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蚕が桑を食べている音が四六時中雨のようにしている家
小川国夫 / 小川国夫作品集〈第2巻〉(里にしあれば) amazon関連カテ家の佇まい・外観
板を張り合わせかろうじて風を塞いでいるようなあばら家
関連カテ家の佇まい・外観
周りの自然によく調和した古びた家
関連カテ家の佇まい・外観
ちまちまとしたペンションのようなカラフルな家
小池 真理子 / やさしい夜の殺意 amazon関連カテ家の佇まい・外観
大きな台風が来たら屋根が飛んでしまいそうな危なっかしい造りの家
関連カテ家の佇まい・外観
やくような日の下に、渦を捲いて狂い出しそうな瓦の色
これといって特徴のないごく普通の建売住宅
関連カテ家の佇まい・外観
傘を半すぼめにしてその中へくぐりこんだみたいな格好の家
水上 勉 / 越前竹人形 (1980年) amazon関連カテ家の佇まい・外観
百坪ほどの敷地に建てられた、これといって特色のない家
関連カテ家の佇まい・外観
生垣に黄色い花をつけた南瓜の蔓の這っている家
黒井 千次 / 春の道標 amazon関連カテ家の佇まい・外観
十五坪弱の敷地に無理やり建てたスリムな三階建て
関連カテ家の佇まい・外観
家がちんまりと緑にもぐって建っている
中島 みゆき / 泣かないで・女歌(おんなうた) amazon関連カテ家の佇まい・外観
煙突がついていて、小さなポーチがある、窓にはギンガム・チェックのカーテンがかかっている。要するにけっこうフレンドリーな外観。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon関連カテ家の佇まい・外観
周囲の洋風な新しい家々とは違って、にな川の家は平屋の古い造りだった。鉄の門の向こうにはぬれぬれとした石畳が続いており、玄関の戸は引き戸で小さい。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon関連カテ家の佇まい・外観
千代紙細工のような、不思議な書院造りだった。
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観
地面に這いつくばるように立っている沼田の小さい家は、黄色く灯をともしていた。
地べたにへばりついたようなトンネル長屋
徳永 直 / 太陽のない街 amazon関連カテ家の佇まい・外観
自宅は豪華と言えるものでもなかった。どちらかと言えば地味で、町内に埋もれてしまうタイプの一軒家だった。
......たと言って良かった。「な、何を」 京子は、青山の顔を見ながら、本心を探る。「まあいいわ。とりあえずあなたの家に入って、これからの段取りを決めましょうか」 青山の自宅は豪華と言えるものでもなかった。どちらかと言えば地味で、町内に埋もれてしまうタイプの一軒家だった。プロのサッカー選手の中には、サッカーができれば幸せだという者も多い。青山はその典型だった。待遇が悪かろうと、選手としてフィールドに立てるのであれば、どんなチーム......
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon関連カテ家の佇まい・外観
樅の木に囲まれた表札も何もない家
......い出したので、私は思わず胸を躍らせて老先生の顔を見た。老先生もマジマジと私の顔を見ておられたが、 「誰にも知れないようにするんだよ。家は笄町の神道本局の筋向うだ。樅の木に囲まれた表札も何もない家だ」と眼をしばたたかれた。 私は鳥打に紺飛白、小倉袴、コール天の足袋、黒の釣鐘マントに朴歯の足駄といういでたちでお菓子らしい包みを平らに抱えながら高林家のカブ......
夢野久作 / あやかしの鼓 青空文庫関連カテ家の佇まい・外観
おやかたさんの家は、川から少し離れた高台に、山を背にして生えていた。まさに「生える」と言うにふさわしい、古くて重厚な日本家屋だ。
......冷たい風が、山から吹き下りてくる。道の隅には雪が溶け残っていた。俺たちのほかには、だれも歩いていない。ただでさえ人口密度が低いうえに、昼どきだったせいだろう。 おやかたさんの家は、川から少し離れた高台に、山を背にして生えていた。まさに「生える」と言うにふさわしい、古くて重厚な日本家屋だ。やたらと広い前庭には、粒のそろった白い砂利が敷きつめられている。その一角に、一枚板のテーブルとベンチが置いてあった。大勢でバーベキューができそうなぐらい、でかい......
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観
村田家は街道からはちょっと引っこんでいて、前庭が広くて母屋と蔵がある、典型的な農家のつくりだった。
......江戸時代には、伊勢神宮にお参りするひとでにぎわっていたんだそうだ。いまでは想像がつかないけど、街道沿いにはたしかに、昔の旅籠みたいな二階屋が何軒か残っている。 村田家は街道からはちょっと引っこんでいて、前庭が広くて母屋と蔵がある、典型的な農家のつくりだった。 弔問客は前庭にまであふれ、座敷ではオレンジ色の派手な装束をつけた坊さんが経を読んでいる。清一さんに借りたスーツは、サイズもちょうどよかった。俺は焼香をすませ、......
