ハヤオキスルフクロウ

早起き < 呑み会

スマホが奪うのは時間だけか?

違う。断じて違う。
この小さなデバイスはもっと我々から多くのものを奪っている。
それも我々が認識できない形で、無慈悲に、刻々と、、、

スマホは便利だ。世界を一変させた。でも僕はその悪影響を知ってから可能な限り人生から排除したいと思っている。
スマホが好きな人が多い中、今すぐスマホをやめたほうがいいなんてことは言わないけど、どんな形で影響があるかを理解しておくことはそれなりに意味があるんじゃないかなって思うんだ。

だから、少なくとも僕が影響を及ぼせる範囲内には警報を鳴らす意味で文字にする。
スマホ依存の現代人がこんな長い記事を我慢して読めるのかはなはだ疑問だけど頑張ってみるよ。🙄

具体的な悪影響

先に結論だけいうと、スマホを長時間触れていると以下のような悪影響が出る。

  • 無気力になる
  • 睡眠に影響が出る
  • 困難に立ち向かえなくなる
  • 不安に襲われる

などなど多岐にわたる。
僕は、Youtubeを気づいたら2時間見ていた後なんてのは、幸福な気持ちかといわれると「あーまたやってしまった」と後悔し嫌な気持ちになる。この時、時間を失った後悔でネガティブになっているのかというと、実はそうじゃないかもしれない。
2時間もYoutubeを見た後の脳は、無気力になり不安に陥りやすくストレスを感じやすくなっている。
無気力になるのでこのあとやろうと思っていた家事などのやるべきことへのやる気が著しく下がっているはずだ。

今日はこれらのメカニズムについて、脳神経科学の立場から簡単に説明する。
脳で何が起こっているのかを知るのは今後の役に立つと思う。

3つのキーワード

このブログを読んだ後、3つのキーワードについてある程度理解し覚えてもらえたらこの上なくうれしい。
以下の三つだ。

  1. 我々の脳はまだ森の中にいる
  2. ドーパミン
  3. かもしれないは依存する

我々の脳はまだ森の中にいる

我々は高度な文明、情報化社会で生きている。
ITが当たり前になってどれほどの時間が経っただろうか。
せいぜい30年だ。
江戸幕府が倒れてから高々150年。
圧倒的スピードで進化した人類、我々人類の遺伝子は、ホモ・サピエンスとしてこの世界に現れてからの30万年間ほとんど進化していないらしい。
言わずもがな、昨今の情報化社会に対応できているわけもなく、体、脳はまだ森の中に適応した形で存在している

目の前に、人参とチョコがあった場合、圧倒的にチョコが食べたくなるだろう。
この選択に対してチョコを毎回選んでいると不健康になり、ゆくゆくは人参を選んだ場合よりは早く死ぬのは想像に容易い。
なぜ、脳は早く死ぬ選択をさせるのだろうか。

チョコを食べさせたい、これは脳が「カロリーを摂取しろ」と命令しているに他ならない。
カロリーは我々の体を動かすエネルギーでこれなしでは動けない。
そして、このカロリーは自然界(森の中)では非常に貴重な栄養源だった。
だから脳は、カロリーを見ると反応し、我々にそれを頑張って獲得せよと命令する。

森の中であれば問題なかった。カロリーは貴重だから頑張って走って走って苦労して獲得する。
カロリーが周りに溢れていていくらでも摂取できる状態ではなかった。

現代はどうか、ドーナツやポテトチップスはあまりにも簡単に獲得できてしまう。
脳はまだ、森の中、だから命令する「そのカロリーを摂取せよ」と。取れるだけたくさん、際限なく。

僕らは、カロリーに対して抗うのは非常にむずかしい、脳が森の中にいるのに実際には高度な文明の中にいるから。
このギャップ、これが現代の悩みの種の多くの原因である。

ドーパミン

脳が命令する「〜せよ」と。
この時、脳内ではドーパミンという神経伝達物質が放出される。
ドーパミンが出て行動を促進されて、獲得すると報酬が出て、海馬(記憶)に記録される。
海馬に快楽が記憶されるので、次もまた報酬が欲しくなる、ドーパミンが出て我々は行動に移る。

依存については、このドーパミンが非常に深く関わっている。
今日の重要キーワードの二つ目の ドーパミン ぜひ覚えておいてほしい。

かもしれないに依存する

こんな実験がある。
ネズミの前にレバーがあり、これを引くと餌が出る。
ネズミは餌がほしいからレバーを引く、このレバーを引くときにドーパミンが出る。
脳が「レバーを引け」とドーパミンを通して命令する。報酬がもらえるのを記憶しているから。

面白いのはここからだ。
レバーを引いてもたまに餌が出ないようにする。
あらゆる確率で実験した結果、3~7割で出る時に最もドーパミンが放出され、ネズミは必ずもらえるときよりレバーを引く 。 同様の実験をサルに行った結果、5割の時に最もドーパミンが放出されたらしい。
半分の確率でしか得られないかも知れないが、脳が「それをしろ!」と激しく命令し、そしてそれを行うと快楽を得る。

