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2月に配信された『合歓る - walls』と対をなす二部作の後編となる今作『合歓る - bridges』は、物語の中心にいる「ふたり」を隔てていた「壁」のその先にある繋がりを描いた作品。前編ではすれ違いや感情の隔たりが色濃く描かれていたのに対し、本作では壁の存在を意識しながらも、微かな希望を見出し、目の前の存在との繋がりに気づいていく様子が描かれている。人は常に何かとの繋がりを求めながら自身の存在意義を問い直して生きているが、本作では目に見える関係性だけでなく無意識的な繋がりにまで踏み込み、それが人が生きる中で繋がりを探し続ける姿と重なっていく。また、“肌と雨|skin and rain”から“恋人へ|Koibitoe”と続く曖昧な曲間など、楽曲同士の繋ぎも印象的。新たな場所へ歩き出す意思を象徴する“making a bridge|橋を架ける”にある《朝が来る》《明日を待ち焦がれる》という言葉が示すように、『bridges』は物語を閉じるのではなく、壁の先にある未来を提示する。二部作の終着点でありながら、新たな始まりを感じさせる一枚だ。(伊五澤紗花)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年2月号より)
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