衆院解散について会見する高市首相
衆院解散について会見する高市首相
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 就任直後は国民のために働くと意気込み、衆議院解散も「考える暇はない」と宣言していた高市早苗首相。だが、宣言から3カ月。首相は23日に招集する通常国会の冒頭で、衆院を解散すると表明。日本維新の会との連立政権の枠組みについて国民の信任を得る狙いがあるという。政治学者で中央大学法学部教授の中北浩爾さんに、高市首相の評価を聞いた。

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――日本の憲政史において、女性首相が誕生したことの意味をどう考えますか。

 高市さんに対する批判的な意見に安易に与するべきではないと、私は考えています。男性優位とされてきた政治の世界において、女性政治家は数多くの困難に直面してきました。そのような状況で女性首相になったこと自体に歴史的な意義があります。

 ただ、私は高市さんが初の女性首相になるとは、正直なところ予想していませんでした。これまでにも、野田聖子元総務相や小池百合子都知事など、有力候補として名前が挙がった女性政治家は少なくない。そのなかでガラスの天井を打ち破ったのは高市さんでした。

 総理の誕生は、その時々の政治状況に大きく左右されます。総理の座を目指し、そこに手をかける政治家は数多くいます。でも、最後の一線を越えられるかどうかは実力だけでなく、ある程度の運やタイミングにも依存する。これは女性政治家に限った話ではありません。男性政治家も同じです。石原伸晃元幹事長のように総理総裁の座を逃した人物はいますし、石破茂前首相のように何度も機会を逃したと思われながら、巡ってきたケースもある。

 そう考えると、総理になる「必然性」というものは、あるようでいて、実はそれほど明確には存在しないというのが私の考えです。ただ高市さんの場合、いくつかの追い風が重なった。とりわけ安倍晋三元首相という強力な後ろ盾の存在は、大きな要因だったと言えるでしょう。

――“安倍元首相の後継者”であることを、高市氏はたびたびアピールしてきました。

 2021年の自民党総裁選に出馬した際、安倍さんの強力な支援を受けました。「安倍さんの後継」という位置づけは、政治的にも象徴的にも非常に大きかったと思います。

 今年1月の伊勢神宮への参拝では、クリアファイルに安倍さんの写真を入れていました。後継者であることを訴えたかったのだと思います。ただ、ファイルの中に入れるなど、手法が雑であることは否めません。日米首脳会談でもトランプ大統領の隣ではしゃいで見せたりと、高市さんの振る舞いはどこか安っぽい。ただ、その部分が庶民的で良いのかもしれません。

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