妻の後ろ姿の写真が増えてしまう理由
坂道の向こうに海が光っています。晩秋の鎌倉。今日は天気が良く、澄んだ青空が気持ちいい。私は足を止め、カメラを構えました。ファインダーを覗くと、逆光の海に向かって妻が歩いています。シャッターを切る瞬間、彼女が画角の端に写り込みました。いつものことです。私がいいアングルを見つけて立ち止まると、彼女はスタスタと先へ行ってしまう。気づけば、私の撮る写真には、妻の背中が写っているものが多くなっています。決して、彼女の後ろ姿を撮りたいわけではないのですが――。
8年前、出張や小旅行の折にスマートフォンで風景を撮るうちに、もう少しちゃんとした写真を残したいと思うようになり、ミラーレス一眼を手に入れました。愛機は「OLYMPUS OM-D」。小さな筐体とクラシカルなデザインが気に入っています。
カメラは仕組みが面白い。露出、絞り、シャッタースピード。設定を変えるだけで、まったく印象の違う写真が出来上がります。上達しようと本を読むのですが、すぐに飽きてしまって、結局は自己流です。夜、書斎でその日撮った写真を見返しながら「次は露出を変えてみよう」「シャッタースピードを遅くすればよかった」など、構想を練ったり反省したりしています。
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(構成=渡辺一朗 撮影=宇佐美雅浩)



