衆院選で注目されている『食料品の消費税ゼロ』。もし実現すれば、影響を大きく受ける可能性があるのが飲食店だ。福岡の人気食堂を取材した。
「消費税ゼロになっても飲食店は厳しい」
福岡市中央区の『六本松食堂』。「ボリュームもすごくて味も丁寧でおいしい」とランチタイムには、種類豊富な日替わり定食を目当てに多くの客が訪れる。

店の一番のおすすめは、特大鶏の唐揚げ定食。鶏肉600g分の特大唐揚げに好きな量を食べられる小鉢2皿と、大盛無料のご飯、味噌汁がついて税込みは1100円(1日限定10食)。

『六本松食堂』の野田浩一さんは「物価高のなか、大変ですけど、お客さんのために続けています」と話す。食材は満遍なく高くなっているが、野田さんは「値上げは考えてないですね、そのために来るお客さんがいるから」と話す。

今回の衆院選で多くの政党が掲げている『食料品の消費税ゼロ』について不安が高まっていると話す野田さん。「消費税ゼロになっても飲食店は厳しいのではないか。客がスーパーに惣菜や弁当を買いに行って、飲食店に来なくなるのはちょっと…」と表情も曇る。

もし『食料品の消費税ゼロ』が実現すると現在、スーパーやコンビニなどで惣菜や弁当を買うときに適用されている8%の軽減税率は「ゼロ」になる。しかし『外食』の消費税は対象とならず10%のままとなる可能性があり”外食控え”が起こるのでは、と野田さんは心配しているのだ。

消費税が8%と10%の差から、0%と10%の差に広がれば、影響は全然、違うと話す野田さん。「ランチ時には客が来てくれると思うが、夜の営業になると減るんじゃないか」と危惧する。

さらに「仕入れの値段が分からない。業者と話して見積り出してもらって、消費税分を業者が下げるなら、下げる。変えないなら、変わらない」という。

仕入れる食材の値段は業者が決めるため、税率8%がゼロになったとしても『価格』が下がるかどうかは分からないというのだ。
「どうなるのか…どう転ぶのか…」
東京商工リサーチによると、2025年の飲食業の倒産件数は1002件。1996年以降、初めて1000件を超え、過去30年で最多となった。倒産の第一の理由は”物価高”だ。

「やっぱりどんどん潰れて…、うちの店もいつどうなるか分からない。するなら消費なしにして10%もなしにしたら飲食店にとっていい。今回の議論は飲食店にとっては大きいと思う。どうなるのか…、どう転ぶのか…」と野田さんは天を仰いだ。
(テレビ西日本)
