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イランで拡大した「反体制デモ」、背景には経済苦以外の要因も。アメリカは軍事介入を示唆、イスラエルの工作疑惑も浮上。緊迫する情勢の行方は

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2026年1月15日、イランの首都テヘランで反政府デモにより放火されたバス(写真:AFP=時事)
イランでの「反体制デモ」は、政府による弾圧により2000~3000人の死者が出ていると報じられている。ここまで大規模になった背景や、今後の情勢の行方について、日本エネルギー経済研究所中東研究センターの坂梨祥(さかなし・さち)センター長に聞いた。

きっかけは深刻な経済危機

――今回、イランで抗議活動が拡大した背景には何があるのでしょうか?

直接的なきっかけは、現地通貨であるリアルの急落による深刻な経済危機だ。物価高騰に直面した輸入業者や商店主らの不満が爆発し、2025年12月末から抗議活動が始まった。

そもそもイランでは、長年の経済制裁によって生活が維持できず、中産階級から貧困層に脱落する人たちも増えていた。

しかし今回の背景には、経済以外の要因もある。それは、近年の体制に対する国民の不満だ。22年の「ヒジャブ(スカーフ)」をめぐる大規模なデモ以降、体制による社会的制約に対する反発は収まったわけではなかった。

さらに25年6月にイランは、イスラエルによる軍事攻撃も受けた。「国民生活の安定を、今の体制が守れていないのでは」という不満が国民の間で高まった結果、経済活動に関するデモが、反体制デモへとつながったと考えられる。

――当初イラン政府は、国民に給付金を配ると発表するなど、抗議活動と向き合う姿勢を見せていました。弾圧を強めた理由は。

政府が警戒しているのは、海外勢力の介入だ。とくに1979年のイスラム革命で追放された国王モハンマド・レザー・パフラヴィー(1919~80年)の息子で、現在はアメリカに住んでいるクロシュ・レザー・パフラヴィー(1960年~)がSNSを通じてイラン国民に対しデモを呼びかけたことだ。これに呼応する形で多くの人たちがデモに参加し、体制に危機感を与えた。

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