人々は医療以前の問題で苦しんでいたしかし中村の訴えも虚しく、アメリカのブッシュ大統領は、飢餓にあえぐ世界の最貧国に爆弾の雨を降らせることを選んだ。日本の小泉純一郎首相は、ブッシュの無意味で残虐な暴力を、いち早く支持した。 思えば、谷津賢二はこの3年前(1998年)に、すでに中村に出会っていた。そしてその後21年間、中村が凶弾に倒れるまで、彼の活動を記録し続けていたのだ。 その間、谷津はアフガニスタンに25回入国し、現地滞在は450日を超え、1000時間に及ぶ映像素材を撮影したという。「荒野に希望の灯をともす」は、中村が人生をかけて打ち込んだ活動を、谷津が人生をかけて記録し構築した、珠玉の映画なのである。 本作の前半、アフガニスタンで診療活動をする中村は、ひとつの重大な事実に気づく。 それは、診療所を訪れる人々が直面している根本的な問題は、干ばつによる飢餓と貧困だということ。干ばつのせいで農

