カービィのエアライダーに酔い対策機能が実装&酔い対策ONでも酔いが軽減する人と変わらず酔う人に分かれると知り、以前少し3D酔いの事を調べてた*1身としては興味深かったので、それについて書いていきたいと思います。
※11/19 10:48 タイトルちょっと変更
※11/19 15:16 Xへのポストを列挙したまとめから、ブログに合った形式に書き換え&いろいろ加筆。
プレイヤー側にできる3D酔い対策だけ先に書いておくと、とにかく画面から離れてください。
少し離れてもまだ酔う場合更に離れてみてください、離れれば離れるほど軽減すると思います。あまり遠いと視認性は悪くなりますが、酔ってプレイできないほどではなくなるはず。
酔い対策の画面表示は、実際に酔う人たちに対しより効果的だったものを採用して作られています。
— 桜井 政博 / Masahiro Sakurai (@Sora_Sakurai) 2025年11月8日
が、それより効果的なのは… 画面からしっかり離れること。
画面が小さすぎるな? と感じるぐらい離れれば、酔いはだいぶ軽減されることと思います。
テーブルモードにするのもアリです。 https://t.co/SoCJ6qlaYY
3D酔いの原因と対策
視覚では自分が動いてるように見えるが、体の感覚(内耳の三半規管や耳石器など)では自分が動いてないと感じてる、という視覚と感覚が矛盾した状況になると酔うのが3D酔いです。例えば、

この画像のように、見えてる風景が左に流れてるのを体が回転してるからと錯覚してるが体の感覚では体は回転していない、という状況。
視覚で錯覚しやすい条件としては、視野内を画面が占める範囲が広い(画面が近い、画面が大きい)、目に見える動きの手がかりが画面以外に無い(部屋が暗い等)。
なので、まず「部屋を明るくして離れて見る」のが大事。
画面の映像がある程度速く流れてると酔いやすいのですが、画面から離れれば相対的に視野内に映ってる映像の流れる速度は小さくなる=遅くなりますし、視野内を画面が占める範囲を小さくできます。
3D酔い対策の筆頭、とにかく画面から離れてください。
そして部屋より画面が明るい状態の場合は、部屋より画面が目立たないよう部屋を明るくor画面の明るさを抑えてください(画面が暗すぎても問題ですが)。
周囲を見えやすくして、画面の中以外が動いてないことをわかりやすくすることで、視覚が自分が動いてると錯覚することを減らせます。
そういう意味ではテレビの背後も単一色の壁より何か見えてる方が酔い対策効果は上かも?
あとは月並みですが、
・なるべく体調が良い時にプレイする
・飲酒運転はやめる
・無理して続けない、具合が悪そうになったら一旦休む
・乗り物酔いの酔い止めも効く
等ですかね。
乗り物酔いは3D酔いと同類で、こちらも視覚と感覚の不一致で起こります。乗り物酔いの方は感覚は動きを感じてるのに視覚は動いてなく見えるという不一致ですが。バス内でスマホや本を見てると視覚では動いてなく見えて不一致が起こりやすいです、外が見える席の方がバスの動きが見えやすく視覚と感覚の不一致を減らせます。
そういえば、なんかガム噛んでると酔いが軽減する研究もありますね…飴ではダメらしいですよ…。
エアライダーのここが酔いやすい
まず、旋回の速度が速い。
普通に曲がってる時も速めですが、何よりプッシュ中の旋回がだいぶ速い。
プッシュ中は遠景が横に流れていく速度がかなりのもの。 そして3D酔いしやすい回転速度というのがあって、見ている画面の大きさや画面との距離次第で酔いやすい速度に該当してしまうことがあります。
視聴距離(画面と視聴者の距離)は、テレビメーカーが推奨している距離だと4Kテレビで画面の縦幅の1.5倍、フルHDテレビで縦幅の3倍となっています、近いと粗さが見える・遠すぎると高解像度が活かせないのでその中間の距離ですね。
エアライダーは4Kではないので、必ずしも4K推奨距離ほど近づかなくてもいいです、迫力は減りますが。

右の赤い図は、旋回中視野内の映像の横に流れる速度によってどれだけ3D酔いしやすくなるかの図です、右ほど速い・赤いほど酔いやすい。
旋回中で空などの遠景が横に流れてる時中央がどれくらいの速度で流れるかを基準にしてます。
1.5~2倍距離だとエアライダーはプッシュ中かなり酔いやすい速度ですが、3倍距離まで離れると軽減。
(なおこの図の赤い色の分布は各論文を参考にしていますが、論文によって実験結果に少しばらつきがあるので、こんな感じかなぁと各実験結果の中間になるようにしてあります。
あと遠景が横に流れる速度の測定も、この図では中央基準ですが画面全体平均を基準にするとマリカがもう少し速くなります。)
縦幅の1.5倍は結構近めですが、27インチのモニタを机に置いた状態だとわりとあり得る距離です。
それなりに多そうなのは縦幅の2~2.5倍くらい?
大型テレビほど距離が遠いので、65インチ(縦幅80.9cm)だと縦幅3倍が243cmという結構な距離になって、「ソファーの後ろでプレイ」みたいな間取りと物の配置次第な状況に。
前述した通り視野内を画面が占める範囲が広いほど酔いやすいので、画面から離れるのは視野内の画面のサイズを小さくする点でも有効です。
酔い対策機能で、視野角を最大にすると(酔い対策セットの「強め」がこれ)、景色が横に流れる速度も落ちます、視聴距離が縦幅の1.5倍の場合でどのくらい変化するかというと、

