【羽田新飛行ルート秘話】「横田の空を譲る代わりにアメリカ航空会社に便宜を図れ」国交省元幹部の衝撃証言写真はイメージです Photo:PIXTA

関東地方の頭上には、横田空域と呼ばれる米軍管理の空が広がっている。日本の旅客機が自由に往来できない背景には、日米外交のなかで積み重ねられてきた負の歴史がある。関係者が誰も口を開こうとしない、“空の立入禁止区域”の正体に、毎日新聞の記者たちが迫る。※本稿は、毎日新聞取材班、ジャーナリストの大場弘行『首都圏は米軍の「訓練場」』(藤原書店)の一部を抜粋・編集したものです。

関東地方の頭上には
米軍管理の空が広がる

 首都圏上空には、米軍横田基地(東京都福生市など)が管理する広大な空域がある。

「横田空域」と呼ばれ、1都9県(東京、神奈川、埼玉、群馬、栃木、福島、新潟、長野、山梨、静岡)をまたぐ巨大な山脈のような形状をしている。広さは南北約300キロ、東西約130キロで、最も高い地点は富士山の2倍近い約7000メートルにもなる。

 その役割は、空域内の飛行場で離着陸を行う航空機の進入管制業務を行うことだ。

 2006年版の防衛白書の「(解説)横田空域」の欄には、空域内には、横田基地のほか、いずれも飛行場を備えた航空自衛隊の入間基地、米軍と海上自衛隊が使う厚木基地があるとして、空域の役割をこう記している。

「これらの飛行場を利用する航空機に対する進入管制業務(航空機に対し出発・進入の順序、経路、方式の指示などを行う業務)を行うための空域として利用されています」

 あくまでも空域下にある飛行場を使う米軍機と自衛隊機の交通整理を行うためのもので訓練用ではないということだ。しかも、日本政府は「米軍の排他的使用を認めていない」と繰り返してきた。