人間も同様、この かもしれない というものに激しく反応する(ドーパミンを放出する) 。

このかもしれないをたくみに操っているのがギャンブルだろう。(ギャンブルは50%よりちょっと小さい確率で勝てるように調整されている)
毎回勝っているより、負けても次は勝てる かもしれない を味わった方が脳はドーパミンを出し、快楽を得る。
ゲームも同様 「次は勝てるかもしれない」「ガチャでいい素材が手に入るかもしれない」 で我々は熱中する。

詰まるところ、我々は かもしれないに依存 し、 かもしれないの奴隷 なのだ。

かもしれないの究極体

もう予想がついたと思うだろうが、このかもしれないを究極に集合させたのがスマートフォンだ。
今この記事を書いている間、スマホは別の部屋に置いてある。
でも脳は僕にこう言う「連絡が入っているかもしれないよ」。
誘惑に負け、スマホを開くと色々なアプリが僕を誘う、

「Xが、漫画アプリが、instagramが、Youtubeが、...が、...が、...が、更新されているかもしれないよ」と。

これでもまだ終わらない。
Youtubeを開いた場合、ショートが流れる、1つ見終わった後に僕の脳はこう言う「指をスクロールするとまた面白い動画が あるかもしれないよ」。
あとは想像の通り、狂ったように指をスクロールさせる、十分に僕を喜ばせる動画なんてほとんどない。でも、脳は確実に快楽を得ている、だから僕にそれをさせる。
残念なことに、脳が得ている快楽は、「かもしれない」に対してなのだからその動画そのものではない。

インスタのストーリー含め、ものすごく嬉しかったり楽しい気持ちになることはほとんどない。でも指は勝手に動く。
この時、森の中にいたときには絶対得られなかった量のドーパミンを大量に摂取する。
森の中にいたときに7日でやっと得られたような量のドーパミンをわずか 1時間足らずで摂取できてしまう。
(ニコニコしながらストーリーやショートをスクロールさせる人を見たことがあるかい?感情は動いているのかい?(←自戒) きっと僕と話した方が笑顔になれるよ。)

ここがとても大問題なんだ。

ドーパミンを過剰に摂取すると

意外な事実だが、快楽と苦痛は同じ場所で処理されるらしい。
運動して苦しくても快楽を感じるのはこれが原因だ。

さて、ドーパミンを過剰に摂取した場合、どのような反応が体に起こるのだろうか。
苦痛と快楽はシーソーに例えると少しわかりやすい。

快楽を得ると、シーソーは快楽側に偏る。
人間(その他生命)には、強力な自己調整メカニズム(ホメオスタシス)が備わっており、偏ると元に戻そうとする力が働く。
結果として、多くの快楽を短時間に摂取しすぎると不安になったりする。
スマホを長時間触った後の倦怠感の正体はこれだ。

逆に言うと、苦痛を感じると幸福を感じやすくなる。
運動を日頃からおこなっているとストレスを感じにくくなり、小さなことでも幸福を得やすくなる。
(僕が運動をする理由はこれ、ストレス耐性をつけるため。今度詳しく書こうと思う。運動は最高だ。)

もう少し話を進めよう、ドーパミンを過剰に摂取するともう一つ厄介なことが起こる。
耐性ができて、同じ量のドーパミンでは快楽が得られなくなるというものだ。
ドラッグ依存者、アルコール依存者の摂取量が増えるのはこのため。

同じ刺激では満足できなくなりより多くのドーパミンを欲する。
短期間に大量に欲しくなる。
最近でいうと、映画を倍速再生でしか見れない若者ととかがそうだと思う。
こんな化け物を産んでしまった大人は反省したほうがいいまじで。

結果として、小さいドーパミン(モチベーション)では動けなくなる、無気力になり不安が生じる。
やるべきことを後回しにしがちになる。
慢性的な倦怠感、不安感がある人が、急激に増えているらしい。原因は明らかだと思う。

先日、飲食店に来た4人家族が一言も喋らずにお互いにスマホを見ながら食事をしていた。
これを見た時に、僕は「あーもう、人類滅んでいいんじゃないかな」と思ったりもした。
まあ、この家族もある意味で犠牲者なのかもしれないけど。

疑ってみて

あなたがもし、常々不安だったり焦りがあったり無気力だったりするのなら、それはドーパミンを過剰に摂取しているからかもしれない。
実際、僕は明らかに変わった。
イライラしなくなったし、謎の焦燥感も消え去った。心穏やかでゆったり過ごすことができている。
散歩をすると、いろんなところに目が付き、興味が沸く、たったこれだけで幸福を感じることができる。

ドーパミンデトックス で検索してみてほしい、動画とかブログとかたくさん出てくるから。似たような体験をした人が多くいるよ。

1日だけ

1日だけでいいから、パートナーとか友達と一緒にスマホをどこかに預けて出かけてみてほしい。
ものすごく楽しいから。
行き先も特に決めずにお出かけをするんだ。興味が沸いたところにたくさん寄り道すればいい。
終わった頃には、心が落ち着いて穏やかになっているのがわかると思う。
そしてそれは、翌日にも続いているはず。

終わり

ものすごく疲れた。
頑張ったと思う。
ここまで読んでくれた人、本当にありがとう。

僕は疲れて理性(前頭葉)の機能が少し落ちている、そうなるとドーパミンの誘惑に抗えないんだ。
だからたぶん、この後にスマホを少しでも触ったらまたたくさん触っちゃうんだ。
嫌になっちゃうねほんと。

「主よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」

エス

fkubota