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針金で支えられたカーネーションをコップに投げ入れたみたいな、女学生くさいリリシズム
太宰 治 / 津軽 amazon関連カテ美術品 ・ 芸術作品
石像は、今にも動き出しそうなほど生き生きと見える
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生々しい絵具を投げつけたような、わけのわからない絵
林 芙美子 / 茶色の目「林芙美子全集〈第15巻〉茶色の目 (1952年)」に収録 amazon関連カテ美術品 ・ 芸術作品
見事な色彩が施された壁画
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(名作)作品を見るもののすべてを魔法の渦のように自分の世界にひきずりこむのです。
(下手な絵)額縁に負けている絵
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本物の画家が描く絵は祈りにも似ている
......。野心はあっても一番大切なものを見失わない。そういう画家だよ。洞窟にこもり、誰に見せるわけでもなく巨人の絵を描いたゴヤのような、そういった画家が私は好きなんだ。本物の画家が描く絵は祈りにも似ている」「画家が祈るか?」「たぶん絵というのは、紙に殴りつけた祈りだよ」佐々岡は言った。「十年も勤めていてこう言うのも何だが、私は絵を投資の素材として扱うことにうんざ......
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon関連カテ美術品 ・ 芸術作品
(絵)この大胆な構図
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紫黒色の紙に金絵具で、右上から左下へ波紋を作って流れて行く水が描いてあるが、非常に優雅な筆致に見えた。私はその青暗い平面に浮き出している夢のような、又は細い煙のような柔らかい金線の美しい渦巻きに魅せられ
......しかし私も丁度そんなような聯想を頭に浮かめていたところだったので、格別驚きもせずにうなずいた。 象牙の篦を結び付けた暗褐色の紐を解いて巻物をすこしばかり開くと、紫黒色の紙に金絵具で、右上から左下へ波紋を作って流れて行く水が描いてあるが、非常に優雅な筆致に見えた。私はその青暗い平面に浮き出している夢のような、又は細い煙のような柔らかい金線の美しい渦巻きに魅せられながら、何の気もなくズルズルと右から左へ巻物を拡げて行ったのであったが……やがて眼の前に白い紙が五寸ばかりズイとあらわれると、私は思わず…… 「……アッ……」 と......
夢野久作 / ドグラ・マグラ 青空文庫関連カテ美術品 ・ 芸術作品
芸術は人間の渇仰の極致を表わしたものだと思います
......はもったい振って、東風君に訓戒じみた説教をしたのはよかったが、東風君は禅宗のぜの字も知らない男だから頓と感心したようすもなく 「へえ、そうかも知れませんが、やはり芸術は人間の渇仰の極致を表わしたものだと思いますから、どうしてもこれを捨てる訳には参りません」 「捨てる訳に行かなければ、お望み通り僕のヴァイオリン談をして聞かせる事にしよう、で今話す通りの次第だから僕もヴァ......
夏目漱石 / 吾輩は猫である 青空文庫関連カテ美術品 ・ 芸術作品
私は一目見て驚かずにはいられなかった。少しの修練も経てはいないし幼稚な技巧ではあったけれども、その中には不思議に力がこもっていてそれがすぐ私を襲った
......私の顔を見つめた。明らさまに言うと、その時私は君をいやに高慢ちきな若者だと思った。そして君のほうには顔も向けないで、よんどころなくさし出された絵を取り上げて見た。 私は一目見て驚かずにはいられなかった。少しの修練も経てはいないし幼稚な技巧ではあったけれども、その中には不思議に力がこもっていてそれがすぐ私を襲ったからだ。私は画面から目を放してもう一度君を見直さないではいられなくなった。で、そうした。その時、君は不安らしいそのくせ意地っぱりな目つきをして、やはり私を見続け......
今でも私の心の底にまざまざと残っている一枚がある。それは八号の風景にかかれたもので、軽川あたりの泥炭地を写したと覚しい晩秋の風景画だった。荒涼と見渡す限りに連なった地平線の低い葦原を一面におおうた霙雲のすきまから午後の日がかすかに漏れて、それが、草の中からたった二本ひょろひょろと生い伸びた白樺の白い樹皮を力弱く照らしていた。単色を含んで来た筆の穂が不器用に画布にたたきつけられて、そのままけし飛んだような手荒な筆触で、自然の中には決して存在しないと言われる純白の色さえ他の色と練り合わされずに、そのままべとりとなすり付けてあったりしたが、それでもじっと見ていると、そこには作者の鋭敏な色感が存分にうかがわれた。そればかりか、その絵が与える全体の効果にもしっかりとまとまった気分が行き渡っていた。悒鬱――十六七の少年には哺めそうもない重い悒鬱を、見る者はすぐ感ずる事ができた。
......れたのだった。それは私の心が美しかったからではない。君の絵がなんといっても君自身に対する私の反感に打ち勝って私に迫っていたからだ。 君がその時持って来た絵の中で今でも私の心の底にまざまざと残っている一枚がある。それは八号の風景にかかれたもので、軽川あたりの泥炭地を写したと覚しい晩秋の風景画だった。荒涼と見渡す限りに連なった地平線の低い葦原を一面におおうた霙雲のすきまから午後の日がかすかに漏れて、それが、草の中からたった二本ひょろひょろと生い伸びた白樺の白い樹皮を力弱く照らしていた。単色を含んで来た筆の穂が不器用に画布にたたきつけられて、そのままけし飛んだような手荒な筆触で、自然の中には決して存在しないと言われる純白の色さえ他の色と練り合わされずに、そのままべとりとなすり付けてあったりしたが、それでもじっと見ていると、そこには作者の鋭敏な色感が存分にうかがわれた。そればかりか、その絵が与える全体の効果にもしっかりとまとまった気分が行き渡っていた。悒鬱――十六七の少年には哺めそうもない重い悒鬱を、見る者はすぐ感ずる事ができた。 「たいへんいいじゃありませんか」 絵に対して素直になった私の心は、私にこう言わさないではおかなかった。 それを聞くと君は心持ち顔を赤くした――と私は思った......
