毎日の疲れを睡眠で解消するにはどうしたらいいか。禅僧の枡野俊明さんは「私は毎日、深い睡眠を得るために、日中はよく動き、夜9時半以降は難しいことは何も考えずに静かにくつろぎ、夜坐により頭を完全に休めている」という――。

※本稿は、枡野俊明『疲れない心をつくる休息の作法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

部屋のベッドに一人で座り、夜に窓から覗く女性の背中
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できるだけ“今日のうち”に寝る

禅僧の生活から
「睡眠の作法」を学びましょう。

「気がついたら、へとへと」という状況に陥りやすいのは、どんなときでしょうか。まっ先に考えられるのは、

「睡眠不足」――。

夜遅くまで仕事をしたり、飲み会につき合ったり、好きなことに夢中になって夜更かししたり、あるいは布団に入ってからなかなか寝つけなかったり……。理由はいろいろあると思いますが、睡眠不足の日が続けば、へとへとになって当然です。

「月落烏啼霜満天(つきおち からすないて しもてんにみつ)」

という言葉があります。

これは、中国の詩人・張継の漢詩『楓橋夜泊ふうきょうやはく』に出てくる一節。月が沈み、烏が鳴き、あたり一面に霜が降りて、寒々とした静寂に包まれる夜の情景を描写したものです。

この禅語が教えてくれるように、夜は日中の喧騒から離れ、静かに心を落ち着ける貴重な時間。禅的にいえば、そんな「夜の時間」をぞんざいに扱って睡眠不足に陥るなど、言語道断なのです。

ですから、みなさんも、「夜の自由時間を楽しみたい」とか「お酒を飲んでストレスを解消したい」といった気持ちをぐっと抑えて、

「夜になったら寝る。できるだけ“今日のうち”に寝る」

と決めましょう。

静寂に身を置くことでしか得られない、深い心身の安らぎを感じられるはずです。