2026年1月19日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年1月19日

 リチャード・ハースが2025年を振り返り、2025年12月29日付 Project Syndicate に「バランスを崩した米国と世界」との論説を書いている。

(Oleg Nikishin ・特派員/Amy Sparwasser/Bill Chizek/gettyimages)

 2025年、米国内では、長期の政府閉鎖、38兆ドルを超える国家債務、AIが生み出す経済成長での失業と格差とインフレ、政治暴力、不法移民の強制送還と南部国境閉鎖、ロサンゼルス等への州兵派遣、大学や多様性への攻撃、大規模輸入関税、国際開発庁(USAID)を含む公的雇用の削減、科学研究への予算削減等が行われた。

 外交政策上は、米国はイランの核施設をイスラエルと共に攻撃し、ガザでは不安定な停戦、ウクライナ戦争の和平提案は失敗、米ロの接近と欧州を遠ざけることをもたらした。米国の軍事力はベネズエラ近くに展開され、麻薬を運んでいるとされた20隻以上の船舶が攻撃された。カナダ、グリーンランド、パナマ、コロンビアの主権はトランプに脅かされた。

 米国は世界保健機関(WHO)と気候変動と戦う世界的努力から脱退した。民主主義と人権を推進する努力はほぼ消滅した。

 結果、2025年、国内でも外国でも大きな力の不均衡が現れた。国内では第2期トランプ政権は行政権の優越で際立った。トランプは、独立した判断をすべき公務員を解雇したり、その意思を曲げさせたり、政治的な敵と考えた人に法的報復を加えた。大きな舞踏場のためにホワイトハウスの東翼を突然ブルドーザーで壊したこと、ケネディ・センターの突然の名称変更は正当な手続と礼儀を拒否した象徴である。


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