抽象画は悪くいえば誤魔化しが利く。たしかなデッサン力を持っていなくとも腕が分らない
......た。「あれは遠屋先生の一代のミスでしたね。いや、こちらも悪かったが、遠屋先生に云われてみると、神様のご託宣を聞いたみたいに、こっちも胸がふくらみましたからね」 抽象画は悪くいえば誤魔化しが利く。たしかなデッサン力を持っていなくとも腕が分らないというのである。主人は、店に飾ってある古い画家の絵の前に都久井をつれて行った。「この人なんかは」 薔薇を描いた画面を指した。「具象で進んでいれば、いまごろはとっ......
松本 清張 / 美の虚像「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon関連カテ美術品 ・ 芸術作品絵を描く
芸術という正体の掴み難いもの
......なかった。木の芽のような軟い心と、火のような激情の性質をもった超現実的な娘が、これほど大きくなったむす子を持つまでに、この世に成長したのは不思議である。そして、芸術という正体の掴み難いものに、娘時代同様、日夜、蚕が桑を食むように噛み入っている。 逸作には、人間の好みとか意志とかいうもの以上に、一族に流れている無形な逞しいものが、かの女を一族の最後......
岡本かの子 / 母子叙情 青空文庫関連カテ美術品 ・ 芸術作品
(陶器)一点の瑕なく彫琢の巧緻染付の豪華絢麗なこと、大川内の山、開いてこの方、かつて見ない色鍋島の神品。
......となる日、彼の持窯――黒髪山の御用窯も破壊された。破壊された中から生れた物があった。それは太守も、刈屋頼母も、まったく望みを絶っていた、増長天王の陶器像。しかも一点の瑕なく彫琢の巧緻染付の豪華絢麗なこと、大川内の山、開いてこの方、かつて見ない色鍋島の神品。さらに、焼きの上がりも無類であった。 鍋島肥前守は、山役人から、その欣ばしい報らせをうけると、直ちに、久米一助命の急使を走らせた。 急使は刑場へ間に合ってついた......
吉川英治 / 増長天王 青空文庫関連カテ美術品 ・ 芸術作品
(冬の公園の銅像)貴方も私も寒そうだ。
......銅像も浪人戦争の遺物だ。貴方と私は同じ郷里なのですよ。鹿児島が恋しいとはお思いになりませんか。霧島山が、桜島が、城山が、熱いお茶にカルカンの甘味しい頃ですね。 貴方も私も寒そうだ。 貴方も私も貧乏だ。 昼から工場に出る。生きるは辛し。 (十二月×日) 昨夜、机の引き出しに入れてあった松田さんの心づくし。払えばいいのだ、借りておこうかしら、弱......
(マチスの美術館)私はその静かな空間にあふれる色彩を見て、マチスの心のかけらを永遠に体と心に写し取ったような気さえした。
......がたくさんいて、ニースの近くにあるマチスの美術館はただで、空いていた。 すばらしいものがただで空いている、ということ自体が、東京ではなにごとにもまずありえない。私はその静かな空間にあふれる色彩を見て、マチスの心のかけらを永遠に体と心に写し取ったような気さえした。 そして、ベリーズのマスターは帰ってきて、前とは別の所に、レゲエバー・ベリーズをオープンした。昔のように気分によって音楽をかけかえたりせず、ひたすらレゲエばっか......
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon関連カテ美術品 ・ 芸術作品
この絵の前に何時間でも立っていたい、そんな気分にさせてくれる絵でした。
......く伯母に、「そうね」と相槌を打っていたのですが、一枚だけ作風の違うものがあり、強く胸を打たれたのです。色調が暗く、繊細なタッチで描かれているのに、どこか温かい、この絵の前に何時間でも立っていたい、そんな気分にさせてくれる絵でした。そして、その絵が、和弥さんの設計した建物の中に展示されている様子が違和感なく想像できるのです。「確か、月がつく題名だったと思うんだけど。ごめんなさい。素人なのに......
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 amazon関連カテ美術品 ・ 芸術作品
絵の中では、少年がヴァイオリンを膝に抱いてじっと見つめている。無味乾燥の、つまらない絵だ。
......っていた。 男は数十枚束になった図版を敏郎の前に提示して「頭に浮ぶことを話せ」と言う。手にはストップ・ウォッチを握っていた。「さあ、どうですか、この絵を見て」 絵の中では、少年がヴァイオリンを膝に抱いてじっと見つめている。無味乾燥の、つまらない絵だ。敏郎はしばらく考えて答えた。「この少年は、父親にヴァイオリンを買ってもらったが、弾き方がわからない。もっと他のものを買ってもらえばよかったと思って悩んでいるとこ......
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon関連カテ美術品 ・ 芸術作品
(海辺の風景が描かれたキャンバス)窓から差し込む光が青い油絵の具の上で揺れると、光が反射してかすかに本物の水面のように見える瞬間があった。
......行った。がらんとした教室の壁に数点ほど学生の絵が展示されていて、その中でも一番大きなキャンバスに海辺の風景が描かれていた。モチーフはちょっと平凡な感じがしたが、窓から差し込む光が青い油絵の具の上で揺れると、光が反射してかすかに本物の水面のように見える瞬間があった。 小野君がとなりでぼそっと「来年の夏になったら、一緒に海に行きたいな」 そうだね、と私も言った。 夕方になってから小野君のアパートに戻った。彼が部屋の明かりを点......