勝敗ラインが「すでに達成済み」のナゾ

わが国の総理大臣、俺たちの高市早苗さんが、記者会見で高らかに解散を宣言されました。そうですか。ほとんど東西ポピュリズム大戦みたいな状況になってきております。すべての政党が国民ネット世論に迎合しすぎて、れいわ新選組みたいなことになってるの。

結論から言えば、高市政権の支持率が高いんだから、高いうちに選挙やっちゃえって話に過ぎないわけで、政策なんて何でもいいんですよ。雰囲気で、高市さん推しでそのまま投開票日までなだれ込めばきっと勝てるに違いない、と。

2026年1月16日、高市早苗とジョルジア・メローニが東京で日伊首脳会談に臨む
2026年1月16日、日伊首脳会談後の記者発表に臨む高市早苗首相(写真=内閣広報室/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

会見で出た高市さんのおっしゃる解散の理由は「高市早苗が内閣総理大臣で良いのかどうか。いま、主権者たる国民の皆さまに決めていただく。それしかない。そのように考えたからでございます」という、それってお気持ちであって、高市政権が国民に信を問うためにどうしても取り組みたい重要な政策の是非を掲げるものではないようです。

しかも、連立政権(という名の閣外協力)を組む日本維新の会さんとの合計で自民維新が過半数を超えれば勝ち、とかおっしゃってました。いや、それ勝ちのハードル低すぎねえですか。といいますかいま、自民維新ですでに過半数ですよ、1議席差でギリですが。後述しますが、これは要するに「高市早苗としては、党内や維新さんと政策を調整するつもりはあんまりないので、フリーハンドで高市早苗に国家運営を任せてほしい」という白紙委任状を有権者に求める解散なんじゃないの、と思うわけです。

ローマ皇帝のような「全員あたしについてこい」

つまりは、“高市早苗が総理として行いたい枢要な政策を掲げて信を問う”のではなく、“アイアム高市早苗。皇帝としてふさわしいから、全員あたしについてこい”という、現代民主主義というよりはローマ帝政における形式論的な信認選挙みたいになっております。実質的な国家運営に関する政策論争になっていないのだから、選挙が形骸化して、より耳あたりの良い政策だけが並んでポピュリズムばかりが叫ばれるのは当然とも言えます。

社会保障とか成長戦略などどこに行っちゃったのでしょう。絶対的な同盟国から相対的な二国間関係となって、日本の安全保障の基盤も揺らいでいるから防衛費増額で自国のことは自国で守る、そのためには財源が必要だから消費税は下げられないって話じゃなかったですか。つい半年ぐらい前に、幹事長だった森山裕さんがそう言ってたと思うんですが……。

まあ、国際的に見ても国際法とかガン無視で大国がバリバリに中小国に攻め込んでいい感じの世界観になってきていますから、トレンドを先取りしているのかもしれません。さすが高市早苗だ、なんともないぜ。