代わる新たな輸送手段として脚光を浴びている。 「8年前、リニア新幹線の工事でシールドマシンで掘った大量の土砂を運び出す方法はないかと相談されたのがきっかけだった」。古河産機システムズプロジェクト営業部の永松孝志部長は、こう振り返る。 土木工事の場合、1件ごとに数十万立方メートルから百万立方メートル単位の大量の土砂が発生する。これをダンプで運び出す場合、数十台のダンプが必要になるほか、走行時の騒音や振動、排ガス問題が深刻化することは容易に想像がつく。加えて最近は新たな問題も発生している。ダン
低出力、企業の研究利用でも注目 脱炭素化へ向け、政府は第7次エネルギー基本計画で原子力の最大限活用へと方針を転換した。原子力発電所新設や立て替えが見込まれ、新型炉研究の加速が求められる。さらに宇宙や医療分野など原子力活用の幅は広い。重要性が高まる原子力人材だが、今、その教育の場が次々に失われている。存在感を増しているのが、近畿大学の教育用原子炉だ。出力わずか1ワットと世界でも最小レベルの原子炉だが、1ワットだからこその価値が見えてきた。(曽谷絵里子) 「ゼロ出力炉」。近大原子炉「UTR―KINKI」はそう呼ばれる。豆電球の発熱量以下で、冷却は不要だ。安全性が極めて高く、学生が起動から臨界調整、出力変更、停止まで一連の操作を自ら行える。 日本初の民間原子炉として1961年に稼働し64年を迎える。この間、東京大学など全国5大学に設置された原子炉は次々に運用を終了。2026年には京都大学の2基の
生成AI(人工知能)モデルの軽量化と高精度化を同時に実現―。富士通は8日、大規模言語モデル(LLM)の軽量・省電力を実現する生成AI再構成技術を開発し、同社のLLM「Takane(タカネ)」の強化に成功したと発表した。今回の成果をベースに金融や製造、医療、小売りなど、専門性の高い業務に特化したタカネから生まれる軽量AIエージェント群を開発・提供していく。 開発した生成AI再構成技術はAIのニューロン間の結合に割り当てられる重み(パラメーター)を極限まで圧縮・軽量化する「量子化技術」と、軽量化しながら精度を維持・向上させる「特化型AI蒸留技術」の二つのコア技術で構成する。 AI蒸留技術は汎用的なAIモデルから思考の要点だけを抽出・凝縮して、小さなAIモデルに詰め込む手法。今回は軽量化に加え、学習した元のAIモデル(教師モデル)を超える精度を実現し両立させた。 このうち、量子化技術をタカネに適
自動車に使われる半導体はAI(人工知能)向けなど最先端品とは異なり、製造プロセスも古い。完成車メーカー首脳は「半導体メーカーは旧世代品には投資してくれない。作れる間は作るが、設備が古くなり工場スペースがなくなれば設備を撤去する」と内情を明かす。過去には自動車メーカーが旧世代の半導体を確保できず、生産に影響が出た例もある。(総合1に関連記事、大川諒介、小林健人、編集委員・村上毅) 新型コロナウイルスのまん延で2020―21年に表面化した半導体不足は、自動車業界に打撃を与えた。20年後半から自動車需要が回復に向かうものの、パソコンや第5世代通信(5G)基地局向けの半導体需要が拡大して需給が逼迫(ひっぱく)。車載向けは供給不足に陥った。 こうした中、トヨタ自動車やホンダ、日産自動車など各社が減産に乗り出し、生産調整や生産車種の入れ替えを推進。だが、国内乗用車メーカー8社の21年度の世界生産台数合
著作物の不正利用を疑われる事例が後を絶たない。5月、都内のコンサルティング会社が新聞・出版社の記事約1万3000本を無断で複製し社員らと共有したとして著作権法違反容疑で東京地検に書類送検された。8月には全国紙3紙が記事の無断利用の差し止めと損害賠償を求め、AI(人工知能)検索サービスの米パープレキシティを東京地裁に提訴した。業務目的での新聞記事の複製には権利者の事前許諾が必要となる。企業内での対応のあり方を著作権関連団体や専門家に聞いた。(編集委員・水嶋真人、小寺貴之、大川諒介) 「2024年7月末ごろに(都内のコンサルティング会社である)ジェイ・ウィル・エックス(JWX)の社内システムで記事がコピーされ共有されているとの内部通報があった」―。月刊の総合情報誌「FACTA」を手がけるファクタ出版(東京都千代田区)の和田紀央副編集長は、JWXによる記事の無断複製を知った経緯をこう振り返る。
大気中の二酸化炭素(CO2)を直接回収するダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)の装置が、大阪・関西万博の会場で稼働している。地球環境産業技術研究機構(RITE)による国内最大級のDACの実証だ。大阪ガスやエア・ウォーターと連携して回収したCO2で合成メタンを製造し、会場内で使う「カーボンリサイクル」も展開中だ。万博の会期が後半に入り、RITEのチームは実証の成果に手応えをつかんでいる。 RITE、実証は着々 合成メタン製造→会場の燃料 来場者でにぎわう広場から離れたエリアに「RITE未来の森」がある。白いフェンス越しにダクト3本の先端が見える。内側に回ると下部に配管とタンクがある。上部のダクトが吸引口となっており、内部でファンが稼働して空気を吸い込んでいる。 空気は網目状の基材に通す。その基材にはCO2を化学結合する吸収剤が固定されており、空気中のCO2を捕まえる。蒸気を投入すると熱で
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『ニュースイッチ by 日刊工業新聞社』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く