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観
清教徒風に質素な早月の佗住居
......いう名は、多才で、情緒の細やかな、美しい薄命児をだれにでも思い起こさせた。彼女の立ちすぐれた眉目形は花柳の人たちさえうらやましがらせた。そしていろいろな風聞が、清教徒風に質素な早月の佗住居の周囲を霞のように取り巻き始めた。 突然小さな仙台市は雷にでも打たれたようにある朝の新聞記事に注意を向けた。それはその新聞の商売がたきである或る新聞の社主であり......
有島武郎 / 或る女(前編) 青空文庫関連カテ家の佇まい・外観清貧
杉垣に植込みの茂った、こぢんまりした平家で、いかにも病妻を養うにふさわしい構え
......には蒼い海が見えていた。九 数字のある風景1 電車通りからはずれて、ゆるい勾配を下ったところにその家はあった。付近は竹垣や杉垣をめぐらした家が多い。安田の家は、杉垣に植込みの茂った、こぢんまりした平家で、いかにも病妻を養うにふさわしい構えにみえた。 家と家の間には、蒼い海の一部が見えた。 三原は玄関の釦を押した。ブザーが家の中に鳴ったのがわかる。彼は、なんということなく息をととのえた。こういう場......
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観
丘を少し上ったところにある隠れ家のようなコテージ
......湖を見ているというよりは、これから先に広がる楽しみを見つめているようだった。お前は多分うまくいくよ。オレは心の中でだけ思った。絶対口に出しては言ってやらない。 丘を少し上ったところにある隠れ家のようなコテージに着くと、「二階がある!」と男たちはとりあえず全室を走り回り、荷物をまとめて置こうとしている女子に煙たがられた。オレはトトロのメイの気分で部屋のドアを開けまくり......
朝井 リョウ / 燃えるスカートのあの子「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観
〈風と共に去りぬ〉のモデルハウスになった家の前も通った。長い裾をひいたスカーレット・オハラが、戸口から出てきても不思議に思えないような雰囲気が、まだじゅうぶん残っていた。
......ア・カザンの監督で映画化された戯曲の舞台は、このニューオルリンズだった。 翌日、郊外にドライブした。高級住宅地の家は、白ぬりの二階建てで、前庭は広い芝生だった。〈風と共に去りぬ〉のモデルハウスになった家の前も通った。長い裾をひいたスカーレット・オハラが、戸口から出てきても不思議に思えないような雰囲気が、まだじゅうぶん残っていた。 ニューオルリンズとは、夢みたとおりの街ではなかったけれど、またもう一度行ってみたいと思う、心にふれる街であった。◆ ナスのキャビアとムサカ 私はナスが大好きだ......
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観
彼の家は、ポテト畠の真中に建っている
......料理のつけ合せには最高である。 * 私はアメリカの小説はあまり読まないが、〈ティファニーで朝食を〉〈冷血〉の作家トルーマン・カポーティは好きな作家である。彼の家は、ポテト畠の真中に建っているのだそうだ。寒い朝、彼はかご一杯にポテトを掘ってくる。友人に電話をかけて呼びよせる。洗ったポテトは、天火の中でゆっくりゆっくり焼けてくる。 冷ぞう庫には、うんと......
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観
武家風とも数寄屋風ともつかぬ玄関がまえ
......市も、駅前に大きなスーパー・マーケットが出来たりして、車輛の往来もはげしくなっていた。 だが、〔招福楼〕のすべては八年前と、いささかも変っていない。 門を入り、武家風とも数寄屋風ともつかぬ玄関がまえで、座敷へ通ると、床の間に、祇園祭の山鉾の雛形が飾られてあり、香のにおいがただよっている。 縁の向うに、白砂に緑の砂洲を配した美しい庭が、夕闇に溶けこみつつあっ......
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観
別荘風の住宅
......れが父の死ぬまで口に絶やさなかった箴銘の言葉でしたと、規矩男は苦笑した。 父の越後は日本の土地の中で、一ばん郷土的の感じを深く持たせるという武蔵野の中を選んで、別荘風の住宅を建てた。それから結婚した。 「ずいぶん、晩婚なんです。父と母は二十以上も年齢が違うのです。父はそのときもう五十以上ですから、どう考えたって、自分に子供が生れた場......
