ロンドン・ファッション・ウイークを取材すると、まだ日本ではあまり知られていないような若手ブランドであっても、その周囲に生まれているコミュニティーの熱量に驚かされる。ロンドンはいつの時代もそうだったのかもしれない。でも、小さな単位の“熱”が同時多発的に存在し、一つのトレンドに収れんしない状態は、今のファッション産業の縮図のようにも映る。(この記事は「WWDJAPAN」2026年1月19日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
そこで熱狂する人々が求めているのは、モノとしてのファッションではない。服はあくまで入り口であり、空間や感情、つながりといった非物質的な部分に価値を見いだしている。ロンドンのコンセプトショップ「マシーンA(MACHINE-A)」の創業者で、若手の目利きとして知られるスタブロス・カレリス(Stavros Karelis)は、「今の消費者は、ブランドやデザイナーに対して感情的なつながりを求める。モノを買うことは、『このデザイナーと一緒に成長していきたい』という関係性への投資のようなもの」と分析する。「感情的なつながりは、デザイナーの世界観や、何を信じ、何を大切にしているのかを理解することで初めて生まれるものだ」とも言う。つまり、モノが過剰にあふれる時代において人々が求めているのは、所有ではなく、帰属や思想への共鳴。 SNSでいかようにもつながれる時代における、より手触りのあるつながり。ファッションの良しあしを決める物差しが今、極めて感情的なものになっている。
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