小林鷹之政調会長21日に小林鷹之政調会長が発表した自民党の選挙公約には「飲食料品は、2年間に限り消費税の対象としない」と明記された Photo:JIJI

「消費減税」の大合唱――。その甘美な響きの裏で、日本経済は“敗戦”に突き進んでいます。減税ポピュリズムの果てに待つ、財源なき消耗戦と国民生活崩壊のシナリオとは?(ノンフィクションライター 窪田順生)

高市首相が解散発表の会見で
口にした「NGワード」

 何をやっても「さすが」「仕事が早い」と称賛の嵐、一方でちょっとでも批判をした者は「応援団」によってSNSでボロカスに袋叩きにされる――。

 そんな圧倒的な“国民的人気”を誇っていた高市早苗首相のカリスマ性に「綻び」が見えてきた。

 解散総選挙を表明する会見の場で、飲食料品の消費税を2年間に限って対象にしないという政策に触れた後、こんな「NGワード」を口にしてしまったからだ。

《今後設置される「国民会議」において、財源やスケジュールの在り方など、実現に向けた検討を加速します》

 忘れている人も多いだろうが、この「検討を加速」というのは岸田文雄前首相が経済政策、安全保障、デジタル推進など幅広い分野における議論で使い倒したことで批判が殺到、ネットやSNSで「検討ばかりで実現しない検討使」などと揶揄されたこともある「永田町話法」だ。

 本音を言えばやりたくない、複雑な事情が絡みあって実現は難しい、という政策を語る際、それを正直に語ってしまうと国民からそっぽを向かれてしまうので「検討を加速」と言葉を濁す。

 これならば実現できなくても嘘にはならないし、「さらなる検討が必要なのでもっと加速します」などと問題を先送りにできる。国会答弁、メディアのインタビュー、選挙演説など政治家が必ず身につけておかなければいけないテクニックのひとつである。

「だったら高市さんが使ったっていいだろ! 反日左翼ライターは黙っていろ!」というお叱りが全方向から飛んできそうだが、そういう批判の意図はなく、この話法を岸田前首相が使うのと、高市首相が使うのでは「ダメージ」が違うと言いたいのだ。