新型コロナウイルスの感染者が世界で1億人を超えた。しかし、世界のワクチン接種率はまだ1%程度。来月下旬からは日本でも接種が始まる中、先行する各国では、工夫を凝らして接種拡大に取り組んでいる。(カイロ・蜘手美鶴、ロンドン・藤沢有哉、ワシントン・白石亘、北京・坪井千隼、モスクワ・小柳悠志)
◆世界最速支える保険制度
英オックスフォード大の研究者らによる統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、29日現在で世界のワクチン投与数は約8200万回。米中英の3カ国で7割弱を占める。世界の約78億人に行き渡るには程遠い。
人口あたりの接種数1位はイスラエルだ。保健省によると26日時点で人口の3割が1回目の接種を終了。うち半数は2回目も終えた。
世界最速のペースを支えるのが国民皆保険制度だ。医療保険組織「健康維持機構」(HMO)が、全国民の既往歴や持病などを電子データ化。優先順位の決定や連絡が素早く行われ、接種数を引き上げている。
米ファイザー社とは接種者の副反応(副作用)情報などを提供する代わりに、優先的なワクチン供給で合意。ユダヤ教で仕事が禁じられる安息日にも接種を行うなど、工夫を凝らす。
◆英国はボランティア養成
変異種の急拡大で死者数が10万人を突破した英国は、国民の一割強が1回目の接種を終えた。昨年12月8日に世界で最初に認可ワクチンの接種を開始。その後ファイザー社ベルギー工場の設備改良などで供給に遅れが出たが、政府は「まだ順調に進んでいる」と強調する。
イングランドでは、接種を行う人材不足が事前に懸念されたため、所定の訓練を受けたボランティアを約8万人養成。英統計局が今月、英本土の成人を対象に行った調査によると、89%が接種を受ける意向を表明。ワクチンへの期待が強まっている。
感染者数が世界最多の米国。トランプ前政権は12月末までに2000万人の接種を目指したが、達成は1カ月遅れた。バイデン政権は就任100日間で最低1億回、夏までに全国民の接種を目指す。
ただ...
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