パスワードを安全かつ簡単に管理するにはどうすればよいのか。東京大学環境安全研究センター特任研究員の飯野謙次さんは「私が現在使っているパスワードは384個もあるので、覚えきれない。ファイルで管理して、必要なときだけアクセスできるようにし、セキュリティも万全にしている」という――。

※本稿は、飯野謙次『失敗マップのすすめ 2つの質問に答えるだけで「ミスしない・させない」を仕組み化できる新ツール!』(日経BP)の一部を再編集したものです。

社用スマホを自宅に忘れる

時に忘れるのがスマホです。いざ使おうとして「ないっ!」と気が付き、慌てて家まで取りに帰ることもあります。そして、充電器に挿しっぱなしのスマホを見てがっくりくるのです。

職場と家が近い人は「取りに帰る」で済みますが、離れたところに住んでいて、社用スマホを家に忘れたら大ごとです。

さて、この「社用スマホを自宅に忘れる」をはじめとする忘れ物の撲滅の仕方を、本書『失敗マップのすすめ』(飯野謙次著、日経BP)で提案する新メソッド「失敗マップ」を使って考えてみましょう。このケースは、図表1「失敗マップ」の第1~第4エリアのどこに当たる失敗でしょうか?

なお、失敗マップとは失敗を4つのエリアに分類し、エリアごとに効果的なリカバー方法を考え、再発防止策を考える思考の地図のことです。

A:第3エリア

これはあくまでも個人の失敗です。そして社用スマホを持って出るのは毎日のことでしょう。第3エリア、それも左下の角に入る事案です。

【図表】失敗マップ:エリアごとの失敗対策
出典=『失敗マップのすすめ 2つの質問に答えるだけで「ミスしない・させない」を仕組み化できる新ツール!』(日経BP)P71 イラスト:めんたまんた 図版制作:キャップス

スマホを忘れない工夫

さて、この「スマホを忘れる」という失敗、世間はどう対処しているのだろうと「グーグル先生」に尋ねてみました(「スマホを忘れる」というシンプルな失敗についてもたくさんの方がいろいろなストーリーを発信されていて、本当に飽きがきませんね)。すると最近のグーグル先生よろしく、いの一番に表示されるのは「AIによる回答」だったのですが、その内容には思わず「ん?」と首をかしげざるを得ませんでした。いわく、

● 位置情報を確認する
● 遠隔ロックやデータの遠隔消去を行う
● 契約先の携帯会社に利用停止を申し出る
● 警察に遺失届を提出する

この回答は、公共交通機関、飲食店での置き忘れや落とし物による紛失について書かれており、明らかに、家に忘れたのと、いつの間にか手元にない時とを混同しています。

今回はAIの間違いではありますが、「スマホを忘れちゃって」と言われた場合に、自宅などにただ置き忘れたのか、外などどこかに忘れたのか(その場合は「なくした」と言いそうなものですが)を勘違いして起こる失敗などもありそうです(ちなみにこうしたコミュニケーションにおける勘違いも、第3エリアにプロットできます)。

実はこの、スマホを忘れるという失敗は、以前は私もよくしでかしていたので、最近は前述の通り、クリップ付きの伸びる携帯ストラップで、着ている服か身につけたバッグのどこかに固定しています。電話をするときには固定したところが引っ張られて少々不便ですが、置き去りにしたり、落としたりすることはありません。

携帯電話以外にも、私は次の日に携行しなければいけない物があると、それを必ず玄関、あるいは次の日に履いていく靴の上に置いて就寝します。それを手にしないと出かけられない工夫です。

一度でも社用スマホを忘れたり、忘れそうになったりしたことがあるなら、これと同じように、社用スマホの充電器は玄関に置いたり、鍵と一緒にしておいたり、何かの工夫が必要でしょう。