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ソフトウェアエンジニアに必要な法律・契約のお話
- 1.
- 2.
自己紹介
● 春原 宏保 (すのはら ひろやす)
● プログラマー (Win32/Web)
● 議事録係 (最近サボり気味)
http://d.hatena.ne.jp/suno88/
●
次は PHP カンファレンス 2010 (9/24・25)
- 3.
IT 技術者と法律
● 友人・知人経由で仕事をもらうことがある
●
副業といえども仕事は仕事
●
最低限の契約関連の法律知識は必須
● IT エンジニアに必要な
法律の知識を
さわりだけでも
- 4.
- 5.
- 6.
受発注の流れ
業務委託基本契約書 契約の基本となる取り決めを
定めた文書。個々の契約の
上位に位置する。
業務委託注文書 発注ごとに定める契約を明文化
(発注書/発注請書) した文書。納期、価格、検収日
などを記す。
納品 基本契約書や注文書に記載
された方法で。
- 7.
受発注の流れ
検収書 検収が完了したことを証明する
文書。発注側が作る。
振込先、支払期日などを明記。
請求書
領収書 収入印紙も忘れずに。
- 8.
業務委託基本契約書
● 「モデル取引・契約書」(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/keiyaku/
● ただし、大規模システム開発を想定した内容
● 以下の3点は慎重に!
● 著作権
● 検収
● 瑕疵担保責任
- 9.
著作権法に見る著作権
● 第2条 10の2
プログラム 電子計算機を機能させて一の結果を得るこ
とができるようにこれに対する指令を組み合わせたもの
として表現したものをいう。
● 第2条 1項2号
著作者 著作物を創作する者をいう。
- 10.
著作権法に見る著作権
● 第15条
法人その他使用者(以下この条において「法人等」とい
う。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が
職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)
で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するもの
の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その
他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
2 法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者
が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その
作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めが
ない限り、その法人等とする。
- 11.
自分が書いたプログラムの著作権者は?
● 契約書に「別段の定め」がないと、発注者が
著作権を持つことに
● 自分で書いたコードを再利用できなくなる
●
業務委託基本契約書に「別段の定め」を
入れるべき
- 12.
コードの著作権は譲渡しない
● 以下のいずれかでコードの著作権を守る
● 著作権は自分で保有し、使用許諾契約を締結
する
● 納品物の著作権は譲渡するが、「ソースコード
及びライブラリは対象外」の一文を入れる
● ソースコードも納品する場合、ソースコード
の再販や改変、二次的著作物作成についての
条項も入れる
- 13.
検収条件
● 納品時にテスト報告書を提出
●
検収条件を明確化しておく(先手必勝)
● 機能を明文化し、「○○が行えること」などと
定量化した記述にする
● さもないと、「何だか気に入らない」で
突き返される恐れが
● 「気に入らない」部分は別途見積書を出す
●
大した手間でなければ無料対応すると心証が
よくなる :-)
- 14.
瑕疵担保責任
● 瑕疵担保期間の設定
● 検収後、半年~1年くらいが一般的
● 年次処理のあるシステムの場合、1年数ヶ月を
見込む
●
以下の項目がないと死ねる
● 開発ツールのバグは対象外
● リリース後に導入したハードウェアでの動作は
対象外
- 15.
- 16.
- 17.
契約がらみのトラブル発生!
● Part I でお話しした契約関連の話を
なおざりにして仕事をした結果、痛い目に
遭った体験談をお伝えします
● ケーススタディと反面教師として
「何事も、他人に起きている限り面白い」
──ジョージ・バーナード・ショウ
- 18.
登場人物
私 (春原) A社 (運送業)
② システム
③ システム 開発依頼
開発依頼
春原の父 B社 (事務機器リース)
① 私を紹介
- 19.
背景
● B社からの仕事は初めてではなかった
●
私が副業としてやっていることを理解して
くれていて、「春原さんの負担にしたく
ない」ということで契約書の類は一切
交わしていなかった
● 書類どころか受注金額や
納期の話もまったくない
まま開発していた
- 20.
A社の仕事が始まる
● 最初の数回は、B社の営業担当者と同席
●
そのうち、B社営業が同行しなくなり、私が
一人で直接打ち合わせに行くようになった
●
納期の話も予算の話も一切なし
● 「いつでもいいよ」くらいの勢い
三者の関係は、
法的にはどうなる?
- 21.
A社とB社と私
A社 (運送業)
業務請負契約
B社 (事務機器リース)
業務請負契約
このルートで
業務指示は 私 (春原)
出せない
(偽装請負)
- 22.
B社の杜撰な営業担当者
● システム納品を当て込んで、新しい複合機の
リースをA社に契約させた
● リース料が相場よりかなり高かった(らしい)
●
しかし、なかなかシステムが納品されない
● A社にしてみれば「騙された」と思う罠
●
A社とB社の間でシステム開発に関する
契約書はなかった
A社、キレる!
- 23.
