本を出すとだいたい「なんでこの本書いたの?」と訊かれる。 だから書いておこうと思う。 ある方から「本屋の歴史についての本、どうですか?」と振られて調べ始めたのがきっかけだった。 実は書店の歴史の本、とくに戦後の書店に絞った新書は意外と類書がない、と。 ただ出版業界についての本や「本屋についての本」はたくさん出ているのに自分が今さら何か書くことあるのか? と思って、引き受けるより前に少し下調べをすることにした。 その過程で『日書連五十五年史』や『全国小売書店経営実態調査報告書』などの書店組合の史料と出会って「(本の企画として)いけるな」と思い始めた。 出版社団体である書協・雑協の年史や取次団体である取協や日販、トーハンの社史を読んでも、勉強にはなるものの、別に生々しい肉声は書かれていない。こう言ってはなんだが、上澄みのきれいごとが書いてある。 ところが日書連の年史や調査報告書、全国の書店組合