はじめに
統計検定1級取得後も学び続ける必要性を感じた背景
私は,製造業のデータ分析チームでリーダーをしている,データ分析の実務家・中間管理職である。
2023年に統計検定1級を取ったが,AI・データサイエンス分野の進化が激しく,普段の業務でデータ分析の手法を間違えずに使っていくためには,基礎と応用の両面を統計検定1級取得後も学び続ける必要があると感じた。
この記事を書く目的
これまでは,読書した後にノートにメモを残していたが,読み返したり検索したりするうえで電子化が必要だと感じた。また,統計検定1級を目指したり,私のような悩みを抱えている方の参考になるかもしれないと思ったりしたため,ブログを読書メモに書くこととした。
これまで作成した読書メモ一覧がかなり増えてきたため,2026年1月現在の情報をもとに,いったん数理統計・データサイエンスのおすすめ書籍ガイドにまとめることとした。なお,主観で難易度も併記した。
この記事が対象とする読者
- これから数理統計・データサイエンスを学びたい方
- 統計検定2級・準1級レベルで次の一冊に迷っている方
- 実務でデータ分析をしているが理論を補強したい方
全体像 : 数理統計・データサイエンス学習の地図
今回のおすすめ書籍ガイドにおいて,紹介する書籍を以下のように分類した。
- 基礎理論
- データサイエンス応用
- テーブルデータ
- データ種類特化
- データサイエンス実務
- アプリ・システム

これは以下の考えに基づいている。
数理統計学の学びをスタート地点とする : 統計検定1級を取得するために,数理統計学に関する書籍を読み,演習問題も多く解いた。一方で,統計検定1級を持っているからと言って,データサイエンス分野に幅広く精通しているわけではないため,スタート地点を数理統計学に据えて,そこからピボットしながら理解を深めることとした。
基礎と実務の両方を重視した : 数理統計・データサイエンスを実務に活かすためには,数理統計の基礎的なことだけ学ぶのではなく,実務に沿った実践的な内容にも触れる必要がある。一方で,正しく実践するには,基礎理論を理解する必要がある。このような理由から,両方を重視して学ぶこととした。
基礎理論 : 数理統計・機械学習の土台を作る本
基礎を固めるポイント
統計検定1級や準1級を目指す場合も目指さない場合も,以下の記事にまとめた書籍はいずれもおすすめである。
統計検定1級に向けて読んだ数理統計学の書籍 #書籍紹介 - jiku log
特におすすめなのが,以下の4冊である。

これらの本は,統計検定1級を取得した後も,基礎的な内容を振り返るうえで参考になったし,新たな発見も多かった。
基礎固めをする際のポイントは以下の2点である。
最初から全て理解しようとしない : 基礎を学ぶ,特に独学するうえでの障壁となるのが,「本に書いてあることを理解できないこと」である。
そのため,最初から全てを理解しようとせず,我慢してしばらく読み進めてみてから戻ってきたり,他書を参考にしたりすることが重要になる。
なお,生成AIに説明させてから読むことも有力な手法であるが,きちんと理解するためには書籍の内容を参考にするべきである。
実務との接点を意識した読み方を心掛ける : 基礎理論は無味乾燥なことが多い。そのため,具体例,特に自分の業務などとの接点を意識してみると,具体的なイメージが付きやすくなる。
データサイエンス応用
テーブルデータ
テーブルデータはデータ分析の基礎
テーブルデータは,データ分析の基礎的なデータの1つである。特に製造業のデータ分析では分析対象とする機会が多く,特に時系列データ分析の手法が重要になる。
このような理由から,テーブルデータでおすすめの書籍をまとめた。
データ種類特化
データの種類に応じた手法を理解する
テーブルデータ以外のデータ,すなわちテキスト・画像・位置情報・グラフデータなどは,業務において利用するシーンがある。特にテキストデータは,製造業においてはリスク管理や知識伝承に有益なデータである。データの種類に応じた処理方法や分析手法について,応用的な内容を理解するためにおすすめの書籍をまとめた。
ただこれらの手法は,テーブルデータの分析手法と比較されることが多いので,テーブルデータの分析手法に慣れてから読むことをお勧めする。
データサイエンス実務
データサイエンスを実業務につなげる
分析手法を理解するだけでは,いざ業務適用をしようとするとハードルが高い。例えば業務適用を考えると,
- データ分析をビジネスに活用するための方法論
- 分析結果を正しく解釈・評価するための方法論
- 実務で成果を出すための業務プロセスの設計論
- 分析で価値を生み出すためのデータの管理方法
など,さまざまな知識が必要になる。
データ分析の知識を実業務で活用するためにおすすめの書籍をまとめた。
データサイエンス実務のおすすめ【5冊】と読書メモ

機械学習を解釈する技術 : 難易度★★★☆☆ (標準的)
効果検証入門 : 難易度★★★☆☆ (標準的)
ビジネス課題を解決する技術 : 難易度★★★☆☆ (標準的)
先輩データサイエンティストからの指南書 : 難易度★★★☆☆ (標準的)
Data-centric AI入門 : 難易度★★★★☆ (やや専門的)
アプリ・システム
分析を実務で活用する
分析を実務で活用していくためには,分析結果を業務プロセスに反映させるような,アプリケーションを作ることが重要になる。
特にユーザとのイメージ合わせのためには,プロトタイピングも重要になる。Pythonユーザが手軽にアプリ開発ができるようになるうえでのおすすめ書籍をまとめた。
アプリ・システムのおすすめ【2冊】と読書メモ

LangChainとLangGraphによるRAG・AIエージェント[実践]入門 : 難易度★★★☆☆ (標準的)
PythonでつくるWebアプリのつくり方 : 難易度★★★☆☆ (標準的)
学習ステージ別おすすめ読書ルート
この記事では,多くの書籍を紹介している。結局どれから読めばよいのか?という疑問に答えるため,おすすめの読書ルートを考えた。
初学者・学部生向け
学部生の方や,統計検定1級・準1級を目指される方は,基礎から固められることをおすすめする。これらの学習は,基礎を学び,定期テストや資格試験の対策をするうえで有効である。
基礎固めの書籍はこちらがおすすめである▼
統計検定1級に向けて読んだ数理統計学の書籍 #書籍紹介 - jiku log
その後は,
基礎理論⇒データサイエンス応用⇒アプリ・システム
という順に,ジャンルごとに気になる本を読まれるのがよい。
社会人・実務の分析者向け
社会人の方は,「自分の業務でどのように使えるか?」ということに興味をお持ちだと思う。もし大学1・2年生レベルの数学の知識があるのであれば,
テーブルデータ⇒データサイエンス実務
という順番で読み,必要に応じて基礎に戻ればよい。
統計検定1級取得後に変わった「本の読み方」
統計検定1級に合格するまでは,試験問題を出来るだけ効率よく解くために,演習問題を数多くこなした。
一方で実務においては,試験のように正解があるわけではないので,
- 問題解決の幅を広げるために,幅広く手法を理解すること
- 他人に説明するために,理解を深めて自分なりに咀嚼し,相手に分かりやすく伝えられるようにすること
を意識した勉強法に切り替える必要がある。
そのため先述のように,理論と実践を意識した。
まとめ : これから学ばれる方へ
本記事において,これまで私が読んできた本を紹介した。しかし書籍の選び方には正解は無く,自分で読んで考えてみることが重要である。
私にとって有益だと感じた本が,他の方にはそうでないかもしれない。ただ,本記事がこれから学ばれる方にとって,なんらかのきっかけになれば幸いである。
また,本を選んで読むこと以上に重要なことは,学び続けることと学んだことを記録に残すことだと思う。
学んだことを,手元のメモやノートにまとめておけば,見返したときに大きな発見があると思う。
私も,引き続き学びと発信を続けていきたい。
本記事を最後まで読んでくださり,どうもありがとうございました。


