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自分の内に、ぷつぷつと湧く疑問の泡
......かけ、乱暴に引き裂いた。そこから覗く太腿に、ペン型の注射器を押し付ける。これが解毒剤なのかどうか。皮下注射で良いのかどうか。そもそも、間に合うのかどうか。七尾は自分の内に、ぷつぷつと湧く疑問の泡から、不安の粒から、目を逸らす。 太腿に刺さった注射の針は、覚悟していたよりも痛まなかった。しばらく押さえ、それから器具を離す。立ち上がった。心なしか鼓動が激し......
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon関連カテ疑問・不思議に思う
疑問が雲のごとく沸き起こる
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疑問がひらっとしたが
......はないから、でも筋肉の下に入れたほうがいいかなって思ってあたしは筋肉の下に入れるつもりでおるの」と云い、「はあ」とわたしはうなずき、ばれる、ばれない、誰に。という疑問がひらっとしたが、わたしはなんや、以前にも胸のことについて女の人と話したこと、そういえばあったなあと巻子の話の裏っかわでぼんやりとして、最近はこのように、話したか聞いたかした内......
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon関連カテ疑問・不思議に思う
頭の中で疑問符が乱舞する
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「不思議です事ねえ」と細君は帰天斎正一の手品でも見物しているように感嘆する
......つぶして見せる。潰れた帽子は麺棒で延した蕎麦のように平たくなる。それを片端から蓆でも巻くごとくぐるぐる畳む。「どうですこの通り」と丸めた帽子を懐中へ入れて見せる。「不思議です事ねえ」と細君は帰天斎正一の手品でも見物しているように感嘆すると、迷亭もその気になったものと見えて、右から懐中に収めた帽子をわざと左の袖口から引っ張り出して「どこにも傷はありません」と元のごとくに直して、人さし指の先へ釜の......
頭の上にクエスチョンマークが飛び交う
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この情死事件は、汚職事件に関連してちょっと新聞を騒がしただけで、彼の頭上をすうっと通過した。あまりになめらかな通過であった。情死という平凡さに、すぐ答が出たのか、途中の運算がない。答が出る前の手数が、どこかにはぶかれているような空隙を感じるのだ──。
......までも気分がはれないように思えた。「よし、これは誰にも言わずに、一人で調べてみよう」 と、彼はつぶやいた。そう決心すると、今まで気重かった心が妙に軽くなった。 この情死事件は、汚職事件に関連してちょっと新聞を騒がしただけで、彼の頭上をすうっと通過した。あまりになめらかな通過であった。情死という平凡さに、すぐ答が出たのか、途中の運算がない。答が出る前の手数が、どこかにはぶかれているような空隙を感じるのだ──。 重太郎は、心中死体のあった香椎海岸の現場に、もう一度行ってみようと思い立った。 彼は市内電車を箱崎で降り、和白行の西鉄電車に乗りかえた。香椎に行くには、汽車の......
疑問が頭にまとわりついて離れない
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ミス・プラットの話しぶりに何か暗示らしいものがあるのを感じ
......頃始終佃さんと御一緒ですって? そうですか」 と訊ねた。伸子はそうだと答えた。 「佃さんは以前高崎さんにも大層親切にして、一緒にいろいろしていらしったようですよ」 ミス・プラットの話しぶりに何か暗示らしいものがあるのを感じ、伸子は単純に答えた。 「そうでございましたって。――彼からききました」 「元――西部の大学にいた時にも、何か婦人のことで面白くない事件があったんですってね――まあ......
宮本百合子 / 伸子 青空文庫関連カテ疑問・不思議に思う
復一は「はてな」と思った。
......の重点を都合よくすいすい置き換え、真の意味の逞ましさを知らん顔をして働かして行く、非現実的でありながら「生命」そのものである姿をつくづく金魚に見るようになった。復一は「はてな」と思った。彼は子供のときから青年期まで金魚屋に育って、金魚は朝、昼、晩、見飽きるほど見たのだが、蛍の屑ほどにも思わなかった。小さいかっぱ虫に鈍くも腹に穴を開けられて、青み......
岡本かの子 / 金魚撩乱 青空文庫関連カテ疑問・不思議に思う
私の、声にならない声はどんどん大きく疑問をふくらませていった。なぜだろう? なぜ見つけた? 私でさえこれがあったことすら忘れていたのに。
......話し続けたが、私はその時、ある感慨にとらわれていてすでに彼の声は耳に入っていなかった。〝同調した。もしくは読みとった〟 そうしている間にもテープはどんどん進み、私の、声にならない声はどんどん大きく疑問をふくらませていった。なぜだろう? なぜ見つけた? 私でさえこれがあったことすら忘れていたのに。 その後、私の心に起こった微妙な選択の波、幾千もの思いに満ちた決断の断層をうまく表現できるだろうか。いけない、今止めればごまかせるというこころと、この本といい、......
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon関連カテ疑問・不思議に思う
「いったい何者なんだ、この会社は」 いましも胸に込み上げてきた疑問を財前は口にした。
......名付けたプロジェクトを推進してきた。今回の新型エンジン開発はその目玉であり、大型ロケットの打ち上げで国際競争をリードするための絶対条件といっていい。なのに──。「いったい何者なんだ、この会社は」 いましも胸に込み上げてきた疑問を財前は口にした。 帝国重工の技術力はいうまでもなく日本の、いや、世界のトップクラスだ。大学の研究室や、他の大企業の研究所ならいざ知らず、まさかこんな中小企業に先を越されるとは。......
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon関連カテ疑問・不思議に思う
(疑問は)沼にうかんでくるどす汚い水泡のように意識に浮びあがってきた。
......故、ユダを最後は突き放されたのだろう。ユダが血の畠で首をくくり、永遠に闇に沈んでいくままに棄てておかれたのか。 それらの疑問は神学校の時も、司祭になってからも、沼にうかんでくるどす汚い水泡のように意識に浮びあがってきた。そのたびごとに彼はまるでその水泡が彼の信仰に影を落すもののように考えまいとした。だが今は、もう追い払うことのできぬ切実さで迫ってきている。 司祭は首をふって溜息......
あれっと思って目を 瞬く
......の液体石けんで手を洗い、さあ、次は授乳だ、と寝室に戻って咲良を抱き上げたところで、一本調子の泣き声が少しも止む気配なく遠くから響き続けていることを不思議に思う。あれっと思って目を瞬くと、目の前に咲良の真っ赤になった泣き顔が飛び込んでくる。今オムツを替え、手を洗ったのは、立ったまま寝ぼけた自分が見た夢だったことに気づく。ああ、あとは授乳するだ......
辻村深月 / 君本家の誘拐「鍵のない夢を見る (文春文庫)」に収録 amazon関連カテ疑問・不思議に思うまばたき