⚠️
このページは 新デザイン に変更中です。表示や操作が旧ページと異なる場合があります。
縁側に腰をかけて日向ぼっこをしていると、黒い土の上から、モヤモヤとかげろうがのぼっている。
......るけれど、なにくそ! たまには米の五升も買いたいものだと笑う。お母さんは近所の洗い張りでもしようかと云うし、私は女給と芸者の広告がこのごろめについて仕方がない。縁側に腰をかけて日向ぼっこをしていると、黒い土の上から、モヤモヤとかげろうがのぼっている。もうじき五月だ。私の生れた五月だ。歪んだガラス戸に洗った小切れをベタベタ張っていたお母さんは、フッと思い出した様に云った。 「来年はお前の運勢はよかぞな、今年はお......
林芙美子 / 新版 放浪記 青空文庫関連カテひなたぼっこ
じりじりと陽が照る。 よくもこんなに日が照るものだと思う。《…略…》眼をつぶっていると、虹のような疲れかたで、きりきりと額が暑い。
......まぬるい草いきれのこもった風が吹く。お母さんが腹が痛くなったと云う。堤に登って、暫くやすみなさいと云ってみる。征露丸を飲みたいと云うけれど、大宮の町には遠い。 じりじりと陽が照る。 よくもこんなに日が照るものだと思う。何処かで山鳩が啼いている。荷物に凭れて、暫く休む。今夜は大宮へ泊りたいのだけれども、我まんして帰れば帰れない事もないのだが、何しろ商売がないのには弱ってしまう。眼をつぶっていると、虹のような疲れかたで、きりきりと額が暑い。手拭を顔へかぶる。お母さんは、少ししゃがんでいきんでみようかと云う。三日もべんぴしているのだそうで、どうも頭が割れるようでのうと云う。 「おおげさな事を云うてるよ......
(日光浴、女は)胸を開けっぴろげて、冬が来る前に少しでも多くの陽光を吸収してやろうとつとめている。
......いて、海に入ろうという気にはちょっとなれない。みんな砂浜に横になって静かに日光浴をしているだけである。男はぴちぴちの小さな海水パンツをはき、女の70パーセントは胸を開けっぴろげて、冬が来る前に少しでも多くの陽光を吸収してやろうとつとめている。そしてみんなとても生真面目な顔をしている。日光浴くらいもうすこしのんびりやればいいのにと思うのだが、この人たちはこと太陽に関してはけっこう真剣である。まるで太陽......