岡本かの子 / 母子叙情 青空文庫関連カテ家の佇まい・外観
(家の)二階から人の頭が覗いていた。
......菜の卓のように蔬菜を盛り蒐めている。見廻す周囲は松林や市街のあふれらしい人家に取囲まれていて、畑地の中のところどころに、下宿屋をアパート風に改造した家が散在し、二階から人の頭が覗いていた。 散歩の日によって、かの女と規矩男とは気持の位置が上下した。かの女の方が高く上から臨んでいたり、規矩男の方が嵩にかかったり――今日は×大学の前で車を乗り捨てて、......
岡本かの子 / 母子叙情 青空文庫関連カテ家の佇まい・外観
(イギリス風の住宅建築は)建築当初は武蔵野の田畑の青味に対照して、けばけばしく見え、それが却ってこの棲家を孤独な淋しい普請のようにも見させたが、武蔵野の土から生えた蔦が次第にくすみ行く赤煉瓦の壁を取り巻き、平地の草の色をこの棲家の上にも配色すると、大地に根を下ろした大巌のように一種の威容を見せて来た。
......考えたが、そんな客観的の心配は切り捨てて、思い切り純英国式の棲家を造らせ、外国で使用した英国風の調度類を各室にあふれるように並べて、豊富で力強い気分を漂わせた。建築当初は武蔵野の田畑の青味に対照して、けばけばしく見え、それが却ってこの棲家を孤独な淋しい普請のようにも見させたが、武蔵野の土から生えた蔦が次第にくすみ行く赤煉瓦の壁を取り巻き、平地の草の色をこの棲家の上にも配色すると、大地に根を下ろした大巌のように一種の威容を見せて来た。 正面の石段を登ると、細いバンドのように閂のついた木扉が両方に開いて、前房は薄暗い。一方には二階の明るさを想わせる、やや急傾斜の階梯がかっちりと重々しく落着いた......
屋根へ石を載せた豆板のような家
......曲川に沿って、二里ばかり上へ遡ると、山と山の間、すべてひろい河原地へ出る。 しいんとした薄暮のいろが低く水面に降りていた。西岸の山の尾根から河原のふちへかけて、屋根へ石を載せた豆板のような家がまばらに散在して見える。 戸倉の温泉だった。やがてその辺に、チラチラと数えられるほどの燈火がつく。 「支度がよかったら、ぼつぼつ出かけようじゃないか。もう七之助......
静かな構えの玄関
......――それも凡な女ではなく、いつも火のような情炎を肌のあぶらに焚いている女の……。 × × × 「ほ。仁和寺流……」 三五兵衛は標札に足をとめて、静かな構えの玄関をのぞいた。 萩の袖垣に、塗障子の床玄関、笛師らしい住居である。 「旅先のものでござるが、お珍しいお流儀、同好なれば、何とぞ一曲御指南を」 野袴のチリをはたいて、......
吉川英治 / 八寒道中 青空文庫関連カテ家の佇まい・外観
この家はこの娘のためになんとなく幸福そうに見える。
......て来ることもある。夜になると弟を連れて温泉へやって来る。すこやかな裸体。まるで希臘の水瓶である。エマニュエル・ド・ファッリャをしてシャコンヌ舞曲を作らしめよ! この家はこの娘のためになんとなく幸福そうに見える。一群の鶏も、数匹の白兎も、ダリヤの根方で舌を出している赤犬に至るまで。 しかし向かいの百姓家はそれにひきかえなんとなしに陰気臭い。それは東京へ出て苦学していたそ......
破屋というのではないが、とりわけて見ようというような立派な家では勿論なかった。
......ですが、など車掌は言っていた。汽車のように枕木の上にレールが並べてあって、踏切などをつけた、電車だけの道なのであった。 窓からは線路に沿った家々の内部が見えた。破屋というのではないが、とりわけて見ようというような立派な家では勿論なかった。しかし人の家の内部というものにはなにか心惹かれる風情といったようなものが感じられる。窓から外を眺め勝ちな自分は、ある日その沿道に二本のうつぎを見つけた。 自分は......
梶井基次郎 / 路上 青空文庫関連カテ家の佇まい・外観
(漁師の家)竹串にさされた生鰯が、むしろの上にならんで、雨あがりの薄陽がその上に銀を散らしている。
......からあんまり頭が痛むので、娘と二人で黒犬を連れて、日在浜の方へ散歩に出て見た。渚近い漁師の家では、女や子供たちが三々五々群れていて、生鰯を竹串につきさしていた。竹串にさされた生鰯が、むしろの上にならんで、雨あがりの薄陽がその上に銀を散らしている。娘はバケツにいっぱい生鰯を入れてもらうとその辺の雑草を引き抜いてかぶせた。 「これで十銭ですよ。」帰り道、娘は重そうにバケツを私の前に出してこう云った。 夜は生鰯......
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫関連カテ家の佇まい・外観
林の中に立つ別荘群の中でも目立つ、小さいながらも派手なつくりの建物
......が肝心よ。」「ありがとう。」「おしあわせに。」 電話は切れた。 多分もう、二度と話をすることはないとお互い知っていた。 私の中で、彼女の思い出は鮮烈だ。 それは林の中に立つ別荘群の中でも目立つ、小さいながらも派手なつくりの建物だった。 初めて会った時、品定めをするようにではなくて私の価値をはかるように私を見つめた。 ドアが開いて、バスローブ姿の彼女が立っていた。私はジーンズに革のジャ......
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観
垣根には目かくし用に様々な種類の灌木やカイヅカイブキが効果的に配され、そのすきまからは手入れのいきとどいた庭が広がっているのが見えた。
......聞こえてくることもあり、カレーを煮る匂いが漂ってくることもあった。 それに比べると古くからある家の方からは生活の匂いというようなものはほとんど感じられなかった。垣根には目かくし用に様々な種類の灌木やカイヅカイブキが効果的に配され、そのすきまからは手入れのいきとどいた庭が広がっているのが見えた。母屋の建築スタイルは様々だった。長い廊下のある日本風の家屋があり、古びた銅屋根の洋館があり、つい最近改築されたらしいモダンなつくりのものもあったが、そのどれにも......
櫟(くぬぎ) の垣根を巡らした平屋の家
......ンプを点滅させると、歩道際に車を寄せて停車した。「どうしたんですか」「お供えの花を持っていきましょう」 歩道脇の花屋を、辰川が指差した。 尾畑小枝子の住まいは、櫟の垣根を巡らした平屋の家だった。 同じような古い家の並んだ住宅街にあり、表は狭い道となっている。門柱を通り抜けると、狭い庭に花をつけた槿や、花の終わったアジサイが葉を茂らせており、その......
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観
右隣にも、ほとんど同じ造りの家が二棟建っていた。たぶん、同じ大家が建てた借家だろう。
......した。やがて、木造平屋の家が見つかった。北向きの玄関先に、申し訳程度の庭があり、八つ手が葉を茂らせていた。その先に台所の格子窓があり、すぐ横が玄関となっている。右隣にも、ほとんど同じ造りの家が二棟建っていた。たぶん、同じ大家が建てた借家だろう。 昭和四十九年七月二十六日から二十七日にかけて、この三軒並びの借家の左端の家に、尾畑小枝子たちは引っ越してきたのだ。玄関から飛び石が続き、家の前は幅が四メートル......
(表札)能筆が自慢の重役が贈ってくれた大きな表札は、雨風に 晒されささくれて、履き古しの下駄に見えた。
......あいが急に無くなり、暮れ切れない夕方の光のなかで自分の家を見ることが出来るようになった。 家はくたびれていた。 鉄平石の門もモルタルの壁も、白く粉を吹いていた。能筆が自慢の重役が贈ってくれた大きな表札は、雨風に晒されささくれて、履き古しの下駄に見えた。 この家を手に入れた十五年前は江口を気に入り引き立ててくれたが、使うだけ使うと、それこそ弊履のように閑職に廻したのである。 五十坪の借地に二十五坪の上物という小......
向田邦子 / はめ殺し窓「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観
二階家そのものは二十年以上はたっているらしい木造の古家だが、玄関を新建材で張り出し、二階も下もサッシの窓がとりつけられ、北側にひと間増築していた。丁寧に住んでいるという印象であった。
......う思いがあった。 実家の木月の家は東横線の反町から山側へ入った古い住宅地の中にあり、ブロック塀をめぐらせた七十坪ほどの二階家だった。東側に四米道路。玄関は東南。二階家そのものは二十年以上はたっているらしい木造の古家だが、玄関を新建材で張り出し、二階も下もサッシの窓がとりつけられ、北側にひと間増築していた。丁寧に住んでいるという印象であった。業者としては、こんな古家はとりこわしてわが社のプレハブで新築をして貰いたいと思うべきだが、そういう感覚は思い出のようにしか残っていなかった。 インターフォンを押......
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観
周囲を灌木に囲まれた小さな家。
......りこそわるいけれど、泰子の丹精で春にはきっと華麗な花壇に変わることだろう。 興信所のリポートはその通りの生活をその通りに裏付けている。疑念を挟む余地すらない。 周囲を灌木に囲まれた小さな家。その中で終日たった一人で音も立てずになにかに熱中している女。そんな風景は静寂に過ぎてどこかかすかに無気味でさえあったが、その光景の中に泰子を置いてみれば、けっし......
阿刀田 高 / 裏側「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon関連カテ家の佇まい・外観