これだけ改善します。
…うーん、カーブは酔いが軽減されますが、プッシュ中の旋回は相変わらず酔いやすい水準のままですね、やはりそもそもの速度が速い…。
続いての酔いやすい所。
エアライダーでは壁やコース端にぶつかっても止まったりせず、方向もある程度補正して急激に修正できます。
初心者にありがちな、壁に向いたままなかなかコースに復帰できない状況も減ります。
無駄な停止時間が減ってテンポが良い。
ただ、3D酔いという観点だとこれも危ない。
画面内が突然高速に横に流れますが、このプレイヤーが予期しないタイミングで突然酔いやすい速度で映像が動くのがよろしくない。
「乗り物酔いで曲がる先が見えてて曲がるタイミングがわかってると酔いにくい」の逆です。
視線もつられて振られてしまう。
そしてエアライド以上の鬼門がシティトライアル。
スカイアは壁のある場所や狭い通路の通過もありますが、そういう場所は3D酔いする状況が起こりやすいです。遠景は主に旋回が映像が流れる速度に影響しますが、近景は旋回だけでなく移動も映像が流れる速度に影響してきます。
ブレーキで停止してる時はプッシュ旋回の速度が更に増します、シティトライアルだとちょくちょく使う。
加えてセンカイ取る度に上がる旋回速度…。
このように、ゲームの仕様の時点で酔いやすい要素があるため、酔い対策機能を付けても軽減しきれないケースが出てきているようです。
プッシュしてドリフトという基本動作が3D酔い要素になってしまっている。
酔い対策機能の中身

画像は酔い対策セットの3種の違い。体験会では各項目の個別設定は不可。
設定画面だと左の画面構成例に視界の広さが反映されなかったのでゲーム画面で代用してます。
画面右のバトルチャリオット(ライダーが違うのでサイズは若干違う)で見える範囲の違いを感じてください。
・視界の広さ
視野角を広くするほど、旋回した時の景色が流れていく速度が落ちるのでオススメ。
(かなり広くするとPanini Projectionで補正しないとパースがきつく歪みが大きくなって、中央部の横に流れる速度が落ちる一方端の方の流れる速度が上がってしまいますが、酔いへの影響はわからないです)
・揺れ
映像酔いでの揺れの影響の研究ってゆっくりした揺れに関するものなので、1/60秒単位の高速な揺れは酔いに影響があるのかどうかがわからないなぁ…。
高速な揺れがあると視線が固定しづらくはなるので、揺れをOFFにすればそれが無くなる分の効果はあるかも?
・グリッドや枠線
画面に映る景色が速く流れるのを見て自分が動いてるんだと錯覚するのが3D酔いの原因の一つですが、グリッドや枠線はその錯覚をしづらくなるように画面上の位置が固定された線を表示します。
部屋を明るくして画面以外は動いてないのを認識させて酔いを防止するのと同様ですね。
・センターマーク
流れる景色の動きに影響されない何らかの表示物を見続けると酔いを抑える効果があります。
例えば、FPS等で中央に固定されてる照準に視線を固定するみたいな。
ただ…エアライダーって基本的に道の先の方を見るんで、このセンターマークに視線を固定することはないんですよね。
プレイしてると表示中のセンターマークの存在すら忘れる。
なのでFPSの照準のような効果は望めないですが、一応小さいながら固定物表示ということでグリッドと同様の効果はあるかも。
最後に
これだけ酔い対策機能付けてもまだ酔う人が残ってるということは、根本的に酔いを防ぐにはエアライダーのゲーム仕様の方を変えるしかないんですかね…。
というか予め酔いやすい状況が起きにくいゲームを作る?
でもそれでは仕様が制限というかゲーム内容が制限されてしまうんだよなぁ~。
思いつきだけど高速に旋回する時だけ画面が狭まるとかどうだろう、VRゲームで見かけるアレ。

酔いやすい回転速度の時に重点的に対策。高速なほど狭める。
高速に横に流れる遠景も隠す、道の先は見せる。
周囲に動かない壁紙見せつつ(枠線と同じ効果狙い。演出的に集中線っぽい見た目とかも良さそう)、UIは表示しっぱなしにして。この画像だと見えなくなってますが。
自衛手段としてプレイヤー側が制限する手もある?旋回速度が速いライダー・マシンは使わないとか(ちなみにカービィは少し速め、ワープスターは少し遅め)。
でもシティトライアルじゃマシン制限する余裕ないよなぁ。
とりあえずプレイヤー側が採れる対策は「部屋を明るくして離れて見る」です、とにかく距離は正義。
この「部屋を~」の文言はアニメなどで光過敏性発作の防止のために注意を促す時表示されてたりしますが、画面から受ける影響を減らすという意味で映像酔い・3D酔いでも有効です。