さらに……
● B社営業担当、A社の怒りを静めるため、
独断で以下のような条件をA社に提示
「システムは無料にします」
● それを私が知ったのはかなり後になってから
●
私に開発継続の義務はあるのか?
- 24.
契約書のない契約?
● 文書としての契約書が
ない「口約束」の場合、
法的に契約として
認められるか?
●
慣習上「口約束でも
契約」と解釈される
● ただし、どこまで作れば「作った」ことに
なるかについては、合意がないものと
みなされる
- 25.
記録はしっかり取ろう
● 契約書にない内容について「言った」
「言わない」の議論になった場合、裁判では
言わなかったことになるケースが多い
● 議事録重要。必ず相手に承認印をもらう
●
話し合いの内容を録音する
のもひとつの手段
● ただし、録音する際は録音
する旨をあらかじめ伝えて
おくほうがよい
- 26.
三者交えての話し合い
●
200x年10月、A社曰く……
● 翌年の3月末までに完成品を納品しろ
● B社がリースで持ってきたPCと複合機は持って
帰れ。あんなに高くて低機能なモノは要らん。
契約期間? 知らんがな
● 翌年4月1日にシステムが稼働していなかったら
B社は違約金として100万円払え
- 27.
まるで下請けいじめの偽装請負
● A社「この機能も付くって言ったよね?」
●
私「『付けられる』とは言ったが、第二次
開発で実装するという提案をしたはず」
●
A社「そんな話は聞いていない。この機能が
付かなければ発注した意味がない。いいから
作れ」
→で、帳票印刷機能が4つ上乗せになるなど
- 28.
逃げるB社、追い込まれる私
● B社は……
● この期に及んでも、私が作っているのが何を
するシステムなのかをまったく理解していない
● 3/31に検収書に印鑑を押してもらうように
言っても、のらりくらりとかわされる
● 「アンタのおかげでこっちは修羅場なんだ。検収
印をもらわなければ4月以降もいいようにただ働き
させられるんだぞ!」と電話口で怒鳴り飛ばした私
- 29.
A社との顛末
● A社「年度末に間に合うかい? 間に合わな
かったら、大変なことになるよ」と恫喝
● 勝手に納期を切ったクセに、業務が忙しい
からと仕様を伝えてこない
●
打ち合わせの議事録にも承認印を押さない
●
契約関係が曖昧で、私も強気に出られない
● 3/31にバグ発覚→「はい、ご苦労さん。
B社さん、明日100万円持っておいで」
- 30.
私のB社対策
● 複数の弁護士に相談
● 今回の件が偽装請負であることは明らか
● 口約束の契約内容から鑑みて、私が責任を
負うべき範囲は全うしたと判断
● 私はA社に対する一切の義務はない
● B社が何か言ってきたら、法廷で争う構え
- 31.
B社から連絡キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
● B社社長から父に「100万円払って」の電話
●
二度目の電話では何故か80万円に
●
B社営業担当は最後まで逃げ、謝罪せず
● どころか、「春原さんがもっと早く納品しさえ
すれば……」とすべての責任を私に向ける
● 契約書を作らないのは、私に責任を取らせない
ようにするためじゃなかったっけ……?
- 32.
B社との顛末
● 父「その100万なり80万なりの根拠を提示
しろ。話はそれからだ」
● B社、それ以来音沙汰なしで
1年経過
● 請求権は1年で時効
● この件、終了
- 33.
この件での教訓
● ビジネスでは契約書が
すべてのベース。相手の
甘言を鵜呑みにせず、
契約という名の防具を
身につけるのは最低限の
常識
●
曖昧な点は早めに白黒つけておく
●
自分を安売りしない。正当な対価を要求する
● 条件が飲めなかったら、手を引くことも大切
- 34.
君、自分を安売りすることなかれ
● 「気をつけよう、甘い言葉と暗い道」
●
ダメな仕事を受けないためのNGワード
(おごちゃんの雑文)
http://www.nurs.or.jp/~ogochan/essay/archives/2906
● 「レベニューシェアで」
● 「今回は予算があまりないので小額になります
が、次回はしっかり払いますので」
● 「後でちゃんと払いますので、すぐ着手して」
● などなど……
- 35.
- 36.
- 37.
日本は法治国家
● 何かあった時に自分を守ってくれるのは法律
●
法律はビジネスの潤滑油
● 経営者でなくとも、契約や取引に関する部分は
知っておきたい
- 38.
法律も知らずに世界を変えるって?
● ITエンジニア(特にWeb系の人たち)は好んで言う
● コードだけが世界を変える
● レガシーなビジネスは死すべき
● スーツ爆発しろ!
● 世界を変えるためには、今の世界のルールを
知らないとダメ
● 今の自分が法律に守られていることを知って
ほしい
- 39.
まとめのまとめ
● 「ITエンジニアだから」なんて自分の視野を
狭めず、いろいろな事象に興味を持とう
● 理論武装は身を助く
●
会社勤めの方は、面倒な法的手続きを会社が
全部やってくれていることに感謝しよう
●
「Part II」の内容が皆さんの役に立つ日が
永遠に来ないことを祈ります
- 40.