使う言葉を変えるだけで、あなたの脳は幸運を見つけ始める。成功する人が、いつも口に出している言葉とは。運を上げる口ぐせを、精神科医の樺沢紫苑氏に聞いた――。

言葉を変えるだけで見える世界が変わる

多くの人が、「運」とは天からランダムに降ってくるものであり、自分ではコントロールできないものだと信じています。しかし、精神科医として多くの人の悩みに触れてきた私の実感としては、運の良し悪しとは、その人がどこに意識を向けているかという「意識の向け方」の違いにほかなりません。

例えば、今日一日であなたに10個の出来事が起こり、そのうち5個が楽しいこと、5個が嫌なことだったとしましょう。運がいい人というのは、一日が終わるときに「今日は楽しかった」と、プラスの出来事を3つ思い出せる人です。一方で運が悪い人は、まったく同じ一日を過ごしても、「なんて嫌な日だ」とマイナスの出来事ばかりに注目してしまう。現実は同じでも、脳が何を探し出したかによって、その人が感じる幸福度、つまり「運がいい」という感覚は決定づけられるのです。

脳の注意を方向づけるハンドルとなるのが、私たちが普段使っている言葉です。言葉には、脳の認識をコントロールする力があります。「自分は運が悪い」と口にすれば、脳はその瞬間から「運が悪い証拠」を探し始めます。「やっぱりあれもダメだった」「これも失敗した」と、不運の検索を始めてしまうのです。逆に「自分は運がいい」を口ぐせにすれば、脳は日常の中から「運が良かったこと」を敏感に見つけ出し、記憶に定着させます。言葉を変えるだけで、脳が見る世界はガラリと